暗黒街のレビュー・感想・評価
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ローマ郊外の小さな港町オスティアの再開発を国会で審議中の郊外再開発...
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ローマ郊外の小さな港町オスティアの再開発を国会で審議中の郊外再開発法案に盛り込むべく暗躍する謎の男"サムライ"と甘い蜜を吸おうと群がる魑魅魍魎たち。ヤクザの父親を追い越そうと躍起になる血の気の多いネオナチチンピラと彼女、政治家達に擦り寄り私腹を肥やす実業家と借金まみれの父親、ジプシーと呼ばれ疎まれる新興ヤクザのボスと義弟。一人の少女の死をきっかけに剥き出しになった彼らの野望が複雑に折り重なる、2011年のベルルスコーニ首相退陣を”黙示の日”と捉えてそこに至る1週間の出来事を綴った群像劇。
2年後に生前退位することになるベネディクト16世の心情を巡るドラマも時折交えることで政治・経済・宗教のそれぞれにおいて深刻な危機に直面していた当時の背景に深い陰影が滲み、奇妙な縁で結ばれた人々がくっきりと浮かび上がっていて、『ゴッドファーザー』以降のギャング映画の影響下にあるスタイリッシュで重圧な映像に時折挿入される濃厚な家族愛と爽やかな朝の風景というアクセントも効いて血塗れなのに爽快という絶妙なバランスの佳作でした。
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