「傑作であり、ある意味危険な映画」ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー たまさんの映画レビュー(感想・評価)
傑作であり、ある意味危険な映画
新たなる希望の前章譚であり、後付けの映画である。そのため、つっこみどころはある。がしかし、私は傑作である、と思う。映画の仕上がりは、アービンカーシュナー作の帝国の逆襲に比肩する。映像技術の進化、脚本の巧みさなどを考慮すれば、それ以上ともいえるか。
スピンオフ作品であり、本サーガとは作品を覆う空気感が違う。去年のエピソード7もまた、4〜6作とはまた違うシリアスな空気が存在した。が、今作はさらにシリアスな戦争状態、を映像の空気に纏わせている。
ギャレスエドワーズは、スターウォーズを自らの手に引き寄せ、深く濃厚に味をつけ私達に差し出した。その手腕には拍手を送りたい。
ラスト近くに至り主人公たちは、次々と戦禍に倒れ無残に散っていく。胸がつまり、涙まで溢れそうになった。私はここがある意味、危険な映画だ、と観終わったあとに感じてしまったのだ。滅びの美学という言葉さえ思い出した。自己犠牲を厭わず主人公たちは、反乱軍の目的の為に死んでいくのだ。ここに感情移入してしまうように、この映画は作られている。いや突き詰めてしまえば、スターウォーズは戦争映画だ。しかし、かつての作品群にはここまでの悲劇的な空気はなかったのではないだろうか。エピソード3の悲劇性とはまた違ったもの。名もなき人々が倒れていくラストに至る戦闘シーンは、あのプライベートライアンさえ想起させるものが私にはあった。エンタメ映画なのだから、そこまで考察しなくてもよいのかもしれない。希望を後世代に託し、自らは倒れていくその物語に感極まったことが、どういう意味を持つのか、ちょっと整理しきれない思いにとらわれてしまう。危険な、と表現したのは整理しきれない思いを持ったからであり、作品の評価をおとしめるものでは決してない。
ルーカスが作り出したスターウォーズという作品、生み出したキャラクターたちは素晴らしく強固である、と改めて感じ入った。今作、必見の映画であることは論を待たない。
Moiさん
こちらこそ共感、コメントありがとうございます。
ローグワン、本シリーズのスターウォーズとあまりに空気感が違い、初見驚きました。
なるほど、クリエイター、戦争描写がリアルすぎる…わかります。なるほどなぁ、確かに。共感です。
こちらこそ宜しくお願いします🙇🏻♂️
こんにちは。共感とフォローありがとうございます。
ローグ・ワン スピンオフ作品の
中では出来映えも素晴しく私も一番好きです。レビューににお書きになっている通り、ギャレス・エドワーズ監督はリアルな戦争描写を本作に取り入れてましたね。それが賛否両論になったのは事実です。次作のザ・クリエイターが今一と感じさせるところは戦争描写がリアル過ぎるところなのです。
共感、コメントありがとうございます。
おっしゃる通り。本シリーズの数行のセリフから生まれたスターウォーズ映画でありながら、空気感は違いますよね。
名作、まったく同感です。
また観たくなってきました。