「素直に面白かった。」愚行録 ぷー子の感動が冷めるまえに、映画感想さんの映画レビュー(感想・評価)
素直に面白かった。
2月18日公開の映画『愚行録』です。
ベネチア国際映画祭で映画のカタログをぱらぱらとめくっていたら、あっ、日本の映画がある。
面白いのかな、どうなのかな? と思いながら映画の説明文を読んでみると、直木賞の候補になった小説「愚行録」を映画化したと書いてあった。
おやっ、面白いかもしれないわね。
ということでぷー子、映画祭のスタッフにさっそくチケットを取ってもらい、観にいくことに。
ベネチア国際映画祭ではオリゾンティ・コンペティション部門にノミネートされていたみたいなので、会場でオリゾンティの審査員たちを見かけたけれど、声をかけずにこっそりと彼らから隠れるようにして席に着く。
貫井徳郎さんの小説はあいにく拝読したことがなかった。
だからストーリーもわからないまま、ワクワク気分で映画鑑賞。
でも、サスペンスだから逆に本を先に読んでいなくてよかったかも。
映画『愚行録』は、小説をベースにして作られているからか、無駄のない構成で面白くできていた。
サスペンスあり、謎解きあり、退屈せずに観ることができたよ。
演技で光っていたのは、松本若菜さん。
往復ビンタをくらわしたくなるような彼女のビッチな女ぶりがすっごくよかった。
実際に彼女は映画のなかで頬にビンタをくらうのだけれど、キッと表情を取り戻して相手を打ち返す。
いや〜ん松本さん、すごいビッチ。最高だわ〜。
あとは、臼田あさ美さんがいい役してた。
臼田さんはモデルあがりの方なので、まず観ていて綺麗。
その彼女の綺麗さが、青山かどっかのスタイリッシュなカフェのオーナー役にもあっていた。
凛とした表情でセリフをつないでいく彼女。いい感じじゃない。
将来は、ヤクザ物とか、時代劇とかにもぴったり役なのではないかしら、と思った。
妻夫木聡さんは、ぷー子が昔から大好きな俳優。
今回も妹とのネチネチとした関係を上手に演出していると思った。
安心して観てられるいい俳優だね。
ベネチア映画祭では、なにか賞を受賞できるのではないか、とぷー子は思っていたんだけど、残念だったね。
でもね、この映画祭での受賞とか、アカデミー賞とか、バフタ賞とかが、くせものなのよ。
もちろん、賞を受賞したらかっこいいよ。
ポスターにも「なになに賞、受賞」って書いてあると、おやっと目を引くもんね。
でもね、賞を受賞したからといってその映画がいい作品だとは必ずしも限らないの。
賞を決める方法に問題がありありだからさ。
賞の決め方は「羊の群れ」形式なので、一人が右に行けばみんな右に歩きだすような感じ。
審査員のみんなも独りで恥をかきたくないと思っているし、他の審査員と一緒にほんわかした環境を作らないといけないと思っているので、大変なのよ。
だから受賞しなかった作品でも、いい映画ってたくさんあるのよ。