「今作もちゃんとヒーロー成長映画」ブラックパンサー シネマニアV3さんの映画レビュー(感想・評価)
今作もちゃんとヒーロー成長映画
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーの公開が迫る中、どうやって続いていくのだろうか、とういう事ばかり考えていた。そう、特にブラックパンサーというキャラに自分は思い入れはなかった。が、本編の3分の2あたりからどんどん面白くなっていったという印象。今作もちゃんと悩みつつも成長するヒーロー映画として成り立っていた。
ソーのような神話世界、ドクター・ストレンジで出てきた異世界ともまた違った舞台を楽しむことが出来た。今作で出てきた小国家をベースに国を背負う者の重み、その中で虐げられる者や犠牲、などをわかりやすく、片方に偏らない具合に描かれていた。王子でありながらも多少は感情移入できた。マーティン・フリーマン(絶対死ぬと思ってた)と、王子の妹と、護衛、良かったっすね!
世界では結構評価されているようで理由を調べて見たところ、かつては白人達よりもより発展していた黒人達の実際の歴史背景と現在の問題をうまく絡めているところも関わっているらしい。音楽や道具など、確かに納得出来る部分も多かった。それを考えたら納得できる部分も多いし、あの悪役もより共感出来るキャラに見えてきた。
世界情勢に関する良い勉強になったと同時に、それを汲み取る世界の観客の知的さ、日本の宣伝部のバカさ加減を実感した。(日本ではそういう深い背景には一切触れず、ヒットさせようと思いついた案は吹き替えにアイドルを起用。宣伝文句は「クールでスタイリッシュなヒーロー」wほかにもあっただろうが!)
少し苦言を弄するなら、夜のシーンは暗い!wせっかくのアクション、ドラマシーンがもったいなかった。
これまでヒーロー映画を見すぎてワクワク感は減ったが、スパイ要素や歴史要素もあり、バックががっしりした一本の映画として普通に楽しめた。インフィニティ・ウォーにも期待しよう。
82点!