湾生回家のレビュー・感想・評価
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もう少し一緒にいたい
書かれた文字や戸籍にそこに生きた人のおもいが閉じ込められていて、時を超えた対話が生まれていることが感じられました。生まれた街、育った景色、情報を膨大に永く残せるようになった現代こそ、人が懸命に生きた証を大切にする気持ちを忘れないようにしたいと思いました。清子さんとお母さんがつながれて本当によかった。
ふるさと台湾
敗戦後日本本土に引き揚げた「湾生」は引揚者48万人のうち20万人いたとされる。湾生という言葉すら知らなかったので勉強になる点が多く、親日とも言われる国だけあって、日本人に対する優しさも感じられた。それでも日本嫌いな人もいるし、霧社事件という悲劇も起こっている。
台湾で生まれ育ったのに、強制的に日本へ送り返された人にとっては台湾が唯一の故郷。映像でも郷愁を感じさせるシーンが多い。1985年の下関条約以降50年間日本が統治していた台湾。住み心地も良さそうだった。そんな彼らが引揚先もないまま日本に強制送還されると、焼け野原が待っていたという現実。戦争がすべてを引き裂いてしまったことも重くのしかかる。
何度もアニメーションが挿入されていますが、これがまた情緒ある絵でノスタルジック。いや、このアニメだけでも映画作れそうですよ。
台湾で生まれた日本人
日本が治めていた台湾で生まれた人を湾生といい、敗戦により日本に送還された。
湾生にとって台湾は生まれ故郷であり、蒋介石に追い出されたとはいえ郷愁は強い。
私は台湾に行ったことはないが、台湾の悪口を聞いたことがない。
望郷の念
やはり生まれ育った土地への望郷の念て凄いものがありますね。故郷を離れざるを得なかった方ならなおさらなのでしょう。
湾生の方々の台湾への想いと、台湾の暖かさ、日本統治時代への複雑な思いに涙が出ました。また、湾生の方の台湾への里帰りを通して、その方の日本に戻ってからの人生も垣間見る思いがして、思った以上に泣いちゃいました。
故郷の記憶
生まれ育った土地の記憶はいつまでも輝きつづける
苦楽を共にした友人、いつも遊んだ場所、故郷とは失わなければ気づかないかけがえのない場所なのかも知れない。
いつまでも当たり前のように存在しているかに思える事でも、意外と脆いのだと実感した。自分の地元を時間があれば歩いてみたくなりました。
今ある幸せを噛みしめて生きていこうと思える作品でした。
台湾の方の親切さや、母の愛など数多くのドラマが散りばめられ、いつの間にか泣いてしまいました。ドキュメンタリーで泣いたのは去年見た「二人の桃源郷」以来です、こちらもおすすめ。
劇中セリフより
「私の孫が『おばあちゃんの時代は選択しが少なかった、何がなんでも生きること。今は選択肢が有り過ぎる、それはそれで不幸だよ』なんて言うのよ」
贅沢な悩み、平和だからこその悩み、生きることに必死にならない事の不幸と戦争によって起きた不幸・・・幸せは何処にあるのか。
とりあえず今を笑って過ごせるよう努力していきたと思った。
感動の実話
中国残留孤児や北方領土の悲惨な話は有名だが、台湾から引き揚げた日本人の話はあまり語られることはない。この映画は日本統治時代(1895〜1946年)の台湾で生まれ育った人たちの話。台湾のドキュメンタリー映画だが、台湾好きなら、ぜひ日本人として見て欲しい映画。オススメです!
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