聖の青春のレビュー・感想・評価
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これでは「村山聖」が伝わらない。残念だ
2度目の鑑賞
予備知識のない人には、なにも伝わらないのではないか
持病のある棋士が、
めちゃくちゃな生き方して、無茶して
自分の命を縮めて、死んでいった
それだけに見える
年齢も、条件も違うから一概に言えないが
奨励会入会から四段昇進(プロ入り)までのスピードは
なんでも最年少記録を更新していく藤井壮太でさえかなわないレベルだった
とにかく残念だ
リメイクしてほしいくらいだ
緊迫感の漂う映画
青春というとさわやかなイメージだけれど、どこか暗くてとっつきにくい主人公で最初は驚いた。
「将棋は殺し合いだ」「勝つことが将棋をさす理由」・・・何かとりつかれたギャンブラーのようにギラギラしているのがこの人物の魅力なのかなと思った
ラストの羽生善治との対戦のシーンは本当に緊迫感が伝わってきた。
最期は負けて病死してしまって、もし今生きていたら将棋界は面白いことになっていたのではないかと考えてしまうけれど、自分らしく生き自分らしく死んだ。こういうのも素晴らしい青春・・・人生なのではないかと思った
村山聖という男
松山ケンイチがすごかった。将棋の鬼になりきっていた。一方、それが事実なら、垣間見える将棋以外の姿は、棋士よりも学生とか引きこもりのようだ。そのギャップがすごい。生活がもう少し規則正しければ、早世しなかったか? それも疑問だけど。
一方、東出は難しかったかも。仕草とか特徴を研究したと思われ、なるほどメディアに出る羽生さんの雰囲気だった。
生と性
『聖の青春』(2016)
村山聖棋士が生きて活躍していた頃から、29歳と訃報が載るまでの時期にもメディアを通して触れていたわけだし、大病を抱えながらのおおまかな彼の個人史も知ってはいたけれど、そして本人の顔もメディアを通してみていた人で。今ではネットで検索すれば出てくる事ではあるが。こうして実話をもとにした映画で壮絶な生き方をみると辛い。将棋が出来なくなることと、子供が欲しかったのにできなくなるという二重の苦悶から手術に抵抗し、しかし手術を行い。手術で一度死から遠のいたように思えたが、再発してしまった。実話なのか、羽生棋士に勝利した後で、羽生を誘い、食堂で語り合ったのは。古本屋の娘とも言葉を交わすだけで男女の恋愛物語ではまるでなかったが、そうした淡いエピソードや、なにより子供が出来なくなってしまう状態で手術が必要なんだと言われたときの気持ち。これは恋愛の出来なかった人の恋愛物語でもあったし、最期を看取る村山の両親の夫婦愛が表されているし、途中で羽生が人気アイドルと結婚する挿話があり、将棋という勝負の他の、男女のある人生の風景が、未遂の物語ながら逆に強く感じさせられる。羽生との最後の対戦には看護師が控えていた。20キロ増量して臨んだ松山ケンイチと相手役として東出昌大。見事な演技だった。棋士の仲間たちとの関係性もみせる。生と性、ともかく存在が実在しているのを思い起こさせる。
村山聖と羽生善治
とても丁寧に作られた映画で、そのことには大変好感を持った。そして、何よりも村山聖さんの病とその中での闘いという事実の重さが有り、泣かされる映画でもあった。主演俳優二人も、熱心に研究したのであろう村山さんおよび羽生さんに、そっくりの動きを自分のものにしていて、感心させられた。
しかしながら、将棋指しとしての羽生善治と村山聖のプロデビュー時からのファンであった人間としては、二人の関係性の理解に関しては大きな不満が残った。映画の中では、村山は羽生にまるで片思いをしているやに描かれているが、安易な理解、若しくは少し観客の理解度を見くびっている様に思われて残念であった。
羽生は、村山を棋士として、自分とは異なるレベルの将棋の天才と捉えていたのは事実である。また、村山さんは年下なのに少年時代から羽生先生と呼び、才能溢れる同世代の中でも唯一絶対の尊敬すべき将棋を指せる棋士と見なしていたことは、交流あった棋士の証言から十分に判明していることである。
二人は、同世代で奇跡の様に存在した天才棋士同士なのであり、本当の意味での自分の棋譜の価値、凄さをを分かり合えた、唯一の存在なのである。村山聖は自分の棋譜をとても大切に考え、死期を知って出版を友人に依頼していた。その魂を込めた名局譜を他ならぬ羽生善治が解説している事実を、2人の関係性の理解のベースにして欲しかった。天才は孤独な存在であるのが常である。ただ、幸いなことに青春時代、二人にはもう一人の天才が存在した。そのことの素晴らしさ幸せを、村山聖は噛み締めていたと想像する。最大のライバルで倒すべき目標でもあった羽生善治こそが、命を削って産みだした自分の将棋の最大の理解者であろことを、村山聖は強く思っていたと推測する。だからこそ、羽生善治は村山聖にとって、きっと特別な存在なのである。
生きる事の不条理と真っ向から立ち向かった命…
神様って本当にいないんだろうなぁ…
自分だったらこんな風に生きられない…
でも、本当に命の期限が決まってたら、どんな生き方をするのだろう…と
昨年来たくさんの特集が組まれて、話題になった村山聖のたった28年の人生をベースに描かれた映画ですが、本当に壮絶で、生きる為に命を燃やし続けたという表現がぴったり当てはまるな…と感じました。
小さい頃からネフローゼを患い、自分の人生が短いと知っているからこそ、その短い時間を将棋というものに全てを賭ける…。
村山聖という人をさらに劇的に演じきった松山ケンイチも素晴らしいし、リリー・フランキーや柄本時生の個性あるキャラクターが、息の詰まる真実の物語と、人が生きて死ぬと言う壮大なテーマに少しの抜け感を作ってくれたのもとても良かったです。
劇中、聖が江川に「人はいつかは死んでしまう。いま僕らが考えなくてはならないのは、目の前の一手です」という旨の事を言いますが、死を意識しながら様々な人、将棋に真っ向からぶち当たっていく聖のセリフで1番頭に残りました。
こんなに壮絶な人生は送れないけど、生きる事には限りがあり、それは意味のあることでもあるし、もしかしたら本当に死んでしまうだけなのかもしれない。
限りの中で何を成していくか…ものすごく考えさせられる映画でした。
途中途中に、話の流れを暗示する情景描写や、聖が人として生きた事を描写する古本屋のエピソードなどが多数挟み込まれてて、大事な事なんだとは思うのですが…ちょい話を切り過ぎた感があるな…と思ったのは僕だけですかね…捉え方一つですが…
負けたくない。
原作は読んでいないが、鑑賞前にNHKの特集番組を偶然見た。
涙がポロポロと零れた。彼のことを全く存じ上げていなかった
私だがこんなに将棋が好きで好きで命懸けの青年がいたことに
驚いたし、その青年が最期のインタビューで見せた笑顔の裏で
相当悔しかった筈なのにあのコメントを言った事に恐れ入った。
正真正銘のライバルだった名人羽生善治との対戦も良かったが、
彼ら二人が腹を割って話す姿も印象的。心底負けたくないと言
い合う二人の対局をもっともっとファンは見たかっただろうな。
かなり太り役柄にアプローチした松ケンの巧さはもちろんだが、
ほぼ完コピした東出の羽生クローン演技も素晴らしい。いつも
大根演技と評される彼が今回はまぁソックリ!なくらい似てる。
何もかも違いすぎる彼らが将棋に関して瓜二つなところがいい。
それにしても私生活においての拘りを持つことはいいとしても、
もし村山君が身体のため食生活や飲酒癖を徹底管理していれば
もっと長生きできたかもしれないのに…と親目線で悔やまれる。
(NHKも再放送すればいいのに。彼の生き様がよく分かります)
娯楽作
鹿児島の駅ビルで見て来ました。
感想
あれでは病気になるよ。
食事はチェーン店の牛丼ばかり。おかしにもこだわりがあるようだ。おまけに酒は浴びるほど飲む。これでは体調悪くなるし、病気も進行する。「僕は、体が弱い。だから、運動ときちんとした食生活だ。」と、気を付けていたなら、もっと長生きできたのではないか。
主人公のお友達は、引退を考えた対局で小学生相手に負ける。途中、鼻血が出(なんで鼻血が出るんだ?、知恵熱のようなもの?)散々な結果だった。
僕はNHKでこの棋士のことを知った。
「羽生を苦しめた男がいるよ。でも、病気には勝てなかったんだ。」「よし、それを映画にしよう!」となり、映画化されたんだと思う。しかし、その肝心の主人公の映画中の描き方が、「病気になる」→「若くして他界」と、ただそれだけだった。反対に映画のストーリーとして面白かったのは、お友達の将棋人生だった。
やり方によっては、もっと面白い作品、訴えかける作品にできたのではないか。エンドロールが出たとき、「ふーん」と思うだけのただの娯楽作になってしまった。
強敵と書いて(とも)と呼ぶ。
将棋は遊びでやっている程度で入れ込んだことは無い。
なので素人ともいっても良いが、ここでは誰でも知っている羽生善治を通して将棋が「殺し合い」として描写されている。演じる東出昌大が羽生を完璧に自分のものにしているから彼の一挙手一投足を見ているだけで将棋を知らなくてもわかるのだ。
そして「死ぬほどくやしい」の台詞に妙な色気でグッとくる。その羽生がクライマックスで聖が不覚にも投了してしまったときにそっと涙をぬぐう姿が逆に聖のくやしさを表していて、その複雑な感情が観ている自分にもよくわかる。
そして、二人が見えるモノが何であるのかは知らないが、見とどけた気持ちにもなるのだ。
なぜ僕達は
凄い良い作品だった。
主役が、ここまでの決意を持って臨んだ理由がよく分かる。
天才・羽生善治と渡りあった男。
分かち合えた男。
物語としては申し分ない。
主役の役作りが物凄く綿密で…まるで聖が生きていたかのようで唸る。
死生観や、勝負の世界に棲息する覚悟や、その中でさえ戦友なのか仇なのか…それでも共有する絆とか。静かに、何も特別な事ではないかの如く語られていく。
最後の対局で見せた羽生の涙が、とてもとても印象的であり、この物語の終焉を告げていた。
良い映画を観せてもらえた。
人が最も幸せである時それは「何かに集中している時」との記述をどこかで読んだ。
この聖を観て、そうかもしれないと思えた。
目の前の一手以外は考えなくていい。
それに埋没してられる時間がどれほど幸福であるのか…そんな時間が持続していく事がどれほど幸福であるのか…そう思えたからだ。
冒頭、対局の合間にハイスピードのカットが差し込まれる。
同じ1分、同じ10秒のはずなのに…棋士とそれ以外とでは密度が違うのだと感じるとても優れた編集だった。
僕は泣けなかった
後ろの方で泣いてる人がいて、その人が羨ましかった
自分は泣けなかったからだ
物語の中に集中して入り込めなかったことが主な原因かもしれない
どうしても、現実の羽生善治や村山聖が脳裏にチラついてしまうし
将棋の対局のシーンでは「どんなことを考えて演技してるんだろう」「本物が考えていることとは全く別だろう」「本物の表情や挙動を見て真似ているんだろうな」
などなど、全くもって自分の、現実の将棋情報が、物語の中に入るのを邪魔していた
加えて泣けなかった理由の一つに村山聖の人間性そのものが、自分の中に入ってこなかったことがひとつあるかもしれない
というのは、確かにこの映画で、村山聖がこれまでどのような振る舞いを人に対してしてきたかというのは分かったのだ
あらゆる暴言、傍若無人な態度は少し目に余るくらいだったし、実際にそういう態度をとったからこそ、そういった表現がなされているのだと思う
しかし、彼が一人でいるときに
どんなことを考え、どんな感情で、何に向き合っていたのかは伝わってこなかった
彼が一人でいるときは
漫画を読んだり、将棋を打ったり、まあきっとそういうことをしたんだろうけど、本物の村山聖が、一人でいるときはどんなことを主にして、どんなことを考えながら生きていたのかは分からない
それは仕方のないことなのだけれど、そのせいか映画においての村山聖(松山ケンイチ)が他人の目を通して見た一人の【キャラクター】でしかなかったのではないかと、自分は見えてしまった
自分は毎週NHK杯戦を見るのだが、習慣的に将棋を見る機会がある人にとっては、あまりこの映画の中に入る(没入する)ことが難しいのではないかと思った
もし自分と同じような人で、感動して泣いたような人がいたら、ただ自分の感受性が腐っているだけなのかもしれません
生き様
将棋は子供の頃からやっていて大好きです。
テレビゲームもしますけど、なんだかんだでうん十年…一番遊んでるゲームだな。
松山くんが太りはじめてどうしたんだと思っていたら後でこの役の為だと知りました。
体型を変えて役作りができる人は凄いですよね。
東出くんの演技も仕草がそっくりで羽生さんとだぶって見えました。
もともとそういう性格なのか病気がそうさせたのか村山さんの一言一言は魂がこもっていて考えさせられました。
時が限られた人の想いは強いな。
羽生さんとの最後の対局で羽生さんが泣いてたのは実話なんだろうか?
あの涙はどんな涙だったんだろう…
もっと村山さんと深く深く潜り続けたかったのか?
それともこれが村山さんとの最後の対局かもしれないとどこかで悟っていたのだろうか?
羽生さんには村山さんの分まで将棋を指して欲しい、そして永世七冠を達成して欲しいです。
年配の男性がたくさん観に来られていました。 時折笑いもありましたし...
年配の男性がたくさん観に来られていました。
時折笑いもありましたし、上映後のお客さんの穏やかな表情が印象的でした。
畠田理恵さんについてほんのちょっと触れられていましたが、けっこうポイントだったんだとおもいます。静かで熱い作品。
柄本時生さんの、電話を受けた時の無言の芝居がずしーんときました。
爪はもっと汚くしたらよかったんじゃないでしょかね。のびてはいたけど、ネイルケアしたような美しさでした。
松山ケンイチの好演が光る
兎にも角にも松山ケンイチの素晴らしさが際立つ作品です。
顔だけじゃなく体の太り具合がでっぷりしていて作り上げてきた感がすごい。
前提知識がある程度ある人向けか。
題材的にそもそも興味のある人しか見に来ないからと切り捨てたのは、間違いとは思わないけど、
もう少し棋士の凄さ、7大タイトルの凄さ、そして羽生さんのもの(*10乗)凄さが分かるような表現でしたら
メリハリがついたかなと思います。
全体的に平坦です。
製作時期が感動ポルノが話題になった時期であった事が原因なのか、ストレートなお涙頂戴ものを
嫌がったのかもしれませんね。
ですが、おそらくこの作品を見たい人は、悲しき天才棋士。いや執念の棋士「村山聖」の人生に
涙したかったのでは無いでしょうか。
この人の人生は決して憐みや悲しみだけで泣かれる訳で無く、あの羽生さんと並び称された
類まれな棋士の人生の軌跡として賞賛の感動で涙できる作品に作る事も出来たと思います。
別に泣けるから良いとか、そういう事では無いですが、やはり感情を揺さぶられる作品を求めていますので
個人的にはこの題材で泣けないのかと残念でした。
冒頭にも書きましたが松山ケンイチをはじめ俳優陣はどの方も素晴らしい演技を見せてくれただけに実に惜しいです。
真剣での殺し合いのような
将棋に命を懸けたといえばかっこいいけれど、将棋に取りつかれて将棋しかできない将棋から離れることも逃げることもできない人たちの映画でした。
二十年前の話だから、美術も小道具も地味に古くて、生活臭がすごいのです。の汚部屋、錆びた軽トラと店舗、油染みた定食屋、黄ばんだ古本屋に爽やか看板娘。 旅館のきれいな障子と年季の入った襖、文字通り血と汗が染み込んだ駒。おじさん詰め込んで群れて煙草臭い控室。対局中の脂汗。
病気はあるけれどそれ以上に将棋しかできない村山さんは、無愛想で失礼でだらしないのだけど、周りのみんなが放っておけなくて助けてくれる、でも、やっぱり愛想なし。
羽生さん(役の東出さん)が、またおかしい。台詞は少ないけど扇子いじりの癖や貧乏ゆすりや目力、追い詰められて感情吹き出してる姿、勝ちにいく時の恐ろしい冷静顔、感想戦の自己解説。無表情っぽくて頭の中計り知れない天才のむき出しの感情や絶対理解できない怖さ全部見せてくれた、かも。
殺し合うような大局を何度も重ねながら、お互いろくに話もしない、差しで飲んでも話が弾まない、と、噛み合わない二人なのだけど、将棋の話になったときは、ラブシーンかとたじろぎました。
将棋の頂点に近いところまでいかないと、見えないものを二人で見ることができたのでしょうか。
ちょっと変わった棋士の伝記、じゃないです。将棋はいいぞみんなやろうぜ映画でもないです。闘病頑張る映画でもないです。 村山さんと羽生さんの殺し合い履歴見ながら緊張感満喫する映画です。 太ましい松山ケンイチ目当てでいいので、聖の青春見てください。胃がじりじりするよ!
爽やかに涙
最後に「原作を元にしたフィクション」とありますが、実話で行って欲しかった、最後の対羽生決戦が棋譜だけとった幻の棋戦になっているからなのでしょうか?そのままテレビ棋戦でよかったとおもいます、女子高生と鳥のシーンを省いて、代わりに棋譜読み上げの女流棋士を置いた方が明るさも出て真実を表せたのでは、実際の対局では敗戦後の村山九段、意外にさばさばしていて、それは「ポカで負けたけど、読み負けてはいなかった」の自信があったからでしょう。軽さと明るさが深い余韻を残すのではないでしょうか。
でも全体を通して其々の人柄の伝わる好い映画でした。
少し物足りん
盤面の描写が少ない。
盤を挟んでの2人の思考のぶつかり合いが見えてこない。
だから感想を言い合う居酒屋で「僕はあなたに負けたことが死ぬほど悔しい」という羽生氏の言葉にいまいちリアリティがない。
将棋好きのための別バージョンでも用意すればよかったのに…棋譜を読み上げるだけでも…
もう一つ。
多分お涙頂戴を避けたかったのだろうけど、あまりにも淡々としすぎていて、ドキュメンタリーを見ているような錯覚に陥った。
もったいない、と思う。
羽生との最期の対局が全て
膀胱癌の手術を終え迎えた羽生戦。命を賭けた戦いになる筈だが、すでに対局を行うというところで命を張っている聖にとっては、勝敗を超えた境地に入っていく。対戦するものにとってそれ程怖いものはない。羽生は勝ちはしたものの勝った気がしない筈。
将棋に対して何処まで命を賭けているかの勝負では聖が圧勝している。
聖の落手で羽生が勝つという結末は、取りようによっては非常にドラマティックなもの。
聖が格下の者でも分かる落手をしてしまう心境とは?緊張、気の緩み、?
あの場面の羽生は明らかに聖に怯えている。
私は、あの落手が聖が勝敗を超えた境地に入っている証であり、羽生と酒を交わしたあの晩の「2人しか到達出来ない深い海の世界」だったのだと思う。「もう帰って来ることの出来ないところ」。聖がその境地に達していることが分かるのは羽生だけ。自分が怖くて踏み入れない深いところに聖が行ってしまった。だが勝たないといけない。そういう風に描かれていたように思えます。
羽生との最期の対局にこの作品の全てが集結しています。感動のドラマでした。
とっても良かった!
すべての俳優さんの演技がとても良かったです。
ノンフィクション映画の手法で撮影されてる場面が多いので、風景による心情表現や時代の空気感描写など、ふつうの映画に慣れてる人には少し面倒くさい?回りくどい?感じ方もあるかも。
ただ、その撮影の仕方のおかげで、唯一フィクション感の強い羽生さんと聖の2人のご飯のシーンがよりファンタジックになり、果てしない将棋の思考の世界が幻想的に演出されて良かったと個人的には思います。
東出さんと染谷さんの演技だけで5点評価にする!!というくらい本当にうまかった。
柄本さんも良かった。
でもいちばん泣いたのは竹下景子さんの寝ながら泣くシーン( ; ; )あんなん泣くよ、、、
松山ケンイチさんは、彼の背負う村山聖の愛すべき人間味と死への切実さがあいまって、シナリオがすごいのか松山ケンイチさんがすごいのか分からなくなるくらいとにかく自然でした。結局いちばんうまかったということでしょうか。
すごく全部良かったんですけど、それまですっかり90年代の世界感なのに最後のエンディングソングで思いきりズッコケました、私は笑
嫌いな歌手ではないけど、声と曲が甘すぎませんか。
せめてコブクロ、思い切ってエレカシとか、クロマニヨンズとかアンマッチ疾走ロック方で行くか、ふつうに人の声のないクラシックとかで良かったんじゃないでしょうか。
でも違和感ない人が多かったみたいだから私がずれてるかな?
とにかく今年いちばん良い映画でした。
羽生さんファン、羽生世代棋士ファンとしては、ほんとに映画化してくれて有難う!!て感じです。
かなり期待値高かったのに、それを上回ってくれました。
お疲れ様でした。
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