「バーチャルとリアルの狭間」レディ・プレイヤー1 徹2001さんの映画レビュー(感想・評価)
バーチャルとリアルの狭間
インターネットの世界にどっぷりと浸かっていると、リアルとバーチャルのどちらが本当なのか分からなくなる事がある。
飯も食わずに、何時間もチャットをやっていたり、オンラインゲームをしていたり。
私自身、ほとんどゲームはやらないが、Windows98の頃だったかな、職場の友人とハマったのが、ディアブロというオンラインゲーム。毎日時間を待ち合わせて、夜中のゲームにどっぷりと浸かった。仲間が来ないときは、適当なメンバーとチームを組みダンジョンに飛び込んでいく。うっかり外国人とチームを組むと、コミュニケーションに苦労して・・。でも、なにげにしっかり助けてもらったりすると、うれしくなったりして。
その後全くゲームはやらないが、あの後もゲームを続けていてプレステーションなどでオンラインゲームに浸かっていたら、多分この映画を見ながら、コントローラを握りしめてしまうんだろう。
オタクと言えばオタクの物語かもしれないが、ネットの住人にとっては、決してバーチャルな空想世界じゃ無い。画面自体はバーチャルかもしれないが、その向こうには、リアルな人間がいて、助けたり助けられたりして。時には裏切る奴もいるけれど、心が通じ合う瞬間も経験できる。
オンラインチャットで、毎日時間を待ち合わせて他愛の無い話に興じたり。ピアノに合わせて歌を歌い合ったり。好きな文学の事を話し合ったり。
そんな経験をバーチャルだと切り捨てられたくない。そこで、「リアル」を感じた人々にとっては、この映画はたんなるSFXで作られたバーチャルな映画では無くて、「リアル」そのものなんだ。