レディ・プレイヤー1のレビュー・感想・評価
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よくもまあこんな映画つくる国と・・・
カンヌやアカデミー外国語映画賞のような大きな受賞作品には、普段そういう映画を見ないような裾のコンシューマーが群がる。
万引き家族やドライブマイカーなどに、一定の酷評があつまるのは、そういうわけ。
最高の映画としてアベンジャーズやフリーガイを推しているタイプの人が万引き家族やドライブマイカーを見たって、アベンジャーズやフリーガイのような満足感は得られない。
あたりまえである。
もちろんアベンジャーズやフリーガイはすばらしい映画だが、そういうブロックバスターとアートハウスを比較するのは、ステーキとお茶漬けはどっちがおいしいか決めてください──というようなもんである。
ここのところ連日出ていたカンヌ映画祭(2022/第75回)関連のニュースに、トップガンマーヴェリックに比べたら是枝作品はつまらない──というコメントを見かけた。
日本映画をけなすことが多いわたしでも、ハリウッドのアクション映画とアート映画を比較して、どっちがおもしろいかの争議にはくみできない。
でも、映画をどう見ようと観衆各々の勝手である。
とうぜんトップガンマーヴェリックとベイビーブローカーを比べたいなら比べていい。
アメリカではブロックバスターとアートハウスの境界があいまいになってきている。たとえばエターナルズを監督したのはノマドランドのクロエジャオだ。
おそらくアメリカではアートハウスだからつまんないという言い訳はできない。民衆が是枝作品とトップガンを比較するのは想定内とみるべきだろう。
とはいえ万引き家族やドライブマイカーがマーベルスタジオやDCコミック映画よりつまんないというリテラシーには、違和感をおぼえる。
レディプレイヤー1が公開されたとき、絶賛されたのと同時に、この面白さに比べて日本映画はなんとショボいことだろう──という嘆きのコメントをけっこう見かけた。
わたしはそのコメントに賛同するが、やっぱりステーキとお茶漬けだとは思った。
日本映画のクオリティが総じて低いのは、いまや国民の誰もが知っている。
しかしだからといって日本がレディプレイヤー1を目指したら、んなもん100パー無理なわけである。
アメリカの大資本および体系的な技術習得のプロセスと日本の家内制手工業な映画づくりを比較しても、ぜんぜんかなわない。
また、日本映画界には、ひとつの大きな誤解がある。
日本では監督に「天才」とか「鬼才」の呼称をもちいることが(とても)よくある。
が、映画づくりには天才も鬼才もいらない。
しっかり学んだ技術者がいればいい。
スピルバーグは天才だっただろうか。ちがう。CA州立大で映画を専攻しユニバーサルスタジオに居候して職人技術を学んだ映画オタだった。
畢竟、日本映画界にたいする観衆の注文は極めて単純なものだ。
天才も鬼才も要りませんので技術学んで下さい、の一言に尽きる。
──
カンヌ映画祭で是枝裕和監督の韓国映画「Broker」(邦:ベイビー・ブローカー)が上映され12分間の拍手をあびたとの報道があった。結果としてBrokerはソンガンホが主演男優賞を受賞し、作品はエキュメニカル審査員賞にかがやいた。
その前後の会見や取材で是枝監督が語った発言が興味深かった。
『(中略)その上で「ただ、日本の中で訓練を積んでいないのは役者だけではなくて、監督もそうだから。僕も、やっぱり専門的な演出を学んで映画を撮っているわけではないので。それも、また海外と比べると、すごく少数派なんですよね。やっぱり海外の監督たちは、きちんと技術を学んで監督になっているから」と、日本は俳優だけでなく、監督も演出をはじめとした製作における専門的な技術の訓練が足りない面があると指摘。「そこも、やっぱり自分では考えなければいけない。役者の技量の問題ではなくて、監督がきちんと役者と一緒に映画を作れる、コミュニケーション出来る言葉だったり技術だったりを、僕自身もそうですけど、身に付ける必要があるなと改めて思いますけど」と持論を展開した。』
(日刊スポーツの記事より)
さらに──
「(中略)でも、それは監督だけでは出来ないので、日本の映画界全体が危機感を持つべきだと僕は思いますし、多分もう何年かこのままいくと手遅れになるなと個人的には思っていますので」
とも述べた。
発言のポイントは『僕も、やっぱり専門的な演出を学んで映画を撮っているわけではないので。』や『やっぱり海外の監督たちは、きちんと技術を学んで監督になっているから』というところ。
概して日本の映画監督は独善/自己流で映画をつくり、それをマーケティング担当者が「天才あらわる」と喧伝する。
日本映画界では「天才・鬼才」がセールストークとして使われているのだが、当の本人は自分をほんとに天才や鬼才だと信じているため、技能を身につけようとしない。結果、じっさいに競争力をもった人物は一人もいない。
にもかかわらず日本ではなおもその方法/因習で映画をつくろうとしている。
すなわち「きちんと技術を学」ばず①独占と自己流で映画をつくり②マーケティングが「天才」とはやしたて③数年後あとかたもなく消える。この③ステップが日本映画界の悪循環になっている。
だからこそ是枝監督は『多分もう何年かこのままいくと手遅れになるな』と述べたのだが、現役の映画人として、これほど自省・自戒な発言を聞いたのははじめてだった。と思う。
民衆が「日本映画はダメだ」と思っているのに反して、日本映画界は、あんがいこたえてない。
かれら(日本の映画監督)は得体の知れない気どりを持ち、庶民を顧客としながら、庶民をないがしろにしている。それでいながら称揚にあずかろうとする強い承認欲がある。──日本の映画監督の定番のポーズではなかろうか。
だいたい日本で謙虚な映画監督を見たことがありますか?・・・是枝監督のように、危機感や自省をもっている人はきわめて少ないだろう。
いま日本映画界は映画そのものの話題はなく、セク/パワハラで監督自らがエンタメを提供する業界と化している。
クリエイターに是枝監督のような自分を省みる人物がほとんど居ないならば、嫌われるのも当たり前だろう。
結果、すぐれた外国映画に接するたびに、そんな日本映画界との格差を憂えるのは、とうぜんだと思う。
じぶんもレディプレイヤー1を見たときは圧倒された。予算とか視覚効果とか、それ以上に観衆を徹底して楽しませようという意欲と技術的な特異性がまるでちがう。感動すると同時に、ほんとに日本映画を情けなく思わせる映画だった。
ステーキとお茶漬けは比較できない別物だが、根底にある技術、それを磨いているのか・怠っているのかは食ってみりゃわかる。
(解りにくい話だったかもしれませんが、是枝監督のように自分を省みることのできる人でないと日本映画界はもう無理だろうなという話でした)
レディプレイヤー1が大ウケした最大要因は良き仲間への憧れだったと思う。
仮想空間で協力プレイの相棒をみつけても一過性のものでしかない。また(じぶんが知る限り)ゲーム内はもっと殺伐としている。ましてや現実でわたし/あなたを助けてくれる仲間がいるだろうか。
ウェイドがパーシヴァルであるように、叶えられなかったことをタイシェリダンが叶えてくれる「体験する」映画だった。
ひたすら圧倒されたとき、なんどか使ってきた常套句だが「よくもまあこんな(映画つくる)国と戦争やったもんだ」である。
ワクワクが止まらない熱い映画
近未来起こるかもしれない、デジタルな仮想世界の映画。
登場人物の個性が活きている面白い映画であり、謎解きやアクション、恋愛等の要素が多く、ワクワクが止まらなかった。
私は特に、謎解き要素が好きだ。
まだ終わって無いと主人公が気付くところは熱かった。
しかし、ガンダムなどの映画とは関係のない現実のキャラクターが登場するところはつまらなくなるからやめて欲しい。
スピルバーグの自分史を織り込んだ私的なSF
待ってました!これだよ、これ!と心の中で叫んでしまった。期待以上の作品だった。久々にスピルバーグ監督の映像魔術の術中に完全にはまってしまった。本作は、円熟味を増したスピルバーグの想いが込められた深みのあるSFアドベンチャー作品である。
本作の舞台は、2045年。人々は、荒廃した現実世界を逃避して、オアシスと呼ばれる仮想世界でアバターとして自由に生きることに救いを求めていた。そのような状況の中で、オアシスの創始者であるジェームズ・ハリデーは、遺言として、オアシス内に隠したイースターエッグを探し出した者に莫大な遺産とオアシスの所有権を与えると宣言する。人々はイースターエッグの在処の謎を解く3つの鍵を血眼になって追い求めていく。主人公の高校生・パーシヴァルもその一人だった。彼は当初は一匹狼だったが、次第に仲間を増やし、エイチ、アルテミス、ダイトウ、ショウという仲間と共に、イースターエッグに迫っていく・・・。
なんといっても仮想世界の描写が圧倒的である。宝石箱から宝石が溢れるような過剰さで、スピルバーグ監督の溢れ出す才気をそのまま映像化した感がある。抑制、整理などというケチな手法は捨て去った潔さが心地良い。映画ファンには堪らない過去作やキャラクターをふんだんに盛り込んだ、スピード感溢れる圧倒的な映像に酔いしれることができる。荒廃した現実世界との対比が鮮明であり、主人公たちがオアシスに心酔する理由が得心できる。映像ばかりではなく、ストーリー展開もしっかりしている。過剰な映像情報を手際よく捌いて纏めていく手腕はさすがスピルバーグ。仮想世界でのド派手なアクションで謎を解きながら核心であるイースターエッグに迫っていくプロセスは、傑作冒険活劇インディ・ジョーンズを彷彿とさせる。
本作は単なる仮想世界を舞台にしたSFアドベンチャー作品ではない。スピルバーグは自分自身を見つめている。ストーリー展開は、スピルバーグの自分史そのものである。オアシスに熱狂する主人公は若き日のスピルバーグである。本作で登場する過去作やキャラクターは、スピルバーグが出会って影響を受けた作品、キャラクターである。そして、ラストシーンのメッセージはスピルバーグが様々な人生経験を経て辿り着いた枯淡の境地である。バーチャルリアリティが未来を担う最先端技術として持て囃される現代であればこそ、温かく味わい深いメッセージとして心に響く。
このメッセージに出逢うために、今まで私は彼の作品を数多く観てきたかもしれない。そして、これからも、このメッセージの余韻に浸りながら彼の作品を観続けるだろう。
もうフィクションではない
2022年現在、メタバースってもう始まっているらしいので、もはやフィクションではないと思いながら観た。
ゲームの世界の中だけでも、ヒーロー軍団が金の亡者を倒して自治できることになってヤレヤレだった。
仮想現実の必要性
「グーニーズ」が好きな人には刺さる。「竜とそばかすの姫」の元ネタの一つかな。
有名キャラ大渋滞
あったら楽しそうな世界
VRの世界でなりたい自分になれ、エッグを探すための鍵を探し出すストーリー。
3Dが多いのを知らなかったので少しびっくりしたが、
映像綺麗だしよくできていた。
有名な映画やアニメなどの作品がたくさん出ててきて面白かった!
後半にかけてだんだん盛り上がっていき、IOIとの戦闘シーンは楽しかった。
ラストコイン一枚使って掲示板?に名前が復活したところは謎だったが、面白かった!
年齢問わず楽しめたのは意外
小ネタが面白い
ゲームの世界の話。
グラフィックがすごい!
主人公はちょっとオタクな普通の男の子だが、そのオタクっぷりでコンテストをクリアしていく。実世界を牛耳る巨大企業でもクリアできないのを出し抜いていくのが面白い。
一番は色々なキャラクターが出てくるところ。ゴジラやガンダム?や波動拳が出てきたところも興奮した。
マニアックなものから誰もがわかるあのキャラまで映画ネタてんこ盛りで...
マニアックなものから誰もがわかるあのキャラまで映画ネタてんこ盛りで楽しい。
親指を立てながら沈んでいくシーンを見てオッサンの感覚からすると、観ていない人はいないハズのT2も1991年の映画だから若い人は知らないのかもしれないなと、思った。
自分はバカルー・バンザイを知らなかったので。
終盤カーチェイスというかクルマ体当たりくらいからラストまでがちょっと間延びして見えてしまった、その直前までがすごく勢いあったから。
ジャパニーズびいき
メインチームに忍者、サムライ
主人公はFFに出てきそうなルックス
AKIRAの金田のバイクに、春麗
最期の方の対決には
ガンダムにメカゴジラ
波動拳も
ジャパニーズサブカルチャー満載!!
メッセージは、
バーチャル世界もいいけど
リアル現実を。
エヴァに通づる
実質,既にこうなのかも.
VRというデバイス観点で見ると,いやいや…となる場面も多い本作品ですが,実質的には既に充分こうした世界観の上に我々は暮らしているのではないか,ということを考えてしまう作品です.いや,むしろそれが言いたいことなんでしょうね.
たとえば借金のカタにVR奴隷にされる,なんてシーンについて,VRで爆弾を埋めるなんて強制労働を見ていやいやそんなことあるかと思ってしまいます.しかし,退屈で生産性のない作業を,UIばかり洗礼されたソフトウェアによって,さも有意義なように「させられている」ことなど,今の社会の有様なのではないでしょうか?
というのも,ここ最近我々はDXだのなんだのと,ITという手段を目的にしてしまい,目的がなんであったのかを忘れてしまいがちです.私たちはバーチャルに対して,リアリティや効率化などを盲目的に期待し要求してしまいますが,それは一体なんのためになのでしょうか?
そうした観点では,本作品は本質的には近未来なんかではなく現代を描いたもので,ネットに支配されるのではなく,手段としてネットの良い部分と共生しながら,目的である人間性を忘れずに生きていこうと,そんなメッセージを感じるものでした.
ところで,悪役ソレントおじさんの残念さについては,批判するよりも自分がそうならないか恐ろしく感じさせられるものです.ソレントさん,儲けることに必死のピュアなサラリーマンなんですよね.なので本作品で一番可愛そうなのは彼で,明日は我が身のように感じてしまいます.
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