劇場公開日 2018年4月20日

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「ストーリーはオマケ」レディ・プレイヤー1 Spiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ストーリーはオマケ

2024年1月26日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

正直メインストーリーはご都合主義すぎて面白いとは思えなかった。
権力、財宝を欲にまみれた奴らを抑え純粋にその世界を愛してる者が手にするという流れは手垢の付いた王道すぎる流れ。もっともこれすらも夢のチョコレート工場のパロディという声もあるが、映画のメインストーリーを他の映画のパロディにしていたとしたらなお悪い。
他にも何千何万のプレイヤーが見付けられなかった謎を主人公が解くのだが、かつて大勢の人が入り浸っていた場所に堂々とヒントがあるのに誰も気付かない。大企業の社長が金のために堂々と住居を爆破、殺人をするなどストーリーの理由付けが全く出来ていない。パロディ映画だから細かい設定なんてどうでもいいと作られたのだろうか。
最終的には金目当ての悪者からゲームの世界を守るという流れがいつの間にか現実の世界を充実させることが大事という結論になるのだが、これも結局はたまたま知り合ったプレイヤーがいい人ばかりで、たまたま大金を手に出来て、たまたま可愛い彼女が出来たという幸運の上だけで成り立ってる結果なのにそんな教訓のようなオチを持ってこられても心に響かない。

この映画にパロディ要素が無かったら全くと言っていいほど魅力は感じられない。ただ、逆を言えばパロディ、オマージュを探すというだけならこの映画の評価を見直すほどのワクワク感は得られる。
やはり自分が知っている作品のオマージュを見付けられたらテンションは上がる。もちろんこの映画を見たきっかけはそういう色々なキャラクターが出るという触れ込みなのだが、個人的に一番衝撃を受けたのがシャイニングの映画のホテルの中に入り込めるシーン。VRが発展したらFPSやらスポーツゲームなんかよりもこういうのに憧れる。ニコルソンではなく肉が腐るババアに襲われるという原作ぶち壊しの展開ではある(ただしこれは俳優の関係で仕方ないのかもしれない)が、このシーンが見られただけでもこの映画を見て良かったと思えるほどの驚きだった。

いっそのこと悪者からゲームの世界を守るだのリアルの生活が大事だの中途半端に現実とVRを交差させようとせずに、VRの世界でいざこざがあってそれを解決していくという流れにしておけばネバーエンディングストーリーのような名作っぽい雰囲気になれたかもしれない。

Spi