劇場公開日 2018年3月1日

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「人種差別撤廃を考える機会では使えないが内包したテーマはある」ブラックパンサー うにたん♪(新型コロナで映画館へ行くのに躊躇う)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人種差別撤廃を考える機会では使えないが内包したテーマはある

2020年3月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波、VOD

単純

丁寧に作っているのに、何か引っ掛かる…。
素直にヒロイックファンタジーを観られないのは年齢からくるものか?
人の世界は正統性などは大きくなった組織の中では何色にも変えられる。
ワカンダも同じ事であり、主人公たちの主張を素直に受け入れず、「裏はあるもの」と穿ってみてしまう。
これだけのオーバーテクノロジーがありながら、ここまで他国への侵略もせずにいたことに驚きを感じる。

と、こんな事を思うようになったら、このジャンルの作品を観られない。

世界を変える手助けと言う為にオーバーテクノロジーを欲深い先進国に教えるとその優位を失い、平和な関係性も早々に壊す輩が出てくるだろう。
「農業国に何ができるんですか?」と皮肉めいたセリフからグローバルスタンダードの中で先進国が有利を確定した状態から富や儲けを産み出して、「農業国」から食い物や資源を買い叩いてきた歴史から見ても、白人社会との争いは仕方ないものだと思う。
ギルモンガーの先制攻撃からのマウンティングでないと先進国に風穴を開けることは出来ないのかもしれないが、それでは人材を失ったり、力関係のみの支配しか作れず、延々と相手を押さえつけるしかなくなってしまう。

容易に解決しない問題がこの作品の根底に見える為、答え、アンサーを欲しがる私のような人間には曖昧さで終わってしまうとウーンと悩んだまま終わった気がした。

ヒーロー作品としては平均的なアクションで部族の衣装や戦い方など目新しさはあるものの飛び抜けた感じがなかった。

うにたん♪(DCPにも抜け穴あるんだ)