「エンターテイナー・ナンバー1」レディ・プレイヤー1 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
エンターテイナー・ナンバー1
こんなに楽しいスピルバーグ映画は久し振り!
改めて、当代きってのスーパー・エンターテイナーだと再認識した。
別の言い方すれば、元祖オタク少年。
ここまでスピルバーグのオタク心が爆発したのも初めてではなかろうか。
最近シリアス続いたが、スピルバーグのエンタメ精神、永遠のオタク少年心、万歳!
ストーリーや登場人物描写は、良く言えばエキサイティングなゲーム感覚、悪く言えば平凡でそこまで面白くはない。
少なからず格差社会や貧困層の立ち上がり、ヴァーチャル世界の入り浸りはダメ、現実世界に目を向けて…などのメッセージ性やハートのこもったドラマも込められてはいるものの、あまり期待しない方がいい。
最も、本作を見るほとんどの人がそれらには端から期待していないだろう。
もし、それらに深みや重みがあったら、本作の最大の醍醐味に集中出来なくなってしまう。
本作の最大の醍醐味とは勿論言うまでもなく、多くの映画やアニメやゲームからのキャラの登場だ!
すでに知られてる予告編や事前情報だけでも…
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアン、『マッドマックス』のインターセプター、キングコング、アイアン・ジャイアント、『チャイルド・プレイ』のチャッキー、自身の映画からあの恐竜まで!
嬉しいのは、日本のサブカルへのオマージュ。最近、ギレルモ・デル・トロや『パシフィック・リム:アップライジング』のスティーヴン・S・デナイトが熱烈な日本サブカルLOVEを公言してるが、スピルバーグも正真正銘その一人。
ガンダム、『AKIRA』の金田バイク、『ストⅡ』からあのキャラこのキャラ、登場人物の一人のアバが三船敏郎…。
さらに、私の神映画の一つである世界に誇る某日本映画から、あのキャラとあのテーマ曲が! この○○○○○vsガンダムなんて、夢の対決!
(そのキャラと音楽に関して、スピルバーグがスッキリで言っててメチャ興奮したが、出来れば知らずに劇場で観てワーオッ!!と言いたかったなぁ…)
他にも、気付かなかっただけで、まだまだ沢山のキャラが登場してるだろう。本当に、瞬き&一度のみの鑑賞厳禁!
正直、ほとんどのキャラが顔見せ程度。
でも、ガッツリ見せるより、5回10回見る楽しみやマニア心をくすぐるってもんよ!
序盤から大クラッシュの近未来カーレース。そういや、『激突!』の監督だったね。
様々なキャラやロボやメカが入り乱れるクライマックスのバトルシーンは、得意の戦争映画もしくはプロデュースの『トランスフォーマー』的。
カーレースのシーンはカーチェイスが有名なあの名作アクションを彷彿させ、かの伝説的ホラーのシーンが舞台になったり、キャラ以外でもマニアックな映画ネタがわんさか。
そこに、80年代MUSICをぶっ込み。
私なんぞより日米サブカルに詳しい方にはもう堪らんだろう。
本当はもっともっと、あのキャラあの映画を言いたいが、さすがにそれはNG!
某映画の予告編ナレーションに掛けて言うなら、
「残念ながら、『レディ・プレイヤー1』の楽しみについて語る事は出来ない。自分の目で確かめろ」
それにしても、本作のようなエンタメとシリアスな社会派『ペンタゴン・ペーパーズ』を同時に撮ってしまうとは…。
どっちがスピルバーグ映画っぽい?…じゃない。どちらもスピルバーグ映画なのだ。
今後も『インディ5』や『ウエスト・サイド物語』のリメイクや歴史宗教ドラマや最新情報によるとアメコミの企画もあるという。いずれも難なく作り上げてしまうだろう。
『インディ5』は勿論楽しみだが、個人的には老齢集まっての老インディより、若々しく新鮮な『レディ・プレイヤー2』を是非とも見たい。
続編求ム!