「圧倒的な怒涛のバトルアクション」アベンジャーズ インフィニティ・ウォー みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒的な怒涛のバトルアクション
面白い作品だった。冒頭から展開される惜し気もなく次から次へと登場する勇者達と最強敵との怒涛のバトルアクションに圧倒される。画面に釘付けになる。
今回、アベンジャーズが立ち向かう敵はサノス(ジョシュ・ブローリン)。彼は、6個全てを手に入れれば、強大無比のパワーを得られるインフィニティ・ストーンを手に入れる為、容赦のない殺戮を繰り返していく。アイアンマン(ロバート・ダウニィ・Jr)を始めとするアベンジャーズは他の勇者たちも加え、総力戦で応戦していくが、サノスの圧倒的な戦闘能力の前に苦戦を強いられる。そして、インフィニティ・ストーンは、一つ又一つとサノスの手に落ちていく・・・。
本作は、アベンジャーズ対サノスというメインストーリー(本流)と、仲間を加えたアベンジャーズ側の主要キャスト及びサノスのサイドストーリー(支流)が同時進行していく。そして、本流は、次第に支流と合流しながら荒々しさを増し、最後に圧巻の大激流となっていく。息つく間の無い程の激しいバトルの連続であるが、150分という長尺で悠然として物語は進行していくので、分かり難さはなく、見応えがある。
アベンジャーズ側の勇者の数が多く、群像劇のような醍醐味はあるが、個性的で魅力的な個々のキャラの掘り下げがイマイチ浅くなって迫力不足になっている。それに対して、敵であるサノスの方が存在感たっぷりに描かれている。悪の権化というだけではなく、超人としてのキャラが際立っていて、その生き様に、深み、厚みがある。完全にアベンジャーズを喰って、主役になっている。
本作は、アベンジャーズ・シリーズの一作品であり、次回作への布石を打つのは当然である。しかし、作品である以上、作品として自己完結していることが大切である。そういう意味では、本作のラストは、歯切れが悪く曖昧である。起承転結の起承転までは非常に面白い作品なので勿体ない。次回作に期待したい。