「愚行」愚行録 MiyuMiyu@マサキチさんの映画レビュー(感想・評価)
愚行
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主演2人の演技に圧巻。壊れてしまった自分を必死に保つ光子と深い闇を抱えながら日常にもぐる田中。この2人にしかできない演技だと思う。
前半、田中が関係者たちに取材していくシーン、みんなわかりやすく愚かで見ていて嫌になった。けれど、宮村から電話がくるあたりから徐々に全てが繋がっていってゾッとした。オープニングとラストのバスのシーン、不気味で印象的。
市川由衣の「誰の子供だと思う?」というセリフや光子の母の「何か勘違いしていませんか」というセリフから推測される真実。セリフとセリフ、愚行と愚行が繋がって見えてくる登場人物たちの本性。
その愚行は小さな嘘、保身のための嘘、誰かのための嘘、そして自分自身を欺く嘘。そしてその嘘はやがて自分の中で本当になっていく。
光子が、一家殺害を独白するシーンで見せる涙は張り詰めていたものが切れ、捕らわれていた手から解放されたということなのだろうか。
ちひろの死を受け、光子が田中と話すシーンの虚しさに涙がこぼれそうになった。
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