「マニアより一般客」スター・ウォーズ 最後のジェダイ バラやんさんの映画レビュー(感想・評価)
マニアより一般客
普通に面白かったです。2時間半という尺を退屈せずに過ごすことができたということで、娯楽映画としてはこれで正解ということだと思います。
ただ、それがSWとして正解かというところで意見が分かれるところなのだろうと。
必要以上に説明的なのも、そういうことだと思います。難解なのがSWの魅力のひとつなのですから。
結局ディズニーは、SWマニアを喜ばせることよりも、話題を大きくして、よりたくさんの一般の人を楽しませようという、大企業として正しいことをしているだけであり、ジョージ・ルーカスのプライベート企業であった頃と同じことはできないということなのだと思います。さみしいですが。
以下はとりとめもない感想。
・ローグワンからの特攻美化の引きずりがパない。とにかく印象的な美人が出てきてはヒドい死に方をする(桂正和のゼットマンみたい)。ただ、ブスはムリやりにでも生き残る。レイアは加齢により劣化したから生き残ったのか。
・メインキャラの小物感がパない。4~6は若者達が伝説のヒーローになる物語であり、また、現実にも役者がスターになるプロセスがシンクロして社会現象となった。1~3はジェダイ最盛期を描くものであり、超人達の物語である(ルークも実力的には彼らに遠く及ばない)。説得力をもたせるため、役者は新人も含め最高の人材が選ばれた。だからキャラがみんなカッコいい。が、今回の7~の話はそこまでの力はない人達の話のため、人間味のある役者ばかりがチョイスされたと思われるが、それが新シリーズ全体を盛り下げているように思える。
・ルークはレンを殺そうとしたのではなく、怯えのあまり思わず剣を出してしまった、程度の描写だと思ったのですが。
・それにしてもレイの強くなるスピード早すぎっ。レンもヘタレすぎ。スノークやファズマ弱すぎっ。レジスタンスも少人数すぎっ(しかも精鋭でもない)。ポーも前回のカリスマ性は全くなく、フィンも前回のヒーローからパシリに逆戻り。これじゃカタルシスが生まれない。
・ギャグを入れるテンポ早すぎっ。緊張感が台無しに。しかもほとんどすべっている。
・新登場のクリーチャーがどれも微妙。創造性のカケラもない。特に氷のキツネみたいなのはもうSWのキャラではない(永野護のファイブスター物語に出てきそう)。
・ファンの予想をいかに裏切るかに注力し過ぎ。どんでん返しの連続でストーリーを作ってるみたいで、退屈はしないがその分、感動が薄い。
以上、長文、駄文、失礼いたしました。