「オタクの愛と勇気が世界を変える」レディ・プレイヤー1 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
オタクの愛と勇気が世界を変える
"レディ・プレイヤー" シリーズ第1作。
Blu-rayで鑑賞(字幕)。
原作(ゲーム・ウォーズ)は未読。
これぞ、オタクが精魂込めてつくり上げた作品と言える。オタク文化への愛が溢れんばかりに詰まった、まさにオタクによるオタクのための映画なのではないだろうか。
映画館で観られなかったことが悔やまれる。今やオタクの購買意欲が経済を支えていると言っても過言では無い。
そんなオタクの底力を知る上で、本作はゼッタイに外せない一本である。オタクだって、世界を救えるんだよ。
スティーブン・スピルバーグ監督は、やっぱり偉大なクリエイターだな、と…。もう大分お歳なのに(失礼しました)、こんな若々しいテンションの映画を撮れるだなんて…
CG処理に掛かる時間を利用して、全く毛色の違う「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」という社会派映画を撮影してしまうと云う凄まじきバイタリティー。さすが巨匠!
ふんだんに盛り込まれたオタクの琴線に触れる小ネタ。ボーイ・ミーツ・ガールな王道ストーリー。VR空間を舞台にした息も吐かせぬアクションと大胆不敵な映像革命。…
どれを取っても、映画の楽しさに満ち溢れている!
最初から最後まで無条件にたぎりまくりだった。
スピルバーグ作品ならではな、子供視点の描写が本作の魅力のひとつだと思う。エイチのゲーム内の工房は一種の秘密基地だし、大人の汚い陰謀に巻き込まれ仲間たちと力を合わせて立ち向かう姿は「E.T.」のエリオットたちと重なる。
仮想空間での交流を通して、現実世界でも真の友情で結ばれていく様は、今の時代を象徴しているようでもあった。
とにかくオアシスで遊びたい。デロリアンと金田のバイクのレースが観られるなんてすごいし、コングに「ジュラシック・パーク」のティラノサウルス・レックス、アイアン・ジャイアントまで登場するから、まさにオタクのおもちゃ箱である。
さらにガンダムとメカゴジラ(権利の問題で、残念ながらオリジナル・デザインで登場。原作では機龍らしい)と云う男の子なら興奮必至であろう夢の対決カードに湧いた。
「俺はガンダムで行く」は問答無用の名ゼリフだ。
生き辛い現実から逃避するためにつくった仮想現実が、逆に現実の良さを実感させられるキッカケとなった。どれだけしんどくても悲しくても、頑張って現実を生きよう。
あぁ。なんて素敵で贅沢な映画なんだ!
[以降の鑑賞記録]
2020/07/03:金曜ロードSHOW!
※修正(2024/07/06)