「普通に不快だった」SING シング みぎてさんの映画レビュー(感想・評価)
普通に不快だった
コロナで雰囲気暗いから明るい映画が観たいなと思って観ました。評価良かったし。ですが、正直見なければ良かったと思っています。
以下、ネタバレを含みますが良かった点と嫌だった点です。
良かった点
歌の数とクオリティ…正直この映画でよかったのってこれだけでは?という感じです。特筆して歌が上手い!ということは無いと思いますがどれも安定して上手かった上にとても沢山の曲が出てくるので楽しめました。
絵画的表現…作中でイカがステージで光って動くシーンや黄色いビラが町中に舞うシーンがあるのですが、それらのシーンは美しかったと思います。ストーリーとか一切考えずそのシーンだけ見れば…ですが。
見ていて不快だった、悪かった点
何故動物にしたのかわからない…私はズートピアが好きでもう何度も見ており、シングも動物の世界ということで同じように動物ごとの特性を考えた構造の建物や設定が見られるかと楽しみにしていました。しかし、そういった工夫は一切見られず、性格の違いも一般的で表面的な物ばかり…何故動物である必要があったのか分かりません。イカとかカタツムリとかまで出てくる為世界観もよくわかりません。
差別的表現が多数見られる…まず一番気になったのはレッサーパンダのアイドルグループに対する描写です。他のキャラには一切そういった描写が無いにも関わらず、彼女達は片言の日本語しか喋りません。おまけに話が通じず、コアラに足が臭いと侮辱されるシーンまであります。何故このキャラクターを出したのか、意味が分かりません。また、喘息の吸引器をドラッグを吸う機械と表したり、ギャング集団をゴリラにしたりと(黒人差別と取られ、過去には日本の作品が批判されたこともあります)考えが足りないのか意図的に差別しているのか分からない不快な表現が多数見られます。
話の稚拙さ…賞金目当てで集まったはずの登場人物達が支払えないことに対して一切怒らずあり得ないくらい前向きだったり、ずっと機嫌が悪いという描き方をされていた大富豪が劇場を買い取ってくれたり、とご都合主義にも程がある流ればかりです…見ているこっちが恥ずかしいという映画にあるまじき状況です。
また、ゴリラが刑務所から逃走して息子に会いに行くシーンが感動のシーンとして描かれたり、盗電をしたり違法に他人の土地から水を汲み上げたりするシーンがさも工夫の結果の正当な行為のように描かれていたりと、少し頭が悪すぎる気がします。
以上です。
あくまで個人の意見ですが、singは少なくともお子さんと一緒に、家族で見るには向かないと思います。冷やかし程度に期待しないで見てがっかりする程度の映画です。