「ヒーローは要らない。」スター・ウォーズ 最後のジェダイ ちゃーはんさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒーローは要らない。
映画レビューとして、外れてしまうのかもしれないが、自分にとっては深く刻まれる内容だった。
今の自分のスタンスを変えなくてはいけないのかもしれない、と思うほどに。
組織力を重視するなら、ヒーローは要らないし、居てはいけない。一見分からず屋のレジスタンスのレイアたち上層部は、あらゆる状況を把握した上での判断を下している。
若くて感情剥き出しの隊長は、目先のことを考えて、指示を無視して行動する。上司だからとか、リーダーの考えは絶対であるとか、そんなことは関係なく、独断で行動する。
たしかに、ポーやフィンが何もしなかったほうがよかったのは、観た人ならすぐ分かるだろう。素直に上の言うことを聞いていれば、助かった命はいくらでもあったはずだ。
正義を貫くことは多大な犠牲を生んでしまうことがある。感情で行動していいときと、そうでないときの見極めは、やはり理性的に行わなければならない。特に組織に属しているのであれば。
自分はポーやフィン側の人間なので、とても心が痛んだし、正義や心を大切にすることがすべてではないと思えた。シリーズを通して、ジェダイが非人間的であることと同様に、スターウォーズとは、単なる善と悪の対立する話ではない。その深さをまた味わえた。
個人的にこんな見方をしてしまったが、やはり画には風格があり、そこらへんの映画との格の違いも見せつけられた。内容に関しても、出し惜しみの無い、山場の連続で、満足できる内容だった。
ネタバレになってしまうが、あのおばさんの特攻は痺れたし、ルークの最期には相応しい演出、2つの太陽が沈もうとするシーンは4との対比になっていた。
もしかしたら、自分にとって、スターウォーズの中で最高傑作かもしれない。それは、今自分が置かれている状況に投影できたからだとも思う。