美しい星のレビュー・感想・評価
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リリー・フランキーの火星人ポーズ、クセになる
私を含め原作を読んでいない人にとっては、三島由紀夫ってこんな小説も書いていたんだ、と意外な印象を受けるストーリー。リリー・フランキー、佐々木蔵之介らが特異なキャラクターをコントにしない絶妙なバランスで演じる。とくにリリー・フランキーのお天気キャスターが番組の最後を締めくくる一連の動きのポーズが破壊力満点。彼のとぼけた感じの表情にもはまっている。劇中で何度か繰り返されるのだが、そのうちに「もっと見たい!」と変な欲求がわいてきて困った。
橋本愛は、浮世離れした美少女の雰囲気をうまく出せていた。彼女には陰のあるキャラクターが合う気がする。そういえば「桐島、部活やめるってよ」でも暗い感じの女子高生を演じていた。吉田大八監督、さすがです。
薄いくせに長いっつーの○カヤロー!!笑笑笑
この内容はオカルト雑誌ムーに親しみのある人間だから耐えられたのだと思う。笑
それでも終盤は「すでに3時間以上経過しているよね???」という忍耐ぎりぎりの時間感覚。
ようやくエンドとなりタイムバーを表示させたら2時間ちょっとだったのだから、退屈にもならず、かといってイライラすることもなく4時間たったような超常的時間感覚を味わわせてくれたという意味では〝疑似時間引き延ばし効果あり、なんちゃってスペース優良大作”だったのは間違いないだろう。
もうあらすじを書く気も起こらないが、微妙なユーモアとペーソスがにじむかなり珍妙な映画だった。
惜しむらくは作品としての厚みや重さがなく、それこそリリーフランキーの肉体に象徴されるような薄さ軽さが支配的雰囲気だったこと。
まぁでも、現代社会のごくごく一部に実在するとされる、またはそうと主張している人たちもいる「地球人に成りすましたスペースピープル」にとっては、何がしか琴線を震わせるような内容だったかもしれない。
残念ながら個人的には「他惑星での記憶」が1ミリも蘇ってこない地球土着民みたいなの、何らかの懐かしさを感じることはなかったけれど(笑)、決して無駄な視聴時間だったとは思っていない。
追記
エンドロールで出演者は別に気にせずスル―したが、企画か何かで藤島ジュリーの名前を発見し「ジャニーズ出てたっけ??」と怪訝になり、ネットで映画情報調べたら亀梨和也だったんだね。ずっと佐藤健とばかり思っていたよ。
平凡な家族が突然宇宙人として覚醒する。 何ともぶっ飛んだ設定。 あ...
平凡な家族が突然宇宙人として覚醒する。
何ともぶっ飛んだ設定。
あらすじでは「地球を救うために奮闘する」と書かれていたが、別に大したことはしていない。
エンディングもよく分からなかった。
ただ、リリーが啖呵を切った後のポーズはおもしろかった。
どうしようもない断絶が生まれた一家の再生劇
正直途中まで乗れなかったしキャラクターに感情移入しずらかった。主人公一家がそれぞれ自分を宇宙人だと錯覚し独自に行動していく。リリーフランキー演ずる父親は陰謀論のような物にハマり暴走していく過程がどうしようもなく哀れに感じたり、橋本愛演ずる娘は路上ミュージシャンに騙され、知らない間に孕まされてしまう。おそらく薬を飲まされてレイプされたと思うが自分が選ばれた存在であり、自分をはめた男のことを庇おうとする。リリーフランキーはそんな酷いことをする対して冷めた態度でそれを俯瞰し、娘と話そうとする。
父親は愛人とドライブ中眩しい光を見て意識が戻ったときには田んぼの真ん中に突っ込んでいた。それを彼は宇宙人が自分を攫い、自分が宇宙人だと錯覚して、テレビを通じて地球の温暖化を訴える。それが陰謀論をひたすら唱えこちらの不安を煽る煽動者に見えて正直辛かった。息子も自分を金星人であると信じ込み独自の路線で日本を変えようと政治家の道へ進もうとする。バラバラに進む一家を見ていてそれがむず痒く、見ているこちらとしても焦燥感が生まれた。しかし終盤、父親の癌が発覚しそこからの家族が一体となり、最後の時に病室から連れ出そうとする姿を見てそのイライラは消えた。おそらく彼らは自分が特別なのだと信じたいがどこかで信じきれてなかったのかもしれない。娘は病室で父と対話するとき、そこでも自分を宇宙人だと言い続けるがきっと辛い気持ちを隠すために嘘をつき続けたのだと思うと切ない。
また劇中の音楽のセンスがずば抜けてよく場面に合わせてよく練られた作りになっていると思う。橋本愛が空に向かい交信するシーンや父親が視聴者に温暖化を訴えかけるところ、亀梨がメッセンジャーとして自転車を飛ばすシーンにかかった曲は見ていて高揚感すら感じられる見事にテンポが効いたリズムでめちゃくちゃかっこいい。
またこの中でも佐々木蔵之介の演技がピカイチで、彼はもしかして本物の宇宙人なのではないかと思ったりもした。それくらい異質だが説得力のある凄みがありカッコ良かった。
異星人の意識が混濁した日常
登場人物に火星人やら水星人など登場しますが、それに深い意味は無いと思います。ただ環境問題に対し狂気に染まった人間同士がどの様に日常を繰り広げるかと見れば面白いかと思います
内容は明らかにフィクションですが、
劇中、果たして異星人の意識は実在したのか?
ただの人間による幻覚や妄想だったのか?
劇中の美しい星、地球は本当に美しいと言えるのか?
そういうところを見ると哲学的に面白い作品だと思います
あと平沢進の金星は良い曲です
吉田大八、好調。
まず中嶋朋子のエレガントな普通人好演を評す。
そりゃ妄想だろうが、極微量本当かもの塩梅が心地好い。
食傷気味の文明批判に見せて、気付けば人間讃歌ファミリー肯定に寄せる作劇に泣く。
主役演技の不安感が全編の不確かさを巧く象徴したと読もう。
吉田大八、好調。
劇場で見たかった。
リリー・フランキーの気象予報士役はちょっとしんどかったけれど、
橋本愛の透明感はよかったです。
ストーリーは後半ぶっ飛んできてどこに着地するのかと思ってましたが、結局よくわからなかったです。インパクトのある映画ではありました。
レビュー
三島由紀夫原作小説の映画化。
原作未読で鑑賞しましたが、戸惑う時間が長かったです😇
ストーリーのメッセージ性は不明でしたが、全体を通じたシュールさがかなり特徴的です🦊
シュールな演劇を映画で観る感じなのかな?ですが、橋本愛さんは変わらずお綺麗でした😅
世界観は引き継いでいるのか
個人評価:2.7
原作未読だが、物語の世界観はどこまで受け継がれているのだろう。おそらく受け継がれていないだろう。あるいは舞台の方が合うかもしれない。
後半のスタジオ収録での掛け合いで、世界観が伝わってきた感はあるが、終始長いストーリーで見応えはない。
吉田大八らしくない作品と感じる。
【リリー・フランキー扮する火星人の決めポーズが忘れられない怪作】
三島由紀夫の異色SF小説を吉田大八監督が”まさかの”映画化した作品。
<大杉家の人々(宇宙人達)>
父:大杉重一郎 テレビ気象予報士:火星人(リリー・フランキー)
母:大杉伊余子 専業主婦:地球人(中島朋子)
息子:大杉一雄 メッセンジャー(自転車宅配人):彗星人(亀梨
和也)
娘:大杉暁子 大学生:金星人(橋本愛)
と記載しているだけで、不思議感満載だった映画を思い出す。
佐々木蔵之介演じる謎の人物、黒木の佇まいも宇宙人ぽくて宜しい。
宇宙人として覚醒した重一郎の決めポーズの強烈なインパクトが鑑賞後、2年半経った今でも忘れられない。(私は、笑いを抑えるのに必死だった)
(橋本愛が”少し恥ずかしそうに演じる”金星人のポーズも忘れられない。)
<何故に、三島由紀夫は今作を世に出し、何ゆえに吉田大八は今作を映画化したのか?、それ自体がミステリーである。(褒めてます)>
<2017年5月26日 劇場にて鑑賞>
原作好きです
私は、三島由紀夫が好きなのですが、彼の小説の中で一番好きなのが「美しい星」です。「美しい星」は、耽美な三島文学の中でも上位に入る位に表現が美しいと思うのですが、映画はその文体の美しさを感じられなかったです。また、一家の選民思想的な思考や振る舞い、妄想の強さも、原作の方が上だと思いました。原作は、自死した晩年の三島の精神状態を垣間見れる位に狂気的ですが、その迫力もなかったです。原作好きが映画と比較するとどうしても酷評になってしまいますが。
『昼顔』からホタルつながりで見た(笑)
家族崩壊をテーマにしているのかと思いきや、宇宙人の話になり、そして地球の環境問題へと発展していく。
ヘンテコな作りだけど、内容は深く、とてと考えさせられる。
こんな作品をよくもここまで面白いできたもんだ。さすがは吉田大八監督。
よくわからない
散歩する侵略者を思い出した。リアルな宇宙人を描いている。それって、今の地球に起きている危機を我々に伝えているのだと思う。ただこの宇宙人は結局一体何がしたかったのかがよくわからない。なぜ地球に生まれてきたのかも。なぜそれが家族だったのかも。水との関連は?難しかったみたいです。
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