「スターウォーズじゃない!」ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー kihakuさんの映画レビュー(感想・評価)
スターウォーズじゃない!
残念な作品だった。
本作は、これまでの「スターウォーズ・サーガ」(SW-Saga)とは、明らかに世界観の異なる哲学や論理で構成されている。陰謀、裏切り、背信、そして絶望・・・「アナザー・ストーリー」とは言え、本作は、「SW」を名乗らない方が良かったのではないか。否、はっきりと「SWじゃない!」と言うべきだろうか?R2-D2やC-3POなど、お馴染みのキャラクターが登場するシーンに喜びを感じはしたものの、最後に登場するレイア姫の台詞「Hope!」はあまりにも白々しく、落胆したのは、私だけではないだろう。
ご存知の通り、SWの土台となっている「神話」で描かれる世界は「なんでもあり」であり、否定するものや行為は何もない。とは言え、これをSWで描く必要があるのだろうか?今のところ「デス・スター」は存在していない(と信じたい)が、本作で描かれている状況や人間関係は現代社会にも存在するし、それゆえの苦しみに共感する人もいるとは思う。しかし、陰謀、裏切り、背信行為などは「必要悪」という理屈で正当化される・・・そんなSWを見たいと、映画ファンは求めているのだろうか。少なくとも私は"No!"だ。ジョージ・ルーカスがSWをディズ二ーに売却してからというもの、明らかにSWは変わってしまったように思う。
本作は、私にとって2017年最初の映画鑑賞だったが、年末の「エピソード8」には期待したい。