「気力体力がある時にぜひ観てほしい‼︎」愚行録 だいきつさんの映画レビュー(感想・評価)
気力体力がある時にぜひ観てほしい‼︎
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上映後、一人目見ていた女性が、
逃げるように劇場を出て行った。
サービスデーの今日、
気軽な気持ちで見にきていたのなら
相当メンタルをやられたのかも。
そんな映画だった。
終始『重たい』映画。
渡辺謙の「怒り」も重たかったが
まだ、救いがあった。
どちらかと言うと
浅野忠信の「淵に立つ」に似た印象か。
相変わらず妻夫木聡はいい演技してる。
小出恵介は好青年役しか知らなかったから
なかなかのギャップ具合がこれまた良かった。
けれどやはり、満島ひかりに尽きる。
カウンセラー室?での「一人語り」は圧巻。
まるで人ごとのように語る。
半分笑みを交えながら語る。
けれど、瞳の奥では「目が泳いでいる」
あの目の泳ぎ方には毛筋が凍った。
惜しかったのは
妻夫木聡が殺人を犯してしまうシーン。
ガラス越しで「無音」になる演出。
これはこれでいいのだが
その分、映像に軽さが出てしまった。
映画のキャッチコピーである
「衝撃」のシーンなのだから
違う演出にしても良かった?
例えば、逆に音だけにしてみるとか。
救いようのないこのストーリーに
無理やり「得るもの」を見つけるなら。
「人は皆、平等に愚かで醜い。」
という事か?
そう思った時に
ドラマ「リーガルハイ」で
古美門研介が言ったセリフを思い出した。
シーズン2の最終回で言い放ったセリフ。
「醜さを愛せ」
真逆のジャンルの作品だけれど
「醜さ」を「愚かさ」に変換すると
妙にしっくりきた。
残業明けのレイトショーは
あまりお勧めできない。
気力体力が確保できる時に
できるなら一人で観てほしい。
でも、決して、
観て損はない。
そんな映画だった。
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