「さすがスピルバーグ」レディ・プレイヤー1 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
さすがスピルバーグ
トレーラーではあまり引っかからなかった(むしろ不安だった…)のですが、スピルバーグですし大丈夫かなと劇場へ。
どうせならIMAX3Dでと思ったのですが、スケジュールの都合で2Dになりました。
あまり事前情報を入れるのが好きな方ではないんで、今回もそのようにして足を運んだのですが、この作品においてそれは誤りでした。物量がともかくものすごく、端々にまで目が行き渡らないのです。
ストーリーはともかく、登場キャラクターだけでも知っておけば、きっと倍くらい見つけられたんじゃないかと思います。これは失敗した点でした。
それにしてもすごい数、これは許諾に莫大な時間(使用料も?)がかかっていそうです。
物語は少し静かな立ち上がりなのですが、ログインしてから勢いはすごい。この緩急の入れ方がうまいんですね。
色の少ない地味な世界から、色鮮やかなバーチャルな世界にログインする。スクリーンでそれを体感すると、あたかも自分もVRの世界に入り込んだような高揚がありました。
序盤のレースシーンはこれまたすごく、色々な仕掛けが本当に面白い。
また、ちょっと顔を出すだけと思われた「金田のバイク」はデロリアンと同等の扱いで、その見せ場もたくさんあります。日本人として、また「AKIRA」のファンとしてとても嬉しい演出でした。
その後も次々と現れるキャラクターにはその度ニヤニヤさせられますし、ガンダムの登場シーン「俺はガンダムで行く!」はかなりアツかった。
本編で唯一耳にする日本語のセリフなのですが、このアイディアがスピルバーグ自身だというのがまたすごい。
(マーケットを考えるとマクロス「ロボテック」が出てこなかったのが不思議)
とにかく多いキャラクターに心配だった物語ですが、これが実にうまく構成されていました「やはりスピルバーグだなぁ…」といった感じで、途中何度も感心させられました。
SFでジュブナイルで、みんなが大好きなスピルバーグ作品です。
日本のサブカルチャーへの愛も感じられるし、何よりあの圧倒的な映像空間は一度目にしてみる事をお勧めします。
その時は絶対スクリーンで。