美しい星のレビュー・感想・評価
全117件中、1~20件目を表示
リリー・フランキーの火星人ポーズ、クセになる
私を含め原作を読んでいない人にとっては、三島由紀夫ってこんな小説も書いていたんだ、と意外な印象を受けるストーリー。リリー・フランキー、佐々木蔵之介らが特異なキャラクターをコントにしない絶妙なバランスで演じる。とくにリリー・フランキーのお天気キャスターが番組の最後を締めくくる一連の動きのポーズが破壊力満点。彼のとぼけた感じの表情にもはまっている。劇中で何度か繰り返されるのだが、そのうちに「もっと見たい!」と変な欲求がわいてきて困った。
橋本愛は、浮世離れした美少女の雰囲気をうまく出せていた。彼女には陰のあるキャラクターが合う気がする。そういえば「桐島、部活やめるってよ」でも暗い感じの女子高生を演じていた。吉田大八監督、さすがです。
原作読んで無いから、後で読んでみようと思う。
三島由紀夫の原作の話しは読んだ事も観たこともなくて初めて。
人間を滅亡させて地球を守る派と、人間を信じて共存させて地球を守る派の議論の所は見応えあったなぁ。自分はもちろん地球人で、地球と共存したい派だけど、本当に地球の為を考えると人間は滅びないとダメだろうなぁ。と今まで幾度と無く考えたテーマだ。それを他の星の人から俯瞰して見たって言う話しで、面白かった。
うん、どちらを選択するにしても地球は美しいよ。ラストでそう思って切なくなった。
原作とは大幅に変更点はあったみたいだけど、大まかな話しの軸は変わらないみたい。先に原作読んでから観れば良かったかなぁ、と思った。
太陽系連合とは「楯◯会」なのだろうか?
「気象予報士」は「気象庁の見解」に従わなければならない。
つまり、「下駄を飛ばして、裏と表で天気を予報」は駄目だと言う事。つまり、地球温暖化を気象庁が言うからにはそれに従わなければ駄目なのだ。
さて、このストーリーは温暖化現象を認める形でストーリーが展開してる。
しかし、原作は核爆弾の話だったと記憶する。それをCo2の削減につなげだ所は明らかな演出家の手抜きとも言える脚本だと思う。
原作は明らかに傑作だと思うが、この映画はグローバルとしてのストーリー展開ではない。日本だけのお話になっている。だから、「美しい日本国」になり、まさにこの映画のテーマになる。従って、映画は原作の半分の価値は、あるのかもしれない。
SFというよりは…
地球の危機に際しての宇宙人たちの思惑についてのSFストーリーと、まとまりに欠けた家族が各々のイベント後に再び集結するという家族のストーリーが、ダブルミーニング的に重ね合わされたお話…と解釈しました。
映画内で唐突に出てくる「太陽系連合」とは、(水金地火だけだけど)要は家族のことで、SFというよりは古典的な家族の物語という要素が強いと思われます。
現在進行形の温暖化の問題ももちろん重大事ではありますが、行われる議論はそれほど目新しいものでもなくやや今更感がある。
個人的には、中盤までのシュールなイメージのまま突っ走って欲しかった気もします。
演劇作品の映画化か何かかなと思ったら、三島由紀夫原作なんですね。
SFと思いきやそうでもないのか いややっぱり…
レンタル110 意外と長くて4回くらいに分けたかなぁ
コメディのコーナーにあって前から気になっていた
ファーザーとのカップリングだ
三島由紀夫の小説の映画化だと
時代設定は現代に置き換えられている
どの程度原作に忠実なのかは分からないが
ストーリーは骨太でしっかりしていた
SFと思いきやそうでもないのか
いややっぱり…と味わい深い
ラストは賛否が分かれそうだがオラは好きだ
いろんな解釈ができそうだ
怪しいミュージシャンはどこかで見た顔だと思ったら
また若葉竜也だった でクセ者
橋本愛とのエピソードや顛末は
思春期にありがちな思い込みと
それにつけこむゲスな人種が上手に表現されている
中嶋朋子とマルチの関係の描写もしかり
佐々木蔵之介の役どころが何を示すのかは
いまひとつ理解できなかったが違和感はなかった
桐島部活とか紙の月の監督だな
最近だと羊の木を観ている
あと腑抜けどもというのもあった
原作モノが得意なのかもしれない
オラは自分を本好きだと思っているが
三島は一冊も読んでいなかった
この映画のおかげで読んでみようかとの思いに至り
B○○K○FFで購入した
こちらは110円にはなっていなかった
薄いくせに長いっつーの○カヤロー!!笑笑笑
この内容はオカルト雑誌ムーに親しみのある人間だから耐えられたのだと思う。笑
それでも終盤は「すでに3時間以上経過しているよね???」という忍耐ぎりぎりの時間感覚。
ようやくエンドとなりタイムバーを表示させたら2時間ちょっとだったのだから、退屈にもならず、かといってイライラすることもなく4時間たったような超常的時間感覚を味わわせてくれたという意味では〝疑似時間引き延ばし効果あり、なんちゃってスペース優良大作”だったのは間違いないだろう。
もうあらすじを書く気も起こらないが、微妙なユーモアとペーソスがにじむかなり珍妙な映画だった。
惜しむらくは作品としての厚みや重さがなく、それこそリリーフランキーの肉体に象徴されるような薄さ軽さが支配的雰囲気だったこと。
まぁでも、現代社会のごくごく一部に実在するとされる、またはそうと主張している人たちもいる「地球人に成りすましたスペースピープル」にとっては、何がしか琴線を震わせるような内容だったかもしれない。
残念ながら個人的には「他惑星での記憶」が1ミリも蘇ってこない地球土着民みたいなの、何らかの懐かしさを感じることはなかったけれど(笑)、決して無駄な視聴時間だったとは思っていない。
追記
エンドロールで出演者は別に気にせずスル―したが、企画か何かで藤島ジュリーの名前を発見し「ジャニーズ出てたっけ??」と怪訝になり、ネットで映画情報調べたら亀梨和也だったんだね。ずっと佐藤健とばかり思っていたよ。
平凡な家族が突然宇宙人として覚醒する。 何ともぶっ飛んだ設定。 あ...
平凡な家族が突然宇宙人として覚醒する。
何ともぶっ飛んだ設定。
あらすじでは「地球を救うために奮闘する」と書かれていたが、別に大したことはしていない。
エンディングもよく分からなかった。
ただ、リリーが啖呵を切った後のポーズはおもしろかった。
どうしようもない断絶が生まれた一家の再生劇
正直途中まで乗れなかったしキャラクターに感情移入しずらかった。主人公一家がそれぞれ自分を宇宙人だと錯覚し独自に行動していく。リリーフランキー演ずる父親は陰謀論のような物にハマり暴走していく過程がどうしようもなく哀れに感じたり、橋本愛演ずる娘は路上ミュージシャンに騙され、知らない間に孕まされてしまう。おそらく薬を飲まされてレイプされたと思うが自分が選ばれた存在であり、自分をはめた男のことを庇おうとする。リリーフランキーはそんな酷いことをする対して冷めた態度でそれを俯瞰し、娘と話そうとする。
父親は愛人とドライブ中眩しい光を見て意識が戻ったときには田んぼの真ん中に突っ込んでいた。それを彼は宇宙人が自分を攫い、自分が宇宙人だと錯覚して、テレビを通じて地球の温暖化を訴える。それが陰謀論をひたすら唱えこちらの不安を煽る煽動者に見えて正直辛かった。息子も自分を金星人であると信じ込み独自の路線で日本を変えようと政治家の道へ進もうとする。バラバラに進む一家を見ていてそれがむず痒く、見ているこちらとしても焦燥感が生まれた。しかし終盤、父親の癌が発覚しそこからの家族が一体となり、最後の時に病室から連れ出そうとする姿を見てそのイライラは消えた。おそらく彼らは自分が特別なのだと信じたいがどこかで信じきれてなかったのかもしれない。娘は病室で父と対話するとき、そこでも自分を宇宙人だと言い続けるがきっと辛い気持ちを隠すために嘘をつき続けたのだと思うと切ない。
また劇中の音楽のセンスがずば抜けてよく場面に合わせてよく練られた作りになっていると思う。橋本愛が空に向かい交信するシーンや父親が視聴者に温暖化を訴えかけるところ、亀梨がメッセンジャーとして自転車を飛ばすシーンにかかった曲は見ていて高揚感すら感じられる見事にテンポが効いたリズムでめちゃくちゃかっこいい。
またこの中でも佐々木蔵之介の演技がピカイチで、彼はもしかして本物の宇宙人なのではないかと思ったりもした。それくらい異質だが説得力のある凄みがありカッコ良かった。
異星人の意識が混濁した日常
登場人物に火星人やら水星人など登場しますが、それに深い意味は無いと思います。ただ環境問題に対し狂気に染まった人間同士がどの様に日常を繰り広げるかと見れば面白いかと思います
内容は明らかにフィクションですが、
劇中、果たして異星人の意識は実在したのか?
ただの人間による幻覚や妄想だったのか?
劇中の美しい星、地球は本当に美しいと言えるのか?
そういうところを見ると哲学的に面白い作品だと思います
あと平沢進の金星は良い曲です
吉田大八、好調。
まず中嶋朋子のエレガントな普通人好演を評す。
そりゃ妄想だろうが、極微量本当かもの塩梅が心地好い。
食傷気味の文明批判に見せて、気付けば人間讃歌ファミリー肯定に寄せる作劇に泣く。
主役演技の不安感が全編の不確かさを巧く象徴したと読もう。
吉田大八、好調。
劇場で見たかった。
リリー・フランキーの気象予報士役はちょっとしんどかったけれど、
橋本愛の透明感はよかったです。
ストーリーは後半ぶっ飛んできてどこに着地するのかと思ってましたが、結局よくわからなかったです。インパクトのある映画ではありました。
レビュー
三島由紀夫原作小説の映画化。
原作未読で鑑賞しましたが、戸惑う時間が長かったです😇
ストーリーのメッセージ性は不明でしたが、全体を通じたシュールさがかなり特徴的です🦊
シュールな演劇を映画で観る感じなのかな?ですが、橋本愛さんは変わらずお綺麗でした😅
世界観は引き継いでいるのか
個人評価:2.7
原作未読だが、物語の世界観はどこまで受け継がれているのだろう。おそらく受け継がれていないだろう。あるいは舞台の方が合うかもしれない。
後半のスタジオ収録での掛け合いで、世界観が伝わってきた感はあるが、終始長いストーリーで見応えはない。
吉田大八らしくない作品と感じる。
【リリー・フランキー扮する火星人の決めポーズが忘れられない怪作】
三島由紀夫の異色SF小説を吉田大八監督が”まさかの”映画化した作品。
<大杉家の人々(宇宙人達)>
父:大杉重一郎 テレビ気象予報士:火星人(リリー・フランキー)
母:大杉伊余子 専業主婦:地球人(中島朋子)
息子:大杉一雄 メッセンジャー(自転車宅配人):彗星人(亀梨
和也)
娘:大杉暁子 大学生:金星人(橋本愛)
と記載しているだけで、不思議感満載だった映画を思い出す。
佐々木蔵之介演じる謎の人物、黒木の佇まいも宇宙人ぽくて宜しい。
宇宙人として覚醒した重一郎の決めポーズの強烈なインパクトが鑑賞後、2年半経った今でも忘れられない。(私は、笑いを抑えるのに必死だった)
(橋本愛が”少し恥ずかしそうに演じる”金星人のポーズも忘れられない。)
<何故に、三島由紀夫は今作を世に出し、何ゆえに吉田大八は今作を映画化したのか?、それ自体がミステリーである。(褒めてます)>
<2017年5月26日 劇場にて鑑賞>
無謀な映画化
三島由紀夫の執筆動機には相次ぐ核実験、第三次大戦での人類滅亡の恐怖があったようです、視点を宇宙の高みに移して人類の原罪、あるべき地球の未来を問う、いかにも論壇好みの哲学的で深遠なテーマですが、映画では主人公を気象予報士とし、環境問題・地球温暖化の危機との対峙に変えています。
謎の異星人黒木(佐々木蔵之介)はオリンポスの神気取り、高いところから見るのではなく高いところからものを言う、火星人の父(リリー・フランキー)はまるでゴア副大統領、水星人の息子(亀梨和也)は前世代・先進国責任論、これは会議での途上国の常套句、各人の主張も論点も型どおり。娘(橋本愛)の金星人は聖母マリアもどき、母(中嶋朋子)は地球人(原作では木星人)らしい、ファミリーを代表して「太陽系連合」とは飛躍だろう。
メン・イン・ブラックのエイリアンなら多少は笑えますが東洋的な幽体合体では分かりにくいし特別な能力があるような無いような曖昧さ。円盤を呼ぶくだりはテレビのオカルト番組で観たまま、そもそもSFの必要性も醍醐味も端から想定外に思えます。
水の星・地球、その美しい水をマルチ商法に使うとは何事だと言ってみても針小棒大とんちんかん、円盤の迎えが福島なのは福島を持ち出したいだけでしょう。
勿論「不都合な真実」は真摯に向き合うべき重要なテーマ、噛み砕いた演出で関心を高めようとする意図は買いますがそもそも太陽系惑星で知的生命は地球だけというのは今や小学生でも知っているご時世ですからもっともらしい嘘はつけませんし原作との板挟み、そこで暗黙の了解、謂わば学芸会で動物のお面をかぶってセリフをいうような状況では舞台を現代に移しての映画化自体が陳腐化、無謀だったのかもしれませんね。あくまでも主観ですのでご容赦ください。
原作好きです
私は、三島由紀夫が好きなのですが、彼の小説の中で一番好きなのが「美しい星」です。「美しい星」は、耽美な三島文学の中でも上位に入る位に表現が美しいと思うのですが、映画はその文体の美しさを感じられなかったです。また、一家の選民思想的な思考や振る舞い、妄想の強さも、原作の方が上だと思いました。原作は、自死した晩年の三島の精神状態を垣間見れる位に狂気的ですが、その迫力もなかったです。原作好きが映画と比較するとどうしても酷評になってしまいますが。
全117件中、1~20件目を表示