劇場公開日 2018年4月20日

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「スピルバーグだからこそできる、お祭り。」レディ・プレイヤー1 NandSさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0スピルバーグだからこそできる、お祭り。

2023年4月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

興奮

幸せ

前提として
・2回目
・スティーヴン・スピルバーグ監督の作品はいくつか視聴済
・スタンリー・キューブリック版『シャイニング』は視聴済

小ネタの宝庫。
いわゆる"ポップカルチャー"が好きな人には一枚一枚の画だけでも興奮できるはず。
版権使用料どうなってんの??
オタクの力試しにも良いかもしれない。

描いていることは、今までいくらでも語られてきた普遍的なもの。結末だって分かりきってるかもしれない。
けれどもこの壮大さ。この所々見える、現実に完璧なまでに近い近未来。オアシスという理想を突き詰めたゲーム空間とVR。
細かい部分に技巧やらこだわりやらが詰め込まれていて、これが最高に良いのです。
"オタクが世界を変える"系のストーリーも、細部をここまで突き詰めれば傑作に変わる。

そして、本当に描きたかったのは"現実を変えるには現実に挑むしかない"。どれだけ理想的な世界を創り上げた偉人でも、現実への後悔を拭いきれなかった。
モローへの後悔が個人的には刺さる。そして恋人への後悔。
オタクじゃなくてもぶち当たる壁じゃない?

傷とかコンプレックスとかみんな持っているけど、そんなの関係なく繋がれるのがオアシス(ポップカルチャー全般とも言える)の良いところではある。しかし、それを飛び出して現実に繋がりを求めて欲しい。
そんな古いっちゃ古いけど、ネット黎明期でも刺さる話に私はグッときた。

それに対してIOIの社長(ソレント)はどうだろう?
ポップカルチャーを嫌いながらも、どこかオタクが羨ましい。そんな社長だ。
アバターにスーパーマンを選んでいたのも彼なりの趣味だったのだろう。スーパーマンは彼の憧れだったのだ。分かりやすいが全く色褪せない存在。
パスワードに対する警戒心も緩々な老人が、世界を牛耳ろうとするのが皮肉が効いてて良い。

そして顔は出ないが、あのドクロ身体の用心棒(アイロックだっけ?)。あいつは絶対オタクだ。オタクは余計な話するのが好きなんだ。

もちろん、ストーリーは地味なオタクが趣味に突っ走った結果、とんでもない地位を手に入れるというあるあるサクセスストーリーではある。
けど、彼がその過程で得たものは、どんなに金と地位を得ても手に入らないものだ。
綺麗事だけど綺麗事でいいじゃないか。綺麗事って美しい魅力があるじゃん。

現実の暗い部分は忘れずに描かれているので、綺麗事だけで済まさないのが非常に良い部分だと思ってる。

うーん、この……グッと引き寄せられるお祭り。俺がおっさんになった頃に子供に見せたら古いとか言われちゃうのかな……そんなノスタルジーにも浸れそうな、でも今は新鮮で新鮮でしょうがないぐらいに興奮してしまう作品。

NandS
kossyさんのコメント
2023年5月1日

NandSさん、コメントありがとうございます。
たしかにDCやらMCUやらのキャラが一斉に出てくると・・・後々問題になりそうな・・・でも見たかったですね!

kossy