ウィッチのレビュー・感想・評価
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潔癖主義と抑圧が生み出す“悪魔”
開拓民の村を離れ、人里離れた荒れ地で暮らす一家が、信仰にすがりつくあまり狂気に陥っていく。いろんな解釈ができるだろうが、自分にはそう受け取れた。
とにかく閉塞感漂う映像の寒々しさが凄まじく、ついアニャ・テイラー・ジョイの美貌をよりどころにしたくなるが、そんな生易しい気持ちはいともたやすく吹き飛ばされる。ほんの少しの猜疑心や悪意が、らせん状に増幅していく様が戦慄を生み、ホラーとサイコスリラーのすき間を縫うように這いまわる。
主人公家族それぞれの主観が入り乱れる作品だが、17世紀当時の裁判記録などをもとに生み出された脚本だという。裏話として監督は幻覚作用のある食物の影響を示唆しており、そんなの映画観てても気づかないよ!と思いつつ、謎解きに挑戦してみたくもなる。
また、生真面目を旨とする人が荒れ地になんか行っちゃいかんよという、いろんな局面に応用できる普遍的な教条話でもある。つくづくストイックはほどほどにした方がいい。
かつて明確に語られることが少なかった"魔女の作られ方"
16世紀のアメリカ東海岸に入植した敬虔なキリスト教信者一家の自給自足生活を活写するために、色彩を落とし、縦横が近い独特のアスペクト比を用いたビジュアルが、まず、強烈。視覚ばかりではない。子供の失踪によって一家の信仰と信頼が脆くも崩れ去っていくプロセスは、特に、長女に魔女の気配を感じ取って以降、誰も静止できないカオスとなって観客をも巻き込んでいく。宗教、歴史、ミステリー、オカルト、スプラッタ等々、あらゆる要素を孕みつつこの映画が行き着く先は、かつて明確に語られることが少なかった"魔女の作られ方"。猜疑心が家族を内側から滅ぼしていく様子は、さらに傷ましい後味を残すのだが。
ちょっと.....退屈だった... トマシンがやたらこき使われて怒...
ちょっと.....退屈だった...
トマシンがやたらこき使われて怒られて、双子にもバカにされてかわいそうだったし。
当時をしっかり再現しようとして夜のシーンは結構暗かったり、古い英語を使っていたり、コンプライアンスを気にしない部分があったり、そう言うあたりは好感がもてた。
けどそれが同時に分かりづらくもあって、観ていて疲れてしまった。あんまり深く考えて観ない方が楽しめるのかもしれないけれど...その割には宗教を難しく語っていたので真面目に観ちゃって、そしたら最後アレで...
気に入ったのは衣装。かわいい。
あと若き日のアニャ。かわいい。
オヤジがシャカリキに割り続けた薪。えっ?あんなに?
以上
大人なのに怖くて泣きそうになった
マッドマックスの新作がもうすぐ公開されるので、そろそろアニャ・テイラー=ジョイの過去作品を見ておこうと思いまして、まずは1本目…と思っていたんです。
気軽に見ちゃダメなヤツだった
もっとチョロいヤツだと思ってた
こんな夜中に見なきゃよかった…
明るいとき誰かと一緒に見ればよかった…
本気で怖いヤツだった
ちょっと後悔してる
ホラー耐性かなりある方だと思うけど
ゾワッて鳥肌立ったのは数えられない
終盤なんてホントに手が震えてた
大人なのに怖くて泣きそうになった
大袈裟な言い方じゃなくて
子供はもちろん、多感なお年頃の中高生にも見せない方がいいと思う
トラウマになる人必ずいる…
どうするのこれ、明日仕事あるのに寝れないじゃん
中世の魔女伝説による悲劇
中世ニューイングランドの森の近くの寒々とした土地を舞台に、そこに住む敬虔なキリスト教の一家が、魔女伝説の呪いによって、血みどろの惨劇へと転落していく様を描いたダークホラー・ファンタジー。
ウイリアムとキャサリンは5人の子供と共に、イングランドを追われ、ニューイングランドの荒野に流れ着く。ある日、長女のトマシンが一番下の子供のサムをあやしている最中に、突然、サムを何者かに連れ去られてしまう。その後も、長男のケイレブもトマシンと一緒に森に入った際に、行方不明となってしまう。しばらくして、ケイレブは悪魔に乗り移られたような姿で発見されるが、結局、命を絶ってしまい、一家の心は次第に崩壊していく。
そして、両親や下の双子の妹弟は、これらの事件の原因が「トマシンが魔女である」から考え、トマシンを非難し始める。心身が追い詰められていくトマシン。そんな中で、また新たな悲劇が一家を襲い、トマシンは絶望の中に身を置くことになる。そして…。
ラストは、オカルトチ的な締めくくりだが、終始、不吉な雰囲気が一家の生活の中にまとわりつき、宗教信仰における狂気、魔女狩りの怖さ、当時の貧しい暮らしぶりの中で、家族でありながらも互いに疑心暗鬼となっていく姿が、ダークな色彩と重い雰囲気の中で映し出されていく。
この作品は、何と言ってもトマシンを演じた、若き日のアニヤ・テイラー=ジョイの演技だ。今や、個性的な美しさの女優として、『ザ・メニュー』や『ライト・ナイト・イン。ソーホー』等でもヒロインを務めている。少し目が離れているが、本作では、少女から女へと成長する過程での、真っ白な肌に、凛とした美しさを備えたアニヤの少女時代も、また魅惑的であった。
【17世紀の英国、敬虔なキリスト教徒の一家が魔女の幻影により疑心暗鬼になって行く様を不協和音と共に描き出したダークファンタジー・ホラー作品。流石、A24である。心理的に恐ろしい作品である。】
ー ご存じの通り、今作の監督・脚本は狂気の二人の船員の姿をモノクロで描いた「ライト・ハウス」のロバート・エガースである。
冒頭の不協和音溢れるシーンで、この監督の作品ではないかと思った程、作品世界が屹立している。
更に言えば、今作は敬虔な家族たちから魔女ではないかと疑われたトマシンを演じたアニヤ・テイラー=ジョイの、実質的なデビュー作である。-
◆感想
・序盤から、敬虔なキリスト教徒であるウィリアム一家を、不可思議な出来事が次々に襲う。幼きサムはトマシンがあやしているいる最中に姿を消し、弟のケイレブは”明らかに魔女と思われる”女に誘惑され、姿を消す。
■敬虔なキリスト教徒であるウィリアム一家が犯した禁忌
1.夫、ウィリアムは罠を買うために、妻が父から引き継いだ銀のコップを妻に言わずに売り渡す。<嘘の罪>
2.トマシンの双子の娘は根拠なき噂により、姉トマシンを遊びで魔女扱いする。<虚偽の罪>
3.ケイレブは魔女の誘いに乗り、口づけを交わす。<姦淫の罪>
・故に、夫、ウィリアムは根拠なく、トマシンを魔女ではないかと疑い始め、”裸身”で戻ったケイレブはうなされながら、口から林檎を吐き命耐える。
- 林檎の意味、分かりますね。禁断の果実である。アダムとイヴね。-
・結果、トマシンは自分を魔女と思い責める母親の首に刃を突き立てるのである。
<そして、トマシンは魔女たちが裸身で踊る怪しげな宴に、自らも裸身になり参加していくのである。魔女になったという事である。
流石、A24である。実に心理的に恐ろしい作品である。
アニヤ・テイラー=ジョイを劇場で私が知ったのはシャマラン監督の「スプリット」「ミスター・ガラス」であるが、彼女が存在感を示したのは「ラスト・ナイト・イン・ソーホー」であり、「ザ・メニュー」である。
彼女は、ダークファンタジー・ホラーでその存在感を発揮している有望な若手女優であるが、更なる分野でも活躍を期待したい女優である。>
魔女誕生秘話を描く!
いや~、観ていて辛かった。そして疲れた。が正直な感想かもしれません。常に不安を感じながら鑑賞をしないといけず、一家それぞれの色濃いキャラがあまりにも不気味なのです。一番、正常で健気な長女トマシンの存在自体が一家の中で異教徒のように感じてすしまうほど。
そして一番まともで有っただろう、トマシンもある事をきっかけに何かが弾けてしまった…。
ここに、魔女が誕生したのだ!
今までの映画で魔女が誕生した理由を描いた映画なんてあったんでしょうかね!?まさに、衝撃的な映画です。
ラストシーンがまたとても印象的でありました。、初めて味わうような何とも言えない感覚で、非常に不気味だけど美しい光景を目の当たりにした感覚です。観終わった後は、重く暗いどんよりした感情しか湧いてきませんでした…。
ストレートに受け入れない方が無難なホラー映画。
アメリカ建国の清教徒たちは、新大陸アメリカで怯えて生活していたのだと理解できた。この偏見が差別を生んで来たと思う。そして、今でもアメリカは怯えている。それをアナクロな表現で語っていると感じたい。
ストレートに受け入れない方が無難なホラー映画。だと思いたい。兎に角アナクロ過ぎると思う。
名作か駄作かは、商業主義を無視したホラー映画に成り下がっていると思い、駄作とする。残念ながら、僕には理解できない。
ネイティブアメリカン達が、元気よく楽しく生活していた森を、悪魔が住む森と表現して、奪い取っていった。その事実をホラーな寓話で表現するのは全く共感出来ない。
しかし、彼らが教会から波紋されたのは、原住民と商売をしたからと匂わせていたのは少し理解できた。
不穏、不気味、不道徳と美少女
楽しんだ。
不穏、不気味、不道徳だがこれにつり合ってしまう絶世の美少女と下世話なエンタメ精神が上手く機能した。
手本と思しきシャイニングの軽妙さから逸れる重くて野暮なラストは好かぬが。
同監督の公開中某作は美少女とエンタメ精神が無いから格段につまらない。
妄信と家族崩壊
『ライトハウス』公開記念リバイバル上映にて鑑賞。
これが初監督とは思えない仕上がりで、数多くの賞を取ったというのも納得。ただ、キリスト教徒じゃないと、ほんとの意味で恐さは感じないんじゃないかな。自分なんか悪魔に対する恐怖がほとんどないもの。
敬虔な、もとい妄信的なキリスト教徒の一家が、村を指導する教会に逆らってしまい、村はずれでの生活を余儀なくされる。一家の長であるウィリアムは、不幸な事が起きるたびに、信心が足りない事に置き換えてしまう。
徐々に家族が崩壊していく様子が、家族それぞれを起点として描かれているので、精神的にきつい。特に双子とトマシンの関係性がそう。結局は悪魔は、人間の心に潜んでいると言うことかな。
ケイレブは、思春期を迎える男の子らしく、トマシンの胸の膨らみを意識してしまうが、このシーンが後になって悲劇を加速させる要素になっている。こういった、巧みなシナリオが随所に見られるのだが、そんなに怖くないことがこの作品の欠点かな。これで身震いするくらいの恐怖があったら、大傑作なんだけど。
魔女は存在する?
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村を追い出された敬虔なキリスト教一家の末っ子赤ちゃんが行方不明になったことから魔女をめぐって揺れ動く家族の話。
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魔女は実際にいなくても、魔女や悪魔というものを知っていれば人はいないものを憶測や想像で作り出してしまえて、そういう意味で私は魔女は存在していると思う。
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でも想像で魔女を作り出した時、その時はその人がもう魔女なり悪魔になっている。なのでわりとこの映画のラストには納得。
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結構いろんな宗教的モチーフが散りばめられてそう。
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家庭崩壊
頼りにならないダメ親父、ヒステリックな奥さん、クソ生意気なタチの悪い双子、ギョロ目のうさぎ。
魔女は全裸で焚き火を囲む、あるあるシーン!?
不確かな存在、神や罪に恐れ、ソレを不遇な状況の理由にしているようで、悪魔と契約したらギターが巧くなる十字路しか知らない!?
ジワジワと進む物語に興味の持続力は保たれ、魔女だったのか?魔女になってしまったのか?悪魔が存在していたのか?
彼女の最後は、ハッピーエンド!??
レビュー
低予算ながら賞レースを賑わし、話題となった作品。村から離れた家族が、娘の成長とともに脆く崩れていく様を見事に描いていました😇
昔の魔女は、幻覚や病気、人間の恐怖が生み出したのでは?と思えますね🦊
心の拠り所であるはずの宗教が生む恐怖
植民地での孤独感を埋め、使命感を強めるためのはずの宗教が、次第に家族を崩壊させていく。魔女は出てくるんだけど、それは本筋ではなくて、あくまで人間な心を描いている。こういうのを観ると、やっぱり日本人の自分には100%の理解はできないなと残念に思う。もう一度観てみよう。
魔女はこうして造られる…。
信仰心に熱い家族と思いきや、全く違かった。
父親は嘘つきだし、母親はヒステリーだし、弟は姉を見て性的感情を持つし、双子は言うこと聞かないし。
でも、これが一般的な家族だと思うんだけど…。
でも、そんな信仰心に熱い(?)両親に育てられ、抑圧した生活にウンザリしていた隙間に悪魔が入り込み、引きずり込まれて行ってしまったヒロイン。
こういった複雑な環境を作って、魔女の世界へ誘う…っという感じでしょうか。
私は、「神」は全く信じていないので、こう云った宗教観の強い作品にはビミョーな感情しか持てないけれど、魔女って云うのは 勝手に湧くもんじゃなくて人間が創り出した賜物なんだなーと。
セイラムの魔女裁判然り…
人々の恐怖を「魔女」のせいだと決めつけることで、不安を拭っていたんだろうな〜って思った。
本当の悪は、人々の心に宿った邪神なんだと思った。
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