劇場公開日 2016年6月10日

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「予定調和な前半と、予想以上の後半。不正を暴いた〝即興”劇。」マネーモンスター 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0予定調和な前半と、予想以上の後半。不正を暴いた〝即興”劇。

2016年6月11日
PCから投稿

興奮

知的

難しい

【賛否両論チェック】
賛:最初は保身に走る被害者だった主人公が、犯人の事情に同調し、次第に共に不正を暴いていこうとしていく姿が、痛快であり魅力的。生放送特有の緊迫感もたまらない。
否:株式売買等の最低限の知識がないと、そもそもの話の本筋を理解するのが難しい。

 始めは自分の保身しか頭になかったリーが、捨て鉢になって不正を訴え続けるカイルの姿を目の当たりにするうちに、次第に彼を救うべくその饒舌を使い始める展開が、痛快であり印象に残ります。そして、そんなリーへ巧みに指示を出し、最悪の事態を防ぎながら。2人が不正を暴く助け舟を要所で出していくパティの雄姿にもまた、特有の清々しさが漂います。
 前半はある程度予想出来る展開で進んでいきますが、後編からラストへの怒涛の展開は、それでも思わずハラハラさせられること必至です。まあその分、かなり都合よく話が進んでいく訳でもありますが(笑)、その辺はご愛嬌。
 株式市場に関しての最低限の知識も必要ですが、生放送で巻き起こる現在進行形の緊迫感を、是非劇場でご覧下さい。

映画コーディネーター・門倉カド