美しい星のレビュー・感想・評価
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UPLINKにて観賞
家族の意思不疎通でズレた様が奇妙で、各人の取り憑かれぶりも面白い。
UFO召喚シーンは、橋本愛の美しさも相まって特に奇妙。
後半は非常に舞台的になり、自動車の追跡など無駄なシーンも多く編集が緩くなった。
日本映画は上映時間を2時間以内にするように心掛けて欲しい。
なんか、なにがとうまく説明出来ないけどよかった。 映画らしい、座席...
なんか、なにがとうまく説明出来ないけどよかった。
映画らしい、座席に縛り付けておくようなストーリー展開。
橋本愛が本当の話をした後の、ごめん、が心に響いた。
最後のシーンに脱帽。
吉田監督、橋本愛ちゃんよくやった!
場末の映画館で最終日に観覧、お客の入りは良かったです。これまでは公開初日に見ていましたが、今回は4か月遅れでした。
吉田監督の作品は、これまでも知的で啓発に富みかつユーモアを交えた作風で気に入ってますが、期待を裏切る事なく現代社会に警鐘
を鳴らす傑作とおもいますね。あちこちの発表会に参加されるそうですがきっと高い評価を受けるでしょう。
キャスト的には何でも熟せるフランキーさんの好演が最高でしょう火星人ポーズは今でも笑ってしまいます。気象予報士を逸脱した地球を思う志がじ~んと伝わります。脚本の大八さんの旨さもあるでしょうね。
奥さんの中島朋子さんもあんな役が出来るんですね。水の販売を手がけていましたが、水なる地球を喜劇的に暗喩しています。
長女役の橋本愛さんは、不可思議な金星人を笑いを堪えながら演じておられたことでしょう。心身の一層の成長と優れた美貌が魅力的でしたが、まだまだ成長する女優さんでしょうね。お芝居、大河ドラマ、そして映画に日本演劇界の女神様として活躍を期待してやみません。
吉田監督の原作の解体と新たな構成力、現代に通じる意味をユーモラスに伝える術と巧みなキャステイング、演出力が相俟つて生まれた傑作で、金字塔です。これからも優れた感性と知性を武器に見ごたえのあるものを見せて頂ける事でしょう。芸術の秋を飾る逸品でしょう!
自分を駆り立てるものがなんであれ、突き進む
タイトルは吉田大八監督作を5作鑑賞したうえで、共通しているなと感じたテーマを言葉にしてみました。
今作も、共通のテーマが描かれています。
桐島部活やめるってよ、においては、非モテオタク趣味として嘲笑されようが自分を夢中にしてくれるゾンビ映画の世界へ突き進みます。
前作紙の月では法を犯そうとも、横領する事をきっかけにあらゆるしがらみを超越していく自分自身を最後まで肯定し、突き進む。
今作において過去作同様登場人物達を駆り立てたのは、ズバリ虚構だと思います。胡散臭い水を有り難がるのも、虚構ですし、クズ男の投げかける台詞も虚構。太陽系連合も虚構かもしれない。
家族達は全員、クライマックス以前で自分達が一度は陶酔した虚構に裏切られ、残酷極まりない現実を突きつけられます。
虚構は人の尊厳を傷つけたり(娘)、他を排斥する独善的な思考に向かったり(息子)金儲けの為に騙す手段(母)になったりします。
しかし、それでも、最後には虚構かもしれないと思いつつも家族全員で父親の虚構に付き合った…その結果リリーフランキーは窓から見える虚構まみれの世界に、もう一度美しさを見出します。それが美しい星なのだと思いました。
どこまでが本当なのか
映画を見ているこちら側とは別の、
映画の中の世界でのリアルというものがある。
ファンタジー作品で
魔法が使えるのがその映画の中でのリアル。
スーパーマンが空を飛べるのがリアル。
これらは、
その映画の中だけのリアルなので、
見ているこちら側が、
自分のリアルと比べるのはナンセンス。
「そんなのあり得ないよ」
の一言で終わってしまうから。
自分が○○星人だ、と言い出す登場人物達。
セリフにもあるように
見た目が変わったり、
超能力が使えるようになったりしない。
本当に星人であるという証拠はない。
「君と僕は金星人」と言っていた男は
金星人ではなかった、かのように物語は進む。
あの曲を作ったのは別の女性だったから。
でも、UFO呼べたかのようなシーンもある。
娘が大学で
例のポーズで突風をおこすシーンがあるので、
男は違うけど彼女は金星人なのか。
そうだとしたら妊娠は?
水星人だと言われた息子。
エレベーターでのシーン。
あれは結局、議員を救ったのか?
ただの妄想だったのか?
蹴られた男が銃を落とす、
とかがあれば本当なんだって思うし、
「お前何するんだ!」って取り押さえられれば
妄想なんだって思うんだけど、どっちも無い。
父はUFOが呼べるのが火星人の証拠
と言っていたけど、結局、呼べなかった。
これは、火星人ではないって証拠?
でもラストシーンは?
映画紹介なんかでは「覚醒した」
って書かれてたけど、
単に他人から言われているだけなんですよね。
それを鵜呑みにしてるだけ。
「気付かされた」ってことで
これを覚醒したととらえるのだろうか?
『全員ただの普通の地球人です』
と言われても、納得できる気もする。
全て妄想で騒ぎ立ててただけ、とすれば。
ラストシーンは、
死んで天国に行く場面と思えば。
結局、どこまでが本当だったのだろうか?
たぶん地球は感謝してる
地面からちょっと浮かびあがった感じの奇妙なお話。面白かったです。
可笑しなお話だけど、なんとかやってきた核家族が変容していくジタバタは、主人公夫妻と同世代なので結構響く感じでした。
なにかが臨界点に達したかのように、次々と覚醒してゆく大杉家の皆さん。
中嶋朋子演じるお母さんがチラリと漏らす本音にドキリ、他人事じゃない感情でした。家族の中でも彼女の存在が効いてます、地球人も宇宙人。
キャストも大杉家はじめ、その周りの人々もぴったりハマり役でした。
広告研究会のおニイさんとか、美しい水の先輩奥様とか、とても印象深いです。
覚醒後の暁子の美しさは忘れがたいです、神々しいです。かなり変だけど。
全体に衣装がいいなあと思いましたが、特に美人金星人はステキでした。
あいつを遣わしたところをみると、たぶん地球は連合に感謝してるんじゃないかと思います。
!!!
三島読んだことなかったけど
キャストと監督に期待して鑑賞。
さすがリリーさん、の空気感でところどころ爆笑してしまうが、最終的には
?????
という感じで終わってしまった😭
偶然にも宇多丸せんせーが後日時評をしてくれるということで聴いてみたら
気づかなかったポイントがたくさん散りばめられていたようで。
もう1回観た方がいいのかもしれない。
広告研究会の
広告研究会の栗田です。
栗田マジで引くわ、嫌いだわ、あんな人が近づいて来たら110番するわ…って感じな役だけど季節くん本当に好き。うまい!!!!!どんな脇役でもやりこなせてしまいますね
あとは、若葉竜也くんの歌ってるシーンが好きです。
ただただ綺麗
リリーからのメッセージ。
原作は未読。三島由紀夫の異色SF小説らしいのだが、だいぶ
脚色はなされている模様。しかしあのリリーのポーズが未だに
脳裏に浮かんでしまう(^^;何なんだ~アレは。何度も出てくる
うちに、スタジオシーンで「あ、今くるぞ、やるぞ!」なんて
待ちかねてしまったじゃないか。金星人の橋本愛が繰りなす技
も奇妙なのだが、如何せん本人達は大真面目でやっているので
笑うのが阻まれる。何だろうな…この感覚。映画を観ていると
いうよりこちらも何かに洗脳されていくような…蔵之介の顔も
奇怪で怖い。ある意味これも日本版メッセージだったのかしら。
(しかしこんなお天気キャスターがいたら絶対見ちゃいますね)
果たしてどの星が一番美しいのかな?
前作の「紙の月」にとっても胸を打たれたので、かなり期待して劇場まで足を運んだがちょっぴり期待外れだったと言うのが本音。リリーさんのことが大好きだから、リリーさんの演技は魅力的だったけれども、全体的に物足りなさを感じてしまい、中盤頃からなんか飽きてきてしまった。この原作だったらもっと上手く撮れたんじゃないかな、と思ってしまったのでした。原作が原作だけにやっぱり無理ですかなぁー。
恐ろしいほどに哲学的。難解なストーリーに裏打ちされた、地球の在り方とは。
【賛否両論チェック】
賛:突如覚醒した〝星人達”が、地球人が築き上げた現在の地球に対し、それぞれの立場からその姿を憂いていく様子が、非常に文学的・哲学的なセリフ回しの連続で描かれていく様に、深く考えさせられる。
否:ストーリーや会話の内容はかなり哲学的で、なおかつ非常に難解なので、興味がないと眠くなってしまいそう。終わり方も賛否があるか。
ひょんなことから、家族全員が〝火星人”〝水星人”“金星人”に覚醒し、それぞれのアプローチから地球の未来を憂う・・・というと、なんだかコメディみたいな内容に聞こえてしまいそうですが(笑)、ストーリーは〝超”がつくほど真面目で、なおかつ文学的・哲学的であって、非常に難解です。
何も知らない地球人が、自分達の価値観が絶対だと思い上がって築いてきた、現在の地球。その地球に対し、いわば客観的にその姿を見守ってきた〝彼ら”が覚醒した時、それぞれの星の価値観と照らし合わせて、地球の未来をどう憂いて、どう導いていこうとするのか。非常に難しいテーマを難しいまま語るので、油断すると眠くなりそうです(笑)。
終わり方も・・・なんというか賛否がありそうですが、一筋縄ではいかない哲学的なお話を、是非ご覧になってみて下さい。
「覚醒」それは、宇宙との交信だった
宇宙人が本当にいるのだとしたら、この世はすでに宇宙人の保護区なのかもしれません。
火星人のリリーフランキーさん。
金星人の橋本愛さん。
水星人の亀梨和也さん。
それぞれの星の者たちが、地球の未来を鑑み、地球の救世主となります。
手を大きく広げて宇宙と交信する姿や、手を高く上げて空と交信する姿。
その姿は地球人から見たら異様ですが、宇宙人にとっては真面目な行為…。
地球を温暖化から救う為、この美しい自然を残す為に、各々が必死になって行動を起こします。
三島由紀夫さんの原作を読んでいないので、時代背景の違いは分かりませんが、彼が「伝えたいこと」がなんであるのか、深く考えさせられる映画でした。
唯一の母親だけが地球人ですが、家族全体が異星人であるというこの奇妙な世界で、彼らの願いは宇宙へ届いたのか…?
その結末は人間たちの環境保護にかかっているのかもしれません…。
「ポスト・トゥルース(脱真実)」時代のカルト映画
吉田大八監督『美しい星』、変なバランスの映画で最高だった。
(レイトショー一人きりで鑑賞。完全貸切でリリーフランキーのメッセージ兼放送事故の有様のポーズに合わせたカメラワークわカットの切り替えに声出して笑ったり、UFOに出会ったような変な空間におちいったような気分になれたりして、没入出来てなかなか良かった。)
以下、若干ネタバレ(というのだろうか、ストーリーラインに触れる感じ)になります。
家族がオカルトやマルチ商法にハマったら、普通は不幸やいさかいの元になりそうなものなのに、おかしな行動は特に咎められることはない。
それどこか、最終的にはそれによりクライマックスに向けて家族が美しくまとまっていったりする。
劇中、ある一つの真実を解き明かすような見方をする人には、訳がわからないだろう。「◯星人」ってなんで?「ボタン」の効果は?全ては曖昧なままだ。
何星人視点でのリアルかがグラグラしたりする。地球人でもあり、太陽系の別の星の人でもある3人は、個人の中でさえ、視点がせめぎあっているかもしれない。
最も冷静そうな「地球人」であり続ける母でさえ、すぐにわかるようなマルチに、あっさりと入り込んでいく。
信じるものによって「リアル」が変わる世界。
僕らは皆、それぞれに、生きる意味(使命)に出会ったと感じたい。
そして、出会ったものたちはそれが「地球人」の世界ではフェイクだという情報を明かされても、その使命に準じていく。
"フェイクニュース"、"ポスト・トゥルース"の時代らしい展開。
"彼ら"の真実は、"彼ら"にとっては真実で、反証しても無駄(場合によっては我らの真実でもある)。
本当のことよりも、本当と思いたいこと。真実の先には脱・真実の世界が広がっていて、真実を脱した者(異星人)同士は分かり合える。
とても現代的な語り口の作品だ。
橋本愛のUFOを呼ぶシーンや美しさが覚醒するとこなどは映像として楽しめた。橋本愛の超越的な美しさそのものもすごいのだけど。
そして人や街を綺麗に撮るぞと決めたらバッチリ綺麗に撮れるライティング含めた撮影技術も圧巻。これまたすごい。
あと、全体的に音楽や音響も素晴らしかった。
『桐島〜』ほどわかりやすく共感できる作品ではないけれど、吉田大八監督作品にハズレはなさそうと改めて思わされる映画だった。
ライムスター宇多丸さんの映画評いう通り、「スイッチ」の前後のくだりだけ、なんかボヤッとするなぁって感じだったけど、現代劇とするのには仕方ないのかな…。やむを得ないバランスなのかもしれない。
そして、今日、6/15は、共謀罪法案が可決された日でもある。
僕らは、もはや「地球人」的な正しさやそのロジックの持つ欺瞞にうんざりしていて、それが無差別のテロやトランプ政権などに繋がっているのかもしれない。
イギリスやアメリカやイスラム国だけでなく、日本においても同じで、建て前的な正しさに飽き飽きして下品な剥き出しの利己的プライドにすがろうとしている。新しい仕組みのネオナチみたいなものだ。新聞やテレビなどにも空気によるゲッペルス化を強いている。
でもさすがに下品すぎて、再びうんざりしている。
うんざりしても、よりうんざりするような新しいルールが決まってしまう。
そんなときに、例えば見目麗しい存在から説得力のある語り口で、少しの超常現象(たまたまの符合でも可)と共にもたらされるメッセージをいいタイミングで受けてしまったら、乗っかってしまう気持ちも分からなくもない。
「地球人に告ぐ、お前たちは○○○だ!」
みたいな言葉は、意外と爽快だし、甘美に響くだろう。そういう点では、とっても僕らの精神は合理的だ。
「あの人(達)は、なんであんなことをしたのだろう?」みたいな事を考えさせられる、2017年らしいカルト映画になりうる強烈な怪作でした。
最高に楽しみました!
もう一度ストーリーを理解したうえで、改めて観かえしたいなぁと思います。
よかった!
自分には難しくてよくわからなかった部分もあったけど、もう一回観たいと思える作品でもあった。始めは○星人というのも一人一人違うからこのままバラバラになっていくかと思ったけど、最後の家族が一致する様子がとても心温まる思いだった
離乳食レベルの噛み砕き
原作から考えると離乳食レベルに噛み砕かれていて、よくぞここまで映画として成り立たせたなぁと。
原作の重一郎の品格。
地球にあって、宇宙人として存在している自尊心。
宇宙人目線から俯瞰して地球人を見ている彼らの人間愛。
そこがバッサリ切られていたのは残念。
文明としては三流ながらも、地球人というものがどれほど愛すべき種族なのかを重一郎には語って欲しかった。
お母さんは地球人の設定になり、一家の存在や意識はかなり「俗」寄り。
でもそうしないとここまでまとまらなかったかも。
人類滅亡をもたらす水爆は地球温暖化に。
水爆の釦は、空っぽの釦に。
置き換えられたためか、人類の救済に導こうとする重一郎対破滅に導こうとする黒木、という立場の違いは少し曖昧になってしまったかも。
今、映画として成り立たせるには必要だったのかな。
単体では面白かったと思います。
でも、三島作品としては物足りない。
文学的な映像
原作は未読ですが、小説で書かれている描写をそのまま映像で表したかのようなテンポで、ものすごく文学的な映画だなぁと思いましたよ📖
事の起こりまでが長く感じられるのが個人的にはマイナスでしたが、そこからは登場人物たちの心情が読めない点がプラスに働きました👓
テーマはものすごくわかりやすいのに、表現が変化球すぎて当惑するパターンですね。
最近だと『ネオン・デーモン』とかが似たタイプかなぁと思いましたよ👠
一応の説明がつく部分とそうでない部分、後者のほうが多いですが、(なんだよぉ~)とはならない不思議。
ラストシーンの解釈で、これまでの謎の答えも違ってくるので感想を話し合うのも面白いかもですね👫
色々考える楽しさ
この映画は、深刻な地球温暖化問題を警告している。死期の迫った男が使命を果たそうとする物語。バラバラだった家族の再生物語。立ち入り禁止区域にいた牛に象徴されるように原発の危うさを表現している。などと、色々な見方が出来て、おもしろい。結局、愚かな人間を描きたいのでしょう。こうかくとカタい映画のようですが、展開早いのと、映像が綺麗なのと、音楽が心地よいので、あっという間に見終わりました。
余談ですが、邦画なのに字幕付でした。耳が不自由な方のためなのか?
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