「海洋油田事故」バーニング・オーシャン odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
海洋油田事故
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2010年メキシコ湾原油流出事故,NYタイムズの記事を基に映画化、掘削施設の惨状を描いているが、むしろ実際の深刻な被害は事故後の油井からの原油流出が大規模な海洋汚染を引き起こしたことの方だろう。
この種の事故でお決まりの親会社の利益優先、安全軽視など人災であることは分かるが物理的原因が複合的な不具合なのでピンとこなかった。冒頭で主人公の娘のコーラが噴き出すシーン、石油掘削には眠りから起こされた恐竜たちの屍の怒りが籠っているというセリフの方が響きました。昔は炭鉱事故で大勢が生き埋めになったりもしました、石油、原発に時代は進んでも事故の規模は拡大するばかり、文明の恩恵に浸るばかりの身としては複雑な心境です。
確かに爆発火災の臨場感はあるしアカデミー視覚効果賞にノミネートされたらしいが、手法的にはお決まりのハンディカメラによる手振れ多用や暗い中での閃光の明滅など観客に苦痛を強いる絵作りなのであまり褒められません。
主人公は上司や同僚を助けはしますが、技術主任としては役立たず、キーパーソンやヒーローと言う訳でもないので存在感は薄く見えます。再発を防ぐための問題提起の映画化というより災害の派手な映像化を見どころとした単なるディザスタームービーに思えてしまい残念です。
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