「「オアシス」の裏面、そのゲームタイトルは「アヴァロン」」レディ・プレイヤー1 マユキさんの映画レビュー(感想・評価)
「オアシス」の裏面、そのゲームタイトルは「アヴァロン」
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世界中の人々がVRゲーム「オアシス」に没入する2045年。ゲームにハマり過ぎるあまり身を滅ぼす「ネトゲ廃人」的なプレイヤーの続出にも言及される。
ゲームに没入して「現実」に戻ってこれなくなる「未帰還者」を生むオンラインゲームを舞台にした押井守監督『アヴァロン』と比較すると興味深い。『アヴァロン』では、ゲーム中で攻撃されて「現実」で嘔吐するシーンや料理と食事のシーンで「現実」が身体的に示される。
対して『レディ―』では、「オアシス」制作者のハリデーの記憶やパーシヴァル=ウェイドとアルテミス=サマンサの恋愛で「現実」のかけがえのなさが示される。前者では、ゲーム中に「現実」が立ち現れることで、「『現実』とは思い込みだ」と語られる。
一方後者では、あくまで「現実」はゲームでは代替できない至高のものだと説かれる。スピルバーグ監督の思惑とは関係なく、『レディ―』は『アヴァロン』の問いかけへのアンサーになっているように見える。
そしてまた、スピルバーグがどこまで意識したかはわからないが、ゲームクリアしたウェイドにエッグを手渡したハリデーは、自分はアバターではなく、また「現実」の自分は確かに死んだ、と答えている。つまり「ゴースト」なのだ。
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