「ありのままの一般的な群像」愚行録 まんてんさんの映画レビュー(感想・評価)
ありのままの一般的な群像
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作品を見ていると、時間の経過とともにどんどん嫌な気分になります。それは登場するキャラクターの殆どすべてが所謂「感じ悪い人」だからでしょう。そういうキャラクターの多さに「人間ってこんなものじゃないはず・・・」と否定したい気持ちが湧きますが、実はその否定感情の方が綺麗ごとでしかなく、案外普通の人間像を描いてる事に気が付きます。
ミステリー作品として筋立てはよく練られており、妻夫木聡さんの感情を抑えた冷淡かつ生命力を感じない演技や、逆に田中光子(満島ひかりさん)の情念的で、ある意味純真さすら感じてしまう存在感は見ごたえがありました。
全体としての出来の良さは理解できます・・・が、私はこの作品が嫌いです。
こういう作品に対して、一定の需要があることに不安を感ぜずにいられない臆病ものなんですよね。自分は。
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