「忘れてはならないもの」リメンバー・ミー しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
忘れてはならないもの
レンタルDVDで鑑賞(吹替)。
普段ディズニー映画は自発的には観ないのだが、会社の人から「これは泣けるから観て!」と強く勧められた。「そこまで仰るなら…」とちょっと興味が湧いたので観ることに。
メキシコの日本で言うお盆に当たる死者の日には、ご先祖様が家族の元に帰って来ることが出来るがそれには条件があり、祭壇に写真が飾ってあることが絶対に必要になる。
写真も無く、人々の記憶から完全に忘れ去られてしまった時に、死者は「二度目の死」を迎え、死者の国からも消え去ってしまう。なんともシビアな設定だなと思った。
私たちがこうして生きていられるのは、ご先祖様から繋がって来た命や想いの結晶なんだと感じた。つい先日、大好きな祖母を亡くしたばかりだったから、余計に沁みた。
幼い頃、両親から曽祖父母の話を聞く機会があった。私もいつか出来る我が子に祖父母のことを話そうと思う。実際の記憶は伴わなくとも、心の中で生き続けるだろうから。
家族が忘れない限り、その想いは永遠に繋がっていくのだろう。離れていても、忘れないで。「リメンバー・ミー」の歌詞にこめられたものを思い出すと、今でも泣きそうになる。
ミゲルの家庭で音楽が御法度となった背景には、ヘクターが去ったことにより音楽を避けるようになったイメルダを見たココが、母の心情を子供なりに察し、大好きな父親と音楽を嫌いになったと云う風に振舞ったからではないだろうか。
それから連綿と「音楽はダメだ」と云う上辺だけが受け継がれ、本当の想いが置き去りになってしまったことで、誤解と擦れ違いが生まれたのではなかろうかと推察する。
1年後の死者の日に、ヘクター、イメルダ、ココが3人揃って花びらの橋を渡る時ココはおばあさんの姿だが、どんなに老いたとしても親にとって子は子なんだなとホロリとした。
[以降の鑑賞記録]
2024/07/19:金曜ロードショー
※修正(2024/07/19)