暗黒街のレビュー・感想・評価
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コメディ脚本をシリアスに
コメディーの脚本をシリアスに撮影してしまった実に間抜けな作品。あるいはそれと気が付いていて、わざとシリアスに撮った極めてユニークな作品。
巨大な金が動く。ものすごい事業をマネジメントしている男たちがいる。彼らは国家的頭脳の持ち主で、その方面で超優秀だ。
一方で頭の悪いマフィアがいる。地方のその一部だけを牛耳っている。彼らは身の程知らずにも大きい仕事をしたがり、何の交渉力もないのに政治的規模の事業に介入しようとする。そして、やめろと言われてるのも聞かずに身内の抗争をオッ始める。やれたらやり返さないと気が済まない。事の本質や自分が取るべき行動、己の身の程が全く分かっていない。女衒の男は、相手と交渉する強いカードをもっているのに相手の形相が恐ろしすぎるあまりに、ただでそのカードをやってしまう。・・・この脚本は、どう見てもコメディだ。脚本家がコメディとして描いたものを、監督が気がつかずに真面目な映画にしてしまった。実に笑えるコメディだ。それが一番わかるのはラストシーンであろう。なんで突然、この薬中が現れるんだ?・・どこでこの一番できる男の一番秘密の情報「自宅」を知ったんだ?・・コメディだからOKなんですよ。これは、そういう映画だったのです。
マフィアチームが二つと。それに脅されてる女手配の男と。女が二人と謎のコンサルタントとエロ過ぎる政治家・・と、登場人物やショッキングなシーンが多くて、みんな混乱して訳が分からなくなってしまってるだけ。もういっぺんみてくださいな。笑いどころ満載ですよ。
この作品を見て。もう、2015年以降の映画は看るのやめようと思った。レビュー評価点が全くあてにならない。
タイトルなし(ネタバレ)
ローマ郊外の小さな港町オスティアの再開発を国会で審議中の郊外再開発法案に盛り込むべく暗躍する謎の男"サムライ"と甘い蜜を吸おうと群がる魑魅魍魎たち。ヤクザの父親を追い越そうと躍起になる血の気の多いネオナチチンピラと彼女、政治家達に擦り寄り私腹を肥やす実業家と借金まみれの父親、ジプシーと呼ばれ疎まれる新興ヤクザのボスと義弟。一人の少女の死をきっかけに剥き出しになった彼らの野望が複雑に折り重なる、2011年のベルルスコーニ首相退陣を”黙示の日”と捉えてそこに至る1週間の出来事を綴った群像劇。
2年後に生前退位することになるベネディクト16世の心情を巡るドラマも時折交えることで政治・経済・宗教のそれぞれにおいて深刻な危機に直面していた当時の背景に深い陰影が滲み、奇妙な縁で結ばれた人々がくっきりと浮かび上がっていて、『ゴッドファーザー』以降のギャング映画の影響下にあるスタイリッシュで重圧な映像に時折挿入される濃厚な家族愛と爽やかな朝の風景というアクセントも効いて血塗れなのに爽快という絶妙なバランスの佳作でした。
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