「どれだけゲームが進化しても、自分を幸せにしてくれるのは、現実だけだぞ!」レディ・プレイヤー1 YuuuuuTAさんの映画レビュー(感想・評価)
どれだけゲームが進化しても、自分を幸せにしてくれるのは、現実だけだぞ!
この映画は、VRを使ってアクセスする「OASIS(オアシス)」という仮想現実が舞台となっています。好きな容姿になり、現実では不可能な理想の生活を楽しむゲームです。プレイヤーの中には食事・睡眠・トイレ以外ずっとゲームの中で過ごすほど入れ込む人や、ゲーム内通貨を購入するために借金まみれになってしまった廃課金ユーザーが多数存在しています。
ある日、亡くなった開発者の遺言で、ゲームをクリアした人にはゲームの運営権と莫大な財産を明け渡すというメッセージが発信されました。これを機に世界中のプレイヤーがゲーム攻略に明け暮れていきます。現代で言うところの「eSportsの究極系」といった印象を受けました。「ASIS」の没入感は一度体験してみたいものです。
思わず憧れてしまう世界観と並び、ゲーム内外で起こるプレイヤー同士の駆け引きが、この映画をより奥深いものにしていると思います。どんなに上手くゲームを進めても、操作しているのは現実世界の人間です。その人が攻撃されたら、ひとたまりもありません。仮想世界と現実が交互に映し出されることで、シーンにメリハリが生まれ、最後まで集中して楽しく見られました。ゲーム内では激しく動き回っていても、VRを付けたプレイ姿は静かな部屋で少し腕を振り回すだけといった対比が滑稽でクスっと笑ってしまいましたw。
日本生まれのキャラクターがたくさん登場するのもウキウキする要素の1つ。AKIRAのバイク、春麗などなど。中でもメカゴジラとガンダムのバトルは熱狂モノでした。こんな対戦は他ではまず味わえません!メカゴジラの口からの光線や、ガンダムのライトサーベルなど要所をついた演出が見事で、正直「もっと見せて!」といった感じです。あと、主人公が波動拳を放つシーンも個人的にはお気に入りです。
他にも日本生まれのキャラクターがいたのかもしれません。が、私には見つけられませんでした。たくさんのキャラクターが一堂に返すシーンが何度もあります。静止させてどんなキャラクターが隠れているのか探すのも面白いかもしれません。
「OASIS」の世界観が目立つ映画ですが、この映画は「本当に幸せを掴めるのは現実世界だけ」だと教えてくれます。どれだけ没入感があって、仮想世界が潤っても、現実世界に生きがいがなければきっと寂しい人生になってしまう。そんな価値観を発信している気がしました。現に主人公は、最後に現実世界での幸せを掴みます。「OASIS」の開発者も現実での幸せを追い求めていました。逆にゲームに入れ込んだライバル社の社長は不幸な結末を迎えます。
ゲームはゲーム。程よく楽しむのがちょうどいい。リアルな幸せを掴みたいものですね。