「過去最高の非エンタメ系魔女映画。」ウィッチ 蟲太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
過去最高の非エンタメ系魔女映画。
評価低くてびっくりです。
エンタメ映画ではありません。
B系かなと思って見たら、びっくりのA級レベルの満足度。どちらかというとアート、歴史系ミステリー映画。「魔女」という概念が心の中に産まれる過程やその状況をスタイリッシュになり過ぎないギリギリで丁寧に描いています。魔女物、近作だと同じ北米の開拓、植民期の魔女裁判をネタにした「ジェーン ドゥの解剖」が新鮮なアプローチで楽しめましたが、やはり基本ホラーで「魔女」の本質に迫るものではなかったです。この映画はそこにフォーカスしています。
実際に魔女が居るのか、居ないのか?そこをうまくすり抜けながら「魔女」の存在せざるえなかった宗教観、物理的、精神的状況をひりひり描いていきます。
監督は長篇初で、もともと映画系デザイナー。
流石の魔女絵画知識とイメージ。
淡々、じわじわ系ですが音や映像設計が素晴らしく、アイデアもあります。地味なストーリーですがテンポも悪くなく、台詞も過去の魔女裁判の資料から拾っており、説得力あります。次作もきまり今後が楽しみな監督です。主役の女子も可愛かったな。
制作費わずか300万ドルですが、サンダンス(監督賞)やトロントで話題になり、結局米国内だけで10倍を超える興行成績を収めたそうです。
本当にこの世界に興味のある方なら是非。
DVDでたら買う予定。
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