「とても楽しい娯楽作品」レディ・プレイヤー1 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)
とても楽しい娯楽作品
スピルバーグの監督作品は1週間前に「The Post」(邦題「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」)を見たばかりだ。自由と権利を脅かす権力者と真っ向から戦うジャーナリストと新聞社の社主の勇気を描く感動作で、トム・ハンクスとメリル・ストリープという大物俳優を見事に演出して傑作に仕上げていた。
この作品は打って変わって、ビデオゲームが現実の一部となってしまった世界を描く。現実の理不尽を打開するためにはビデオゲームに勝つしかないという、ビデオゲームにありがちな設定である。そして映画はビデオゲームのステレオタイプのストーリーで進んでいく。アイテムやツールの獲得、敵や味方との遭遇、アクション、ミニゲーム、謎解きである。
ゲームがそうであるように、映画も予定調和に向かってまっしぐらに進む。見せ場はストーリーではなく、ゲームのディテールであり、よくできたCG映像だ。音楽も映像によく合っている。心に残る映画ではないが、見ている間はとても楽しい娯楽作品である。
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