「後藤と桐山零の対局シーンが良かった」3月のライオン 後編 月野沙漠さんの映画レビュー(感想・評価)
後藤と桐山零の対局シーンが良かった
前編で桐山零を暖かく迎えてくれた川本家に、今回はイジメと父親の問題が降りかかる。桐山零は何とか役に立ちたいと立ち回るが空回りする。特に身勝手な理由で家族を捨てて出ていき、そしてまた一緒に住もうと言う父親との対決は男らしくて良かった。しかし、それで父親を徹底的にやり込めてしまい、その姿に父への愛が蘇ったのか、川本ひなたに桐山零が責められることに。三姉妹の為に戦ったつもりが、いつの間にか四面楚歌。なんか桐山零が切なくて可愛そうだった。っていうか、あの場面は長女のあかりが桐山零をフォローしないといけないんじゃね?ヘルプコールもしたんだし。前編ではいいなと思ってた川本家だけど、今回はなんか嫌いになった。その後、父親と仲直りして遊園地へ行くのだけど、すっかりもう一緒に住めると思っている父親に、これで会うのは最後だと言い放ってしまう。最後のいい思い出作りとか綺麗事いっても、クズ父には言葉通り受け取れないだろう。クズがクズになるのにも理由がある訳で、その理由を増やしてどうする?
また、このクズ父の人の演技も良くて、観ているこっちまで意外と優しそう、改心したようだしこれならまた一緒に上手くやれるんじゃないかと思わせるところが上手い。今回の川本三姉妹はあまり好きになれない。
そんな過程で川本三姉妹と気まずい状態になった気持ちを抱えながらの後藤との対局は見ものだった。後藤とは義姉である香子との不倫のこともあるし、師匠の敵討ちもある。色んな思いを交錯しながら対局している桐山零の心の描写も見応えあった。勝利を確信した時、何を思って泣いたのだろうか?
前編が良かったので後編はだれるかもと不安もあったけど、前編より更に良くなっていたと思う。