「伝えたいメッセージは良くわかった。」マネーモンスター yoneさんの映画レビュー(感想・評価)
伝えたいメッセージは良くわかった。
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ジョディ・フォスターの初監督作品。
この人昔から好きなんで、どんな作品作ったのか楽しみだなー、という気持ちで観に行った。
脚本はちょいと甘いところもあって、随所にご都合主義的なところもあったけど、伝えたいメッセージ、今の資本主義(特にアメリカ社会)がどれだけ歪んでいるのか、ということは伝わった。
ここから先はネタバレ。
特に、最後カイルが死んでしまうところ。
お金も学も無く、恋人にも見放され、これからの希望が無い貧乏なカイルは死に、詐欺を行ったアイビス社のCEOは、これから訴追されるが生き残っている。裁判でもどこまで求刑できるかわからない。CEOは間違いなく退任だろうが、ヘタしたら執行猶予付きの懲役で、資産はそのままかもしれない(サブプライム・ローン問題で多くのアメリカ企業の役員が逃げたように。。。)
聴衆は暢気にカイルを応援している。事件後、嫌な後味を残したとしても、皆明日には忘れて今まで通りの生活を送る。
仮に本当にこういう事件が起こったとしたら、たぶんみんなこういう行動を取るんだろうな・・と思えてしまう。はっきり言ってイカれている。
私は、お金が汚いとか悪者とは一ミリも思わないが、今の金融資本主義はどう考えてもおかしいと思っている。超クソゲーだと。皆がクソゲー承知で参加して、「投資家」という言葉で着飾って、高尚なコトをしてるように見せかけている、地に足の付いていないゲームだと。
そういった問題点を浮き彫りにする良い作品、十分及第点の作品だった。楽しめました。監督の次の作品期待してます。
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