「今度は戦争だ!といわんばかりのシリアス編」スター・ウォーズ 最後のジェダイ りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
今度は戦争だ!といわんばかりのシリアス編
外伝の『ローグ・ワン』を挟んで、前作『フォースの覚醒』から2年。待ちわびました。
フォースに目覚めたレイ(デイジー・リドリー)は、ジェダイの生き残りルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)と出逢う。
一方、最高指導者スノーク(アンディ・サーキス)率いるファーストオーダーの猛攻はさらに厳しくなる・・・
と前作の直後から始まる物語。
なので、「ジャジャーン」とテーマ曲が響いたあとにメインタイトルに引き続いて宇宙の彼方へ飛び去って行く序文の内容は、ほとんどあってなきがごとし。
『スター・ウォーズ』史上、もっとも意味のない序文かもしれないなぁ、なんて思っていると、画面はお約束のパン・ダウン。
そして、一気のスペースアクションになるのだけれど、その前に、レジスタンス軍のポー・ダメロン大佐(オスカー・アイザック)が敵方ハックス将軍(ドーナル・グリーソン)をからかうお笑いがひとくさり。
今回は、笑いの要素が多い。
それは、たぶんに「戦争」のシリアスな側面が多いからかもしれない。
冒頭のアクションシーンをはじめ、レジスタンス軍が自らの命を投げ出す特攻シーンも多く、そんな特攻戦士を直前まで写したりもする。
さらには、戦争を尻目に豪華な賭博場に集う紳士淑女然とした人々。
彼らの素顔は武器商人。
ファーストオーダー軍にもレジスタンス軍にも武器を売って儲けている。
その陰で、搾取される名もなき者たち・・・
戦争は、起こってしまえば止むことはない。
延々と果てしなく続いていく。
それは、フォースの光と闇の間を行き来するジェダイの姿に似ていて、レジスタンス軍を指揮するレイア・オーガナ(キャリー・フィッシャー)を母に持つカイロ・レン(アダム・ドライヴァー)の姿にも似ている。
光と闇、強さと弱さ・・・対立するふたつの間を行き来する。
それは、宇宙をミレニアム・ファルコン号で自由に行き来する男、父ハン・ソロを自らが殺した報いのようにも見える。
ルークにベン・ソロと、本当の名前で呼ばれる姿は象徴的でもある。
レイと精神感応し、スノークを斃してファーストオーダー軍の最高指導者になったカイロ・レン。
さて、どのような決着をみせるのか、始まってしまった戦争をどのように終わらせるのか、最終話エピソードIXがいまから愉しみですね。