イレブン・ミニッツのレビュー・感想・評価
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もう少しひねりが欲しい
惨事のあった時間から巻き戻して、それぞれの登場人物を描いた手法で比較的目新しいけれど、各ストーリーがそれほど興味深いものではなくまたつなぎ目を起点として意外な展開になるわけでもなく、ラストは衝撃的ではあったが、それ以外は余り面白いと思えるものではなかった。全く予備知識が無いほうがもう少し楽しめたかも。
伏線回収せず
ていうか、群像劇なのに撒き散らした伏線を全て回収しない。言い換えれば、取捨選択してる。その11分の間に起きた事柄でも、ラストに必要ないネタは切り捨てていく。その切られたネタに、すっかりミスリードされてしまう。監督アッパレ!
稲妻
編集とか演出は大好きだったけど、いかんせんストーリーの繋げ方が面白くなさすぎた。
もうちょっと丁寧にそれぞれに相関を持たせるか、逆にいっそ半分くらいの時間でサクッと描くか、どうにかやりようがあった気がする。
なんかオカルト要素も意味わかんなかったし、そもそもイレブンミニッツ要素が全く感じられなかった。
ただ、本当に音響や編集含め、演出は好みだった。
最後のモザイクとかほんと良かった。
79
最後こそ、もうひとひねり!
たった11分間の出来事。
映画監督と女優とその女優の夫、出所してきたらしいホットドック屋とその過去を知る女、ヤクチュウで間男のバイク便の男、犬を連れたパンク娘、妊婦を乗せた救急隊員、などなど脈絡のない人物が次々と出てくる。時間に追われる者も多く、サイレンやジェット機の音がその焦りをさらに追い立てるように響く。その音はまた、いくつも重なり合ったシーンの数々を、ああ、このジェット機がやってきたときにはここではこうだったのかと同時進行であることの補足的役割も果たしているところが上手い。
これがどう最後に絡むのか、その着地点が気になって仕方がなくなってくる。
救急車、パトカーに追われるバイク、宙づりのゴンドラ、得体のしれない黒点、妻の身を案じる夫、、不穏な要素ばかりだ。そしてやってくるスローモーションは、ヒッチコックの「めまい」を連想させるような手法で、絶体絶命感、クライマックス感を頂点へと誘うのに効果的だった。
で、どうなる?
まさか夢オチはないだろうなあ?「神のゆらぎ」的オチか?それとも「サードパーソン」的オチ?
とあれこれドキドキしながら詮索していたのだが、え?それがラスト?ていうのが正直な感想。
そこまで煽って引っ張るなら、もうちょっとヒネリが欲しかったなあ。
…だから?
たった11分間のバラバラな人たちの群像劇。…、で、最後にはまとまった。
ラストまでとにかくいろいろな人たちの大きくない出来事を小刻みに描いていく。時間軸を示すシーンもしっかり描かれているから解りやすいし。
ラストはこうなっちゃった。なんで?って思うけど中だるみもなく、スカッ、て感じで結末迎えて面白かった。
群像劇は好き。
ここのところ娯楽作一辺倒だったので、たまには作家性の強い映画ということで、本作である。
ある日の夕方5時からの11分間を描く。まさに群像劇で、だからこそ観たわけだが、群像劇に何か理屈や理念はたぶん必要ないのだが、なにせ、イエジー・スコリモフスキの作品である。何かを読み取ろうとするのもあながち間違ったことではないだろう。
だが、人は日常を生きていて、なんの関係もないと思われた人々がふとしたきっかけで関わりをもってしまう。
その不可思議が群像劇の肝かもしれない。
僕が大好きな「マグノリア」(ポール・トーマス・アンダーソン監督)をもっとシャープにしたといってもいいだろうか。
スコリモフスキはかなりの大ベテラン。新作があるならまた観てみたい。
スタイリッシュな映像なれど。
所謂''オチ''とそこになだれ込む映像の演出に目を向けがちになりそうだが、登場人物達の従わざるを得ない運命の存在を感じさせる。
折々の事象が重なりあうことにより人間が決して抗うことができない運命と、それにより悲劇へと導かれてしまう様はハーディーやトゥウェインの厭世観にも通ずるのではなかろうか。
疲れ果てた
手持ちカメラの揺れ、脈絡の孤絶したシークエンスの連続、重低音が不安を煽る音楽。これらによって観客は強いストレスに晒される。
観ていて心地良い映画ではない。音響、編集、一つの出来事をいくつかの異なる視点から語る手法に、神経と思考が痺れを感じてくる。
ぐったりと疲れ果てることができる一本である。
この世界で起きていることが、当事者が思うほどには重大なことなど何もなく、全てはその偶然の重なりの結果に過ぎないとでも言いたげな、ラストの監視カメラのモニター映像が印象に残る。
リチャードドーマー
VFXの使い方にシビれる。最近見た中でダントツ。エッセンシャルキリングでランボーをやって、今回はなんだろうショートカッツ、クラッシュ、マグノリアみたいな。全然編集上手いんだけど。イェジーが凄くエンターテインメントを意識しているのが分かる。若い。ディストラクションベイビーズのロックは今一つだったけど、イェジーのロックは素晴らしい。並べるのはリミッツオブコントロール
狙いすぎたか
登場人物の全員が俗物であり類型的である。だから誰にも感情移入できない。人物が映画に登場するためには、多かれ少なかれ、理由が必要だ。典型に対する類型、正義に対する悪、または特別な生い立ちや体験など、映画のシチュエーションに合った人物でなければならない。
しかしこの映画では、そこら辺にいそうな俗物たちが、それぞれの小さな欲望のために利己的に動くだけだ。並列的に描かれるので、誰を中心に見ればいいのかわからず、注意が散漫になってしまう。簡単に言えば退屈ということだ。
ラストシーンも期待外れで、この映画を作った意図が理解できない。偶然の事故に巻き込まれる話なら、震災の被害者を取材した短いドキュメンタリーの方が、まだ状況を理解できるし、同情も共感もできる。
ピタゴラススイッチ
あんなオチの為に1時間以上も前振りを見せられるとは…
その上、オチもダルい。スローモーションとかいる?もっとテンポよくピタゴラススイッチしてくれた方がまだ気持ちがいい。キレ味悪すぎ。
眠いのを堪えて頑張ってオチまでたどり着いたのに…
全編にわたって不安を煽るためにブォーブォー鳴ってる音も途中で飽きちゃったよ。
一生懸命作った人には申し訳ないけど、なんでこんな映画をわざわざ有楽...
一生懸命作った人には申し訳ないけど、なんでこんな映画をわざわざ有楽町まで行ってみたんだろうと、運の悪さを呪いました。
誰一人感情移入できない気持ち悪い人たち、このオチにたどり着くまでに集中してしまった時間を返してくれ!とまで思いました。
期待は大きかったが...。
僅か11分の間に繰り広げられる様々な人間模様。確かに独自性は高いが、結局何がどう繋がっているのかラストシーンを見た後も良く分からず仕舞い。細かいところまで分からなくても良い映画もありますが、今作についてはやや後味が悪い。消火不良。
不思議な感覚
始まりはいきなり手ぶれの激しいムービーの映像で、その後も目まぐるしく場面が変わる感じでした。しかも、映像はあまりハッピーな雰囲気はなく、他の方が表現されている通り不穏な状況で、BGMも神経を苛立たせるようなもので、正直ワケがわからず……少し戸惑いました。
しかし、登場人物達が17:11に起こるある衝撃的な出来事に向かっているのだと感じ…言い知れぬ不安と恐怖と好奇心に煽られ、夢中で観てしまいました。
ラストのシーンは本当に衝撃的でした。
なんとも言えぬ不安な気持ちになりましたが、とても印象に残りました。
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