ローマ法王になる日まで

劇場公開日:2017年6月3日

ローマ法王になる日まで

解説・あらすじ

2013年に史上初となるアメリカ大陸出身のカトリック教会長として第266代ローマ法王に就任したフランシスコの半生を、実話をもとに描く。1938年、イタリア移民の子としてブエノスアイレスに生まれたホルヘ・マリオ・ベルゴリオ。大学で化学を学んでいたベルゴリオは、20歳の時に神に仕えることが自分の道と確信し、イエズス会に入会。神学を学び、その指導力が認められ35歳の若さでアルゼンチン管区長に任命される。そんな中、アルゼンチンでは軍事独裁政権の恐怖政治による軍の圧力が強まっていった。「イタリア映画祭2016」では「フランチェスコと呼んで みんなの法王」のタイトルで上映。

2015年製作/113分/G/イタリア
原題または英題:Chiamatemi Francesco - Il Papa della gente
配給:シンカ、ミモザフィルムズ
劇場公開日:2017年6月3日

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映画レビュー

4.5教皇フランシスコの悔恨と良心

2025年5月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

(角川シネマ「追悼上映」にて)

ひとりの人間にできることには、限りがある。

1976年に始まるアルゼンチン軍事政権の苛烈な独裁の中、
それにただ従うのは、良心が許さない。
人間が踏みにじられる状況は許せない。

政府と軍の暴力に暴力で立ち向かうのは、自分の主義ではない。
でもそういう人だって、守られなければならない。
まして、抵抗するだけで殺されることなど、あってはならない。

暗黒の10年で多くの友人を殺され、
それでも1人でも救いたい、

そんなホルヘーーのちの教皇フランシスコの
歯ぎしりが伝わった。

だから彼は、
坂本龍馬や高杉晋作のごとく討ち死にするのではなく、
生き延びてたたかうことを選んだ。
桂小五郎のように。

軍事政権崩壊後、責務から解放されたあと、留学先のドイツで
聖母マリアが「結び目をほどいてくれる」話を聞いて涙するホルヘの姿は、
涙なしでは見られなかった。

そこにおそらくホルヘの、
こう言ってしまうとカトリックの人からは叱られるかもしれないけど、
信仰というより良心の
原点があったんだろう。

映画の冒頭近くで司教だかなんだかが偉そうに
「君の祈りは心からのものじゃない」
とか言ったけど、

「結び目」の話を聞かされてはじめてホルヘは、
「心からの祈り」を悟ったんだろう。

ホルヘには、
なぜあんなに人が死ななければならなかったのか、
はたして自分の行いはあれでよかったのか、
という捨てがたい悔恨の念がある。

だから教皇フランシスコは、
宗教を超えた良心として存在し得た。

ひとりの人間にできることには、限りがあるけれど、
それを追求し続けるのが、良心。

そういうことを、
見事に描いた名作でありました。

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島田庵

4.0バチカン嫌いだったのにフランチェスコ追っかけになってしまった・・・

2025年5月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

邦題は原題と比べてピリッとしてないと思っていたが、内容を正確に表わすタイトルだった。アルゼンチン時代がメイン。シーンとしては短いがベルゴリオにとってドイツのアウクスブルクでの久々の「休暇」時代(1985年)ーここでベルゴリオにとって重要となる邂逅も描かれる。サッカー好き、みんなと食事をするのが好き、タンゴを踊る、恋人がいた、大学では化学の勉強(エステルさんと今では天国でお話しているかな)など、より詳しく知ることができた。

アルゼンチンの独裁恐怖政治の頃のベルゴリオについては映画「2人のローマ教皇」でも回想場面として出てくるが、本作ではそれが中心でより詳細に描かれている。イエズス会の特徴、独裁政権下での教会の対応、枢機卿の対応は一枚岩ではないこともわかった。どんな場所にいてもどんな危機的な状況でも、どこでもいつでもすぐにミサを行うベルゴリオに涙が出た。

アルゼンチン時代のベルゴリオ役は顔はあまり本人に似ていないけれど、声、優しい話し方、行動力はフランチェスコそのもので、若い頃から50代まで自然に演じていた。バチカンにいるベルゴリオ役は声も話し方も少しきつくて話すスピードも速かった。でもConclaveでパパが決まってバルコニーに登場したフランチェスコは実物本物‼️で結構感動してしまった。かの有名な最初の言葉:微笑みながら「親愛なる姉妹兄弟のみなさん、こんばんは」❗️「地球の果てから・・・」などユーモアがあって慈愛に満ちてそれでも普通のおじさまのようだった。

ルケッティ監督の作品のテーマ幅は本当に広い‼️コメディ、夫婦問題、女好きでミソジニーで劣等感いっぱいの男の話、そしてフランチェスコと盛りだくさん。全部見ている訳ではないがそれぞれが面白い!

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talisman

2.5一定の知識は必要

2019年12月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

この作品を鑑賞するには舞台となった時代の歴史情景や事情、それから神父という職の知識が一定以上は必要な気がした。
もちろんそれがなくても楽しめる人はいるだろうが、ないと所々分からないまま話が進み、モヤモヤした気持ちになる。
1人の神父の物語というよりかは歴史描写の作品のような気がした。
個人的には信仰している宗教もなければ、宗教にあまり知識がない為この作品を楽しむには未熟であった。

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J24

5.0激動

2019年6月26日
iPhoneアプリから投稿

あまりにもあの娘と母親、殺された人達が可哀想で。無念だったろうにな。
神様は見てる。天罰は現在進行形で下り続けている。
激動の人生を歩んだフランチェスコ法王には敬意を禁じ得ません。

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MrP