「エンディングにback numberという周到ぶり」ぼくは明日、昨日のきみとデートする マトレーさんの映画レビュー(感想・評価)
エンディングにback numberという周到ぶり
切ない。
小説を読んだ時から強く感じていたことだけど、この作品は終始切ない雰囲気を纏っています。
それは主人公二人が楽しそうにデートする中にもあって。
この作品の根幹にあるギミックがその作用を働かせているのですが、描き方がとにかく上手い。
二人が会ってる時間に起こり得る矛盾や不思議を表現するのが絶妙だし、それが物語の後半で感情の渦を巻き起こし一気にこちらに向かってきます。
正直言って荒唐無稽なファンタジーだという印象を小説の時から感じてはいました。
しかしそこで芽生える刹那的な想いに燃え上がるのではなく、それ以前から二人の中にずっと特別な時間が流れていることに心が震え、運命に振り回される二人があまりに純粋かつ人間的であることにただただ僕の心はのめり込んでいくばかりでした。
それから、小松菜奈ちゃんが最高に可愛い。
小松菜奈という素材に三木監督の光の使い方が掛け合わさればそりゃ最強になるわけです。
ミステリアスな役も実際の彼女から感じる雰囲気とリンクしていて自然でした。
最後に、弱りきったところに追い討ちをかけるように流れるエンディング、back number『ハッピーエンド』。
この映画に彼らを起用したことがまず正解。
そしてこの曲を書き下ろしたバンドの求められたことへの正確な回答は凄まじいです。
「切ない」という感想が一番に出てくるこの映画のテーマソングとしてこれ以上はないです。
毎年数多く消費される恋愛モノの中にも1本や2本は素敵な作品が紛れていますが、この作品もその1つであることに間違いはないと思います。
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