劇場公開日 2017年5月26日

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「離乳食レベルの噛み砕き」美しい星 Natsukichiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5離乳食レベルの噛み砕き

2017年6月15日
iPhoneアプリから投稿

原作から考えると離乳食レベルに噛み砕かれていて、よくぞここまで映画として成り立たせたなぁと。

原作の重一郎の品格。
地球にあって、宇宙人として存在している自尊心。
宇宙人目線から俯瞰して地球人を見ている彼らの人間愛。
そこがバッサリ切られていたのは残念。
文明としては三流ながらも、地球人というものがどれほど愛すべき種族なのかを重一郎には語って欲しかった。

お母さんは地球人の設定になり、一家の存在や意識はかなり「俗」寄り。
でもそうしないとここまでまとまらなかったかも。

人類滅亡をもたらす水爆は地球温暖化に。
水爆の釦は、空っぽの釦に。
置き換えられたためか、人類の救済に導こうとする重一郎対破滅に導こうとする黒木、という立場の違いは少し曖昧になってしまったかも。
今、映画として成り立たせるには必要だったのかな。

単体では面白かったと思います。
でも、三島作品としては物足りない。

Natsukichi