「どこまでが本当なのか」美しい星 TAICHIさんの映画レビュー(感想・評価)
どこまでが本当なのか
映画を見ているこちら側とは別の、
映画の中の世界でのリアルというものがある。
ファンタジー作品で
魔法が使えるのがその映画の中でのリアル。
スーパーマンが空を飛べるのがリアル。
これらは、
その映画の中だけのリアルなので、
見ているこちら側が、
自分のリアルと比べるのはナンセンス。
「そんなのあり得ないよ」
の一言で終わってしまうから。
自分が○○星人だ、と言い出す登場人物達。
セリフにもあるように
見た目が変わったり、
超能力が使えるようになったりしない。
本当に星人であるという証拠はない。
「君と僕は金星人」と言っていた男は
金星人ではなかった、かのように物語は進む。
あの曲を作ったのは別の女性だったから。
でも、UFO呼べたかのようなシーンもある。
娘が大学で
例のポーズで突風をおこすシーンがあるので、
男は違うけど彼女は金星人なのか。
そうだとしたら妊娠は?
水星人だと言われた息子。
エレベーターでのシーン。
あれは結局、議員を救ったのか?
ただの妄想だったのか?
蹴られた男が銃を落とす、
とかがあれば本当なんだって思うし、
「お前何するんだ!」って取り押さえられれば
妄想なんだって思うんだけど、どっちも無い。
父はUFOが呼べるのが火星人の証拠
と言っていたけど、結局、呼べなかった。
これは、火星人ではないって証拠?
でもラストシーンは?
映画紹介なんかでは「覚醒した」
って書かれてたけど、
単に他人から言われているだけなんですよね。
それを鵜呑みにしてるだけ。
「気付かされた」ってことで
これを覚醒したととらえるのだろうか?
『全員ただの普通の地球人です』
と言われても、納得できる気もする。
全て妄想で騒ぎ立ててただけ、とすれば。
ラストシーンは、
死んで天国に行く場面と思えば。
結局、どこまでが本当だったのだろうか?