劇場公開日 2017年4月22日

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「素晴らしい」3月のライオン 後編 もーみんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0素晴らしい

2017年10月25日
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レビューを見てると、前作と比べるかたがいるが論外だと思う。
前編、後編で作られてる以上トータル的に評価するのが妥当だと考える。
今作品は、前編後編と合わせた中で脚本、構成、編集がしっかりと練り込まれている。
前編より後編で将棋のシーンが減った。と言う人もいるが、減って当たり前だ、そんな事を言ったら将棋のシーンばっかりになってしまうし、前編後編でやってる事が同じになってしまう。
前編後編で将棋と言う題材の使い方が逆転していくところが凄く面白いところで、思いのほか斬新な所なのだ。
前編で出会いや経験が将棋盤の中で活きてくる王道な流れから、後編では人生に迷い、葛藤していく中で将棋盤の上から光を見つけて成長していくという流れがとても丁寧に作ってあった。
一見、いろんな問題が詰め込まれているようにも見えるが、原作を知らない私でも置いていかれることはなかったし、このぐらいはないと周りの人物像がしっかりしてこない、そこがしっかりしないと主人公の葛藤は圧倒的に安くなってしまう。最終的にはしっかりと問題を拾いきれてる脚本になっているところが素晴らしい所でもある。

そして、何より素晴らしいのはトータル的な演出力である。
芝居、カメラ、照明、録音、編集どれをとっても素晴らしい安定感。
特に構図は見ていて安心感を感じるくらい丁寧な作りになっていると思う。
寄るところは寄って、引く所は引く、凄くメリハリがあって素敵でした。

前編後編合わせて、久しぶりに素晴らしい邦画に出会った気がします。

もーみん