14の夜のレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
ここで描かれる少年達の時代 1988年、1989年
「名古屋カップル●人事件」
「足立区●子高生コンクリート詰め●人事件」
と殺伐とした凶悪とした事件が立て続けに起きる。
高度経済成長が影響するんだろうが、1970年代の後半か1980年代の前半から
「校内暴力」
「暴走族」
と言った社会現象が顕著になる。
正に徒党を組む日本人特有の暴力がこの時代確立される。それが現在に至っては姿を消したかに見えるが、実際は「イジメ」として残るのだ。
また、いじめる側、差別する側はそんな歴史。
しかし、まるでそれを抗う様に
1988年から1989年により弱い立場の
「連続幼●●拐●人事件」が起こるのだ。
こんなほのぼのとした時代なんかではない。
登場せし少年たちは正に当事者で、こんなほのぼのエロガキな奴ばかりではない。
ビデオもモザイクの無い物が流行り昭和の終わりと共に地下に潜る時代だ。
この時代を単なる形而上学的なコメディーとして描ける事には共感が出来ない。勿論、歴史は戻らないけど、歴史は繰り返すからね。
最後に
全ての事件で犠牲になった方々の冥福をお祈りする。
それ以外何も出来ない。
最後の最後に
あの事件で犠牲になった方々は14歳の夜を迎える事はなかった。しかし、ご存命なら、41歳くらいのお年を迎えられていらっしゃるのだ。
もう一度冥福をお祈りする。
絶望的なダサさの先で、輝く未来とおっぱいを掴め
とにかくもう絶望的にダサい。
あの枕。
絶対に自分で買ってない、いつ誰が買ってきたのかも分からない、異様に派手な枕。
あの柄みたいにヘンテコで、意味不明で、主張したいこともないくせに主張したがってて、見るに堪えないほどダサい、少年たちの話。
ヤンキーグループには標的にされて、バカにしてたヤツらが成果を出しては焦って、焦っても何もできなくて、とりあえずエロ本を眺める。
このままじゃ、一生おっぱいを揉めないかもしれない…と本気で悩む。
ダメな親父を見てめちゃくちゃイライラする。
ヤンキーの彼女になった近所の女の子を見てムラムラする。
ひとつひとつのシーンがもう徹底的にダサくて、見てる間は笑っちゃうんだけど、終わってから振り返ると、愛しくて愛しくて泣けてくる。
ボロボロに泣けてくる。
映画見たあと中華屋で五目そば食べながら、涙をこらえるのに必死だった。
1987年当時、ド田舎の小学生だった私には、ひとつひとつのディテールがもうそれだけでたまらなかった。
実家の玄関前に並べられてる鉢植えとか、田舎の個人経営のビデオ屋に並べられてる色褪せたパッケージとか。
(あと、あの頃のド田舎にはああいう何だかわからない白痴みたいな大人がよくいた。)
主演の犬飼君、ラストの長回しでの泣き笑いは堪らなかった。大俳優になって、「この人映画デビューの時から注目してたから!」って自慢させてほしい。
もちろん足立監督の次回作も楽しみにしてます。素敵な映画をありがとう。
彼らに、思う存分おっぱいを揉みしだける未来が待っていますように。
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