「国を継ぐ者」ブラックパンサー 悶さんの映画レビュー(感想・評価)
国を継ぐ者
【鑑賞のきっかけ】
2022年11月に入って、劇場公開予定作品情報として、本作品の続編が浮上。
ところが。
私は、第1作目を鑑賞していませんでした。
動画配信で、早速、鑑賞開始!
【率直な感想】
<なぜか注目していなかった>
「ブラックパンサー」の名前は知っていたものの、どういうわけか、私のアンテナからは外れていました。
マーベル作品は、熱心に観ている訳ではないのですが、評判の高いものや気に入ったものは、ずっと観ていたにも関わらず、「ブラックパンサー」は全くの埒外でした。
そこで、あまり予備知識を入れずに鑑賞してみたのですが、スタッフの大半が、「黒人」というのに驚きました。
ハリウッドの娯楽大作で、ここまで、「黒人」に焦点を当てた作品は、初めてと思われます。
でも、鑑賞後に調べてみると、「ブラックパンサー」は、コミックとしては、1960年代に登場以来、シリーズ化されて、米国のコミック好きには、結構人気があったようですね。
<冒頭の会話>
本作品は、冒頭で、父親と息子が会話をするシーンから始まります。
父親は、大昔にヴィブラニウムという鉱石でできた隕石が落下したアフリカに、その鉱石の力で高度の文明を持つ「ワカンダ」という国が生まれ、現在も「高度の文明」を隠しながら、存在していることを息子に語ります。
この時、この親子の姿は、闇の中で、誰か分かりません。
物語後半で、どの人物であったのかが分かるのですが、本作品には、この会話を交わす父子以外に、もうひと組の父子が描かれます。
本作品は、「ワカンダ」という国の未来をかけて、国王の後継者は誰になるのか、という部分が大きなテーマでもあります。
このため、父子の会話という冒頭は、本作品のテーマを示唆する重要なシーンと言えるかもしれません。
因みに、続編のポスターには、「想いは、受け継がれる」とあり、新作では、「ワカンダ」をどのように引継いでいくのか、深掘りしていく展開となるのでしょうか。
<スーツを着ないヒーロー>
本作品では、ブラックパンサーという黒のスーツを主人公が身につけて戦うシーンは、あまり多くないです。
「多く」はありませんが、もちろん、後半の見せ場では、スーツ姿で大いに戦ってくれます。
しかし、物語前半では、敢えて、スーツを着ないで戦う姿が描かれていて、普通は、ヒーローは、スーツ姿になって、初めて戦うものと想っていたので、そういう意味では、異色のヒーローものに感じました。
<カメオ出演>
今は亡き、スタン・リーのカメオ出演が観られるのも、本作品を観て良かったと想った瞬間でした。
【全体評価】
映像表現的には、マーベル作品らしいものですが、出演俳優さんの殆どが黒人ということもあり、これまでに観たことのないハリウッドの娯楽大作に仕上がっていたと思います。
次作にも期待の良作であったと感じています。