「人は生まれながら平等でないという現実」愚行録 つなやんさんの映画レビュー(感想・評価)
人は生まれながら平等でないという現実
原作未読で鑑賞。原作を読めば印象は変わるのだろうが、はしょったところも感じず、2時間の映画としてよくまとまっていると感じた。妻夫木聡、満島ひかりの安定感ある二人を軸に、過去を語る他のキャストの好演も光る。
この映画で描かれる生い立ちの条件、ヒエラルキー構造は、現代社会において悲しいかな厳然と存在する。現代に生きる我々は、そのヒエラルキーの中で勝ち上がっていくか、別の価値観でその構造から離れて生きていくしかない。そのヒエラルキーで勝ち残れなかった人間はこのような悲劇に至るのかもしれない。イヤミスの空気感を余すところなく描いた作品。
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