愚行録のレビュー・感想・評価
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みんなが持っている今どきの
引き込まれてあっという間に終わりました。
気になったのは時間の経過。
小学生くらいの子どもがいるように見えたので、大学卒業してから6年くらいは経ているのかと。
このあたりがわかり辛く、大学時代のキャンパスの学生が、今をときめくanelloのリュックをしょっていて、あの形は昨年ブレイクしたので、やはり気になってしまいました。
かなり壮絶な幼少期だったので、どうやってその一流大学に入ったのか、違和感の連続でした。
タイトル損だなー
原作未読ですが、小説としてもあまりセンスがあるとは思えないこのタイトルで映画も損してるな、と。「愚行録」といわれてしまえばどうしてもその先入観で人物たちを見るし、善人風に登場しても、どうせこいつも愚行するんでしょと先読みしてしまい意外性が損なわれるのは否めません。大人の事情で変えられなかったんでしょうか。
サスペンス、ミステリーファンとして言わして貰えれば、
血の描写(殺しの現場や返り血など)が下手。鈍器で殴り殺す芝居もリアリティが乏しい。衝撃的シーンなのはいいですが、単純に殺す方も殺される方もお芝居(動き)がチープに見えてしまう。殺戮描写をリアルに見せたいわけじゃないし、間(マ)の演出意図もよく解るのですが、もう少しエッジの効いたアイデアがあれば。こういうテーストの映画は本筋の感想とはまた別にこういうシーンで造り手のセンスを見てしまいますので。
高まり切らず
冒頭の『席譲ってやれオヤジ』に、障害者のフリして人泡ふかしたシーンが痛快で一気に期待が高まった。
(よく考えたらオヤジそんな悪くないのに、ざまぁみろと思う俺も愚行者)
このあと妻夫木がどんな事しでかして行くのかと思いきや、淡々とした展開に肩透かし。
でも臼田を殴り殺すところには驚いた。
あれは衝動的だったのか、タバコを用意してただけに計画的だったのか、そもそも臼田は殺される程の事したのか(笑)
だからこそ妻夫木が愚か者なのかもしれないけど、俺には推し量れなかった。
役者達の演技は素晴らしいんだろうけど、話の展開重視な俺には☆3つだった。
プツンって音が聞こえた
冒頭で脚が悪い振りをする妻夫木を見て最高だなーなんて思ってたら想像の何倍も重い衝撃がガツンガツンと襲ってきて参っちゃった。
これが観たかった。頭を痛めたかった。素晴らしかった
主に一対一で聴取する場面の連続なんだけど、一人一人に抱えるものや物語があって最後に全てが繋がるオムニバス形式のようでかなり観入ることができた。
基本聞く側の田中がときどき聞かれる側にまわるのが効果的で良かった。
田向の生き様にドン引き笑
その開き直り方に感心するレベル。
夏原さんもまた何考えてんのか分からなすぎて怖い。
あの笑顔と器用な人間関係の裏に何があるのか、或いは何もないのか…
最後まで二人に関しては客観的な話しかないので掴めなくて、より気持ち悪く感じる。
この映画一番の衝撃は田中が宮村を殺すシーンだった。
宮村が光子のことを話してる時点でうわぁ〜やめてくれ〜って思ってたけど、まさかあんな、流れるように静かに殴り殺しちゃうとは。
夢でも見てるのかと思った
光子が田向家殺人の犯人ってのは宮村の話で予想はつくけど、実際彼女の口から語られるとズーンときた。
それと光子が「生まれ変わってもお兄ちゃんの妹でいたい」って言った時に、もしや…と思ったけど本当に兄妹の子供だったとは…!
中盤でそれが分かってもただの衝撃で終わるけど、虐待児童だった二人で、しかも宮村殺人と田向殺人を経たあとでの判明だから余計に重くて重くて
とにかく救いのないやりきれない映画。
役者のちょっと抑えめの演技が最高だった。
夏原さんと光子の笑顔が忘れられない…
濱田マリのまっすぐな目付きと妻夫木の伏せがちの目付きが印象的だった。
短編映画の監督だそうでちょっと納得。
愚行録ってタイトルもまさに。
去年の怒り を思い出す、良い邦画でした
2017.8.16
飯田橋ギンレイホールにて再鑑賞。
当たり前だけど初めて観た時と全然観え方が違っていたので追記。
改めて細かく作り込まれた演出、構成と至る所にある伏線にたまらなくなる。
別荘パーティーで後ろに光子を見つけた時には鳥肌が止まらなかった。
メモを取っていない田中、彼の表情も印象がガラリと変わって 悲しく恐ろしかった。
田中兄妹の、歪にゆがんで沈むしかないような愛もどこか虚しく空回るように感じる。
恵美の指している「犯人」と彼女の赤ちゃんの父親について考えに考えていると、もしかして田向が父親なのかも そんで夏原を犯人だと思っているのかも って行き着いてしまった。
一番納得できるのがこのへんしかない…怖いよ…
何回観ても面白く重くのしかかるサスペンス。
今の所今年の邦画でダントツNo.1に好き。
ただし鑑賞後ひどく体力を削がれてしばらくまともに動けなくなる!笑
天才現る。
貫井徳郎の原作を読んだときに、どんなアプローチで映画化するのだろうと、かなり心配になった。
映画が始まって最初のシークエンスで気持ちをグッと掴まれた。向井康介脚本、石川慶監督は天才なのではないか。
その後、原作通り進むのだが、田中(妻夫木聡)が取材する相手がみな好演で、会話劇でも見応えがあった。
注目すべきは宮村(臼田あさ美)の話で、ここで田中光子(満島ひかり)が出てくる。原作では、宮村は我々が知らない間に死んだことになっている。
ここのシーンのつながりも天才的で、宮村が光子の話をするのは終盤で、その回想シーンが出てくるのだ。
原作を読んだとき、この光子が田中の妹だとは気づかなかったのだ。いろいろな人が夏原(松本若菜)にひどい目にあっていて、そのうちのひとりという話の流れになっていたからだ。映像ではそうはいかない。
さて、原作を読んでいない人にはちゃんと伝わっているのだろうか。そこは心配なところだが、僕はこれでいいと思う。
思ってたほどでなくて残念
公開の前々日くらいに知り、ちょうど出かける予定もあったのでついでに見た。
俳優の豪華さに比べてしまうと内容が薄く感じた。
最初のバスでのシーンでの大きな衝撃が強すぎて、全体の物語の衝撃が薄れてしまったように思う。
「怒り」を見たときの、あの驚きのせいもあってか、そこまで感動することができなかった。
言葉での表現や、手を使った抽象的な表現が多くて、怖いシーンやグロいシーンはあまりなかった。かなり身構えてし始めたので、個人的には空振りだった感覚。
原作も知らず、撮影の裏話なんかも全然知らずに見たので偉そうなことは言えないが、「傑作」というには少し物足りない気がした。
もう少し人生経験が豊富ならなにか違う見方があったかもしれない。いつかまた見たい。
映画化のメリット、デメリット
終始曇り空の映画。
キャスティングが非常に良かったです。
一人喋り状態の登場人物の個性がより引き出されており、映画化ならではという感じです。
宮村さんの最期のくだりは、しれっとやりに行く場面は好きですが、あのエア打撃なら原作の展開~ラストへの繋りの方が好みです。(それに伴って数多くの描写も必要となってくるので簡単ではありませんが)
よくも悪くも映画化によるメリットと我慢の部分が詰まった作品です。
悪くはないよ
最後まで集中してみられました。
妻夫木、満島W主演なので初長編監督でも失敗はないと思ってましたが、それ以上でした。
脚本も秀逸、演出も悪くない。キャストもなかなか、主演二人は安定感抜群だし、臼田あさ美も小出恵介もいい芝居でした。もう一人夏原役の松本若菜は初めて知りましたが要チェックです。よかったですよ。
ただ万人には勧められないし、重い絶望感満載作品です。
作品としては全く飽きない展開だ。登場人物一人一人の愚行録を通じ、事件の真実に繋げる。これを巧みに演出する石川監督には次作も期待したいですね。
気になった点は妻夫木演じる武志が臼田演じる宮村を壺のようなもので頭を殴り殺すシーンは明らかに当たってないのが遠いアングルからもまるわかりでした。別の撮り方でも良かったのに...
昨年も「淵に立つ」「葛城事件」など絶望感満載作品が高評価を得ています。たまにはハッピーエンドでない人間の心の深淵を抉り出す愚行録みたいな作品を一人で観るのも良いかなと思いました。
後味の非常に悪い映画。
後味の非常に悪い映画。
映像不可能な作品と謳っているが、何か首をかしげたくなる。
どの場面なのか?
『カルテット』でも怪演である満島さん。意外性が全く見られない。いつもの精神が不安定な女性。「駆け込み女と駆け出し男」の方が素晴らしかった。監督の初の長編作品らしいが、長編作品向きの監督ではない。田中兄妹の過去も暴き出されるか。どこか
聞いたことのあるような経緯。結局、彼らの義父は、一回も出てこない。キャスティングが素晴らしすぎるが、個々の役者の演技に伸びしろなし。大学での内部生と外部生の位置づけが出てくるが、附属上がりではない私にとっては、そんなに外部生と内部生の違いは感じなかった。慶×大学とか成×大学、明×大学だとその違いは顕著なのか?惨殺される一家の夫と妻。殺されるに至る彼らの過去。妬まれたり恨まれること危険性は孕んではいるものの、帳尻合わせる部分が非常に汚いというか描き方が粗い。今後この作品の監督がどのような作品を描くかは期待薄。最後武志が逮捕されるまでは描くべきではないか?
中村さ~ん、可哀想な役回り。煙草は控えめに。
濱田さんは、演技役者として板がついてきました。平田さんが精神科医ってドラマ「代償」か!
素直に面白かった。
2月18日公開の映画『愚行録』です。
ベネチア国際映画祭で映画のカタログをぱらぱらとめくっていたら、あっ、日本の映画がある。
面白いのかな、どうなのかな? と思いながら映画の説明文を読んでみると、直木賞の候補になった小説「愚行録」を映画化したと書いてあった。
おやっ、面白いかもしれないわね。
ということでぷー子、映画祭のスタッフにさっそくチケットを取ってもらい、観にいくことに。
ベネチア国際映画祭ではオリゾンティ・コンペティション部門にノミネートされていたみたいなので、会場でオリゾンティの審査員たちを見かけたけれど、声をかけずにこっそりと彼らから隠れるようにして席に着く。
貫井徳郎さんの小説はあいにく拝読したことがなかった。
だからストーリーもわからないまま、ワクワク気分で映画鑑賞。
でも、サスペンスだから逆に本を先に読んでいなくてよかったかも。
映画『愚行録』は、小説をベースにして作られているからか、無駄のない構成で面白くできていた。
サスペンスあり、謎解きあり、退屈せずに観ることができたよ。
演技で光っていたのは、松本若菜さん。
往復ビンタをくらわしたくなるような彼女のビッチな女ぶりがすっごくよかった。
実際に彼女は映画のなかで頬にビンタをくらうのだけれど、キッと表情を取り戻して相手を打ち返す。
いや〜ん松本さん、すごいビッチ。最高だわ〜。
あとは、臼田あさ美さんがいい役してた。
臼田さんはモデルあがりの方なので、まず観ていて綺麗。
その彼女の綺麗さが、青山かどっかのスタイリッシュなカフェのオーナー役にもあっていた。
凛とした表情でセリフをつないでいく彼女。いい感じじゃない。
将来は、ヤクザ物とか、時代劇とかにもぴったり役なのではないかしら、と思った。
妻夫木聡さんは、ぷー子が昔から大好きな俳優。
今回も妹とのネチネチとした関係を上手に演出していると思った。
安心して観てられるいい俳優だね。
ベネチア映画祭では、なにか賞を受賞できるのではないか、とぷー子は思っていたんだけど、残念だったね。
でもね、この映画祭での受賞とか、アカデミー賞とか、バフタ賞とかが、くせものなのよ。
もちろん、賞を受賞したらかっこいいよ。
ポスターにも「なになに賞、受賞」って書いてあると、おやっと目を引くもんね。
でもね、賞を受賞したからといってその映画がいい作品だとは必ずしも限らないの。
賞を決める方法に問題がありありだからさ。
賞の決め方は「羊の群れ」形式なので、一人が右に行けばみんな右に歩きだすような感じ。
審査員のみんなも独りで恥をかきたくないと思っているし、他の審査員と一緒にほんわかした環境を作らないといけないと思っているので、大変なのよ。
だから受賞しなかった作品でも、いい映画ってたくさんあるのよ。
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