「ガンダムファンこそ見るべき今年最大の娯楽作!」レディ・プレイヤー1 ジョイ☮ JOY86式。さんの映画レビュー(感想・評価)
ガンダムファンこそ見るべき今年最大の娯楽作!
近未来のディストピアを舞台に現実逃避の為VR空間オアシスに没入していく主人公。
廃屋の薄暗い車内でヘッドマウントディスプレイを着けると、目の前に広大な仮想空間が広がる。
それは誰もが好きなキャラクターになり、自由に飛び回れる世界だ。
スピルバーグは映像というマジックを使ってこの素晴らしい世界をスクリーンに再現して見せた。
この没入感、CGに慣れた今の目で見ても間違いなく刺激的!
更に、登場するキャラクター・アイテムが作品や国の垣根を超えて登場するからたまらない。
トレーラーを初めて見た時、長らくガンダムファンをやってきた自分はZZの合体ポーズをするファーストガンダムに強烈な違和感を感じたものだ。
でも見終わった今、それは杞憂に過ぎなかったと声を上げて言いたい。
「あえて言おう!カスであると!」
「それら軟弱な心配など全く無用だと私は断言する!」
ハン・ソロのホルスターに身を固めた主人公。
エイリアン2のパルスライフルをぶっ放すヒロイン。
歩兵を蹂躙するメカゴジラに対しガンダムがビームサーベルで格闘戦を仕掛け、AKIRAの金田バイクとデロリアンはキングコングを巻き込み壮絶なチェイスを繰り広げる!!
これは夢だ。
スピルバーグが今世紀に放った最大のサプライズだ。
こんなに多幸感に満ち溢れた気持ちになったのは久しぶりだ、サブカルが好きでよかった。
心の底からそう思える。
更にはスピルバーグの師であるスタンリー・キューブリックへの最大限のリスペクトも入っている。
2つ目の鍵を巡ってのミッションはある映画の徹底再現なのだが、この完成度がとにかく凄まじかった。
この作品の半分は、彼のキューブリックに対する"異常な愛情"なしには生まれなかっただろう。
クリエイターとしての才能に恵まれながらも人としては決して幸せでなかったハリデー。
彼の人となりと純粋な創作への思いを主人公が受け止めるクライマックスは涙なしでは語れない。
泣いて笑って怖がって考えさせられて、全てのエンタメの要素を凝縮したような最高の映画に仕上がっていた。
きっとスピルバーグはハリデーに自分の人生を重ねたに違いない。
間違いなく、今劇場で観るべき映画だ。