「大友監督×神木隆之介=傑作」3月のライオン 後編 ほのさんの映画レビュー(感想・評価)
大友監督×神木隆之介=傑作
原作は「ほのぼの」・「シビア」・「女子味」・「漢気」というベクトルの全く違う4つの要素が入り混じっており、この難しい食材を大友監督は見事な包丁捌きで味わい深い料理に仕上げている。前後編で一つの作品として完成されているので、前編或いは後編だけ観ても中途半端でフラストレーションが溜まるだけ。2つ繋げて観ると成る程絶妙な塩梅となり、観終わった後に長く余韻が残るほどの感動が沸き起こる。味覚音痴やスナック菓子で満足するようなお子ちゃまにはまず理解できない至高の一品である。
役者も全員いい味出している。特に主演の神木隆之介は一流のプロ棋士ながらも少年らしい青臭さや、オタク特有の視野の狭い情熱を、表情筋の僅かな動きや眼つきで繊細かつ的確に表現しており、あまりに自然でただのドキュメンタリーなのではないかと思わされる程であった。
大友監督と神木隆之介という素晴らしい組み合わせで、ぜひ別の作品も観せていただきたいと切に願う。
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