ダンケルクのレビュー・感想・評価
全607件中、361~380件目を表示
劇場なら全てを感じられます!
全編緊張感が抜けない展開の連続でこれまた初めての映画体験ができました。IMAXはフル活用されてたし、戦争の恐怖だけでなくエンタメ性もあり...いや...なんか...クリストファー・ノーランすげえとしか言えねえわ!w
主軸となるような主人公がいるわけではなく、陸・海・空で作戦が同時進行し、登場人物が必死に撤退を試みるわけですが、終始怖かったです。敵であるドイツ軍がちゃんと画面内に現れることはほとんどなく、自分からは見えないけれど、どこからでも攻撃されうるというイギリス・フランス軍隊の緊迫した気持ち、見ている自分も感じることができました。(少々英・仏を美化した部分はありましたが) そういった中でもし自分が徴集されてたら絶対逃げたくなるよなぁ...あ!また1人死んだ!泣、なんてことを考えてたもんですからより絶望感と恐怖が増しました。
キャラを一人一人掘り下げたような映画ではないですが、それぞれの思惑や不安が垣間見え、それによってさらに観客を戦争世界に引きずるような作風が撮影手法であれ、極限までCGを使わない点であれ、どの点も全てがうまく活用されてて完成度が高すぎるところも含め個人的に恐怖でしたwでも良い作品です。というかクリストファー・ノーラン監督作はほぼハズレはないです!
IMAXスクリーンで観れなかったのが残念だったな〜。最寄りにIMAXシアターがある方は是非ダンケルクを見に行くことをオススメします!
97点!
目で見、音で感じる戦場映画
クリストファー・ノーラン初の戦争モノで実話モノ。
アメコミ・ヒーローやSFに斬新さやリアリティーをもたらした彼だが、『プライベート・ライアン』のような戦争映画を期待すると肩透かし。
戦争映画にエンタメ性や兵士たちの友情、感動などを求める人には不向き。
ドラマチックな展開も感情を揺さぶる演出もほぼ皆無、説明的な描写も台詞も最低限。
好き嫌い分かれそうな作品だが、あらゆるものを削ぎ落とした仕上がりは、突然ポンと戦場に放り投げ出されたような錯覚に陥る。
圧倒的なまでの臨場感、緊迫感にKO!
まずは、音。
冒頭、市街地の静寂を破る銃撃音。轟音と共に迫り来る敵機。魚雷命中の音響にはドキリとさえした。
耳をつんざくとは、この事。来年のオスカー録音賞・音響効果賞は間違いないだろう。
奇しくも前日レンタルで『この世界の片隅に』を再見したばかりもあって、戦争の“音”の恐ろしさを殊更感じた。
CGを極力使わず、ほとんどを実写で撮影したという話題の映像。
頭上をかすめる戦闘機、浜辺での爆発、沈みゆく艦…これらがほとんど実写だと思うと、やはり圧巻!
でも、それら以上に印象に残ったのは、背景。
寒々とした空、荒れる海…。
どんなにCGが発展しようとも、生身の映像には及ばない。
話の展開は、陸・海・空、それぞれの視点から。
面白いのは、別場所同時刻ではなく、別場所別時刻である事。
陸=1週間、海=1日、空=1時間。
時間軸もバラバラでそれらが交錯して一見複雑にも思えるが、それらが巧みに、見事に相乗して緊迫感を盛り上げる。
不穏を煽るハンス・ジマーの音楽。
役者陣の名アンサンブル。
確かに撤退までが一代作戦として描かれる訳ではないが、救出された際の張り詰めた緊張が解れる安堵感に、ようやくホッと胸撫で下ろした。
まさしく、目で見、音で感じる“戦場映画”。
ギュッと濃縮した、ノーラン印のタイムリミット106分!
専らIMAXでの鑑賞がオススメのようだが、地方の我が映画館ではそんな贅沢なシアターはナシ。
それでも一番大きなスクリーンで迫力を充二分に感じたが、IMAXはこれを上回るのか…!
是非IMAXのスクリーンで!
私はこの映画をIMAX、4DXの両方で鑑賞をしましたが、どちらで見るのが良いかと言うと、かなりの大差でIMAXの方では無いかと思います。
やはり、他の方も言及されているようにこの映画の醍醐味はリアリティを究極まで追求した映像と音にあります。
とは言え、4DXも捨てがたいのです。なんと言ってもスピットファイアの登場場面における、臨場感、この場合は搭乗感と言ってもいいかもしれませんが、これがとても良い。
戦闘機好きの方は二度目の鑑賞の手段として選んでも良いかもしれません。
また、正直なところ、言い過ぎかもしれませんがこの二つ以外の、一般スクリーンでの鑑賞はこの映画の味わいが落ちてしまうのでは無いかと思います。
この映画は登場人物たちを見て楽しむと言うよりも、あたかもその場にいるかのように体験することに良さがあるのでは無いのでしょうか。
ですから、多少値段は高くなりますが、より高い没入感を味わえるこの二つの鑑賞法を選んで欲しいです。
さらに言えば、この映画はその多くの部分をIMAXカメラで撮影していますから、一般スクリーンでは写しきれない部分も見ることが出来、音質、画質、ともにトップクラスを誇るIMAXでの鑑賞をお勧めします。
戦争の悲惨さ
”撤退戦”という新ジャンル
なるほど、凡百の戦争映画とは違う。
謎の幸運と超人的な戦闘能力にモノをいわせ、奇跡のように悪逆のドイツ兵を皆殺しにしつつ危地から脱出するような、よくあるの戦争モノではなかった。「撤退戦」を取り巻く事象を正面から描いた意欲作。
まず前提として、この作品は「戦争」というよりも「戦場」を描いた作品であると思える。国家同士の戦略のぶつけ合いや軍部中枢の思惑や各々の主義主張などの描写は控えめで、ひたすら戦場と、そこに取り残された兵士たちの心理と行動とを、迫真でもって描写しているのだ。
ゆえに戦争映画によくありがちな、祖国に残してきた家族とか恋人との愛情とか、親友との泣ける約束とか、キチガイな悪役との決戦とか、そういうお約束要素は絶無だ。きっと痛快で派手でフツーな戦争映画を期待した人は、さぞかし肩透かしをくらった気分だったろう。
生々しいリアリティとエンタメ要素の配合が程よい。現実的で地味な描写に徹しているかというとそうでもなく、まるでテレビゲームのような無双の活躍を見せたスピットファイア操縦士や、人を押しのけてまで生きようとした英国兵が因果応報的に惨たらしく死んだりと、とても“安っぽくて陳腐な”展開はそこそこある。個人的にはここらへんのエンタメ性も排して、ひたすら硬派な歴史ドキュメンタリー映画風にしても悪くないとも思ったのだが、すると他のちょっとした遊び心のあるシーンも徹底して排除しなければならず、本格的に盛り上がりどころのない映像作品となってしまっていただろうから、それも一長一短である。
こういった生き残りを賭けたものを書くと、剥き出しの激情の生存本能で突き動かされたキャラクターがいっぱい出てきて、それっぽい台詞を叫んでちゃめちゃをやらかしがちなのだが、流石本作は一兵卒に至るまでみんなが規律に従って、きちんと順番通り並んで行動している。しかし危機的状況や、あるいは上手くすれば自分が助かるかも知れない、国に帰れるかもしれない…という状況ならば、迷わず目の前にぶら下がったチャンスを最優先して必死に行動をする。このヒトとして兵士として、決して極端にどっちかに振り切れることがない、ものすごく説得力のある行動指針こそが、この映画にリアリティを付与している最大の演出だと思う。俺が兵士でもきっと似たような行動をすると思ってしまう。
戦闘の演出も派手すぎず、それゆえの圧迫感や緊張感、恐ろしさがある。爆撃には伏せるしかない。彼らは何を思って伏せているのだろうか。何かに祈っているのだろうか、なにも考えないようにしてるのだろうか。また、飛行機も被弾したところでド派手に爆発するわけではなく、煙を上げて不時着するのも現実的だ。欧州戦線ではパイロットは被撃墜と生還とを繰り返す例も多かったと聞いた記憶がある。また、敵であるドイツ兵はついに最後まで顔を出すことがなかったのも印象深い。スピットファイアが数機を撃ち落としただけで、基本的にはひたすら蹂躙されるだけの戦闘描写に徹していたのが良かった。ここで色気を出して少しでも一矢報いる反攻っぽい要素も入れようとすると、緊張感や絶望感が台無しだ。
駆逐艦沈み過ぎじゃね?/とりあえず。ジャムパンと紅茶。ジャムはだいたいストロベリージャムっぽい/あわよくば負傷兵といっしょに船に潜り込みたい/ちょっと感じ悪いイギリス兵が因果応報といわんばかりに惨たらしく死ぬのはちょっとやりすぎというか、哀れだ/船員を殺した負傷兵が、死んでしまった船員を気遣うシーンで「大丈夫だよ」と嘘をつけた彼はとてもカッコイイ/お前フランス人かよー/最後はちょっとキレイにまとめようとしすぎたんじゃね?
ドーバー海峡って昔、芸人の集団が泳いで渡ったりしたけど、小舟で渡航するのは厳しいのかね?
見終えたあとに暫くして「あぁ、そういえばこれはノーランだったか」と思い出した。
ダンケルクの戦い
戦争は全てが分からなくなると示した凄い映画
iMax 一回
通常 一回
音と映像に圧倒されて、まるで戦場にいるような非日常の体験が出来ました
各集団にそれぞれフォーカスを合わせ、防波堤、海、空を異なる時間軸を組み合わせて映し出してくれます。
それぞれが感じるダンケルクが合わさる様は、人生の分岐を見ているようでした。
音と映像に圧倒される中でも感じるのは、映像で示す熱い思いと、音から迸る一瞬一瞬の鼓動
分かりやすい説明など無く、戦場に放り出される感覚に陥る映像
映像と連動しながら迫り来る音圧
一瞬で映画に取り込まれました。
テロや紛争の止まない世界で、極限の世界に没頭させてくれるこの映画は見えない敵と日々戦っている人達
誰と戦っているのか分からなくなっている人達に向けられたメッセージみたいなものを感じました。
しかし、残念なことにこの感覚は音響が整った映画館でしか体験できないです。
家で観てもちっとも分からないでしょう。
脱出劇という後ろ向きな題材でこのような前向きな気持ちに成れるとは思いませんでした。
非日常を体験する気持ちで、観に行くのがいいと思います。
臨場感、緊張感
いやー疲れた……。この尺でギリギリの緊張感だった。
IMAXで観たけどとにかく音と臨場感がすごい。
「この世界の片隅に」や「サウルの息子」「野火」と同じように、主要人物が見聞きしたことしか観客に知らされない作りになっていて、それが臨場感に繋がっている。戦争映画はこの作りに合ってるんだろうな。こういう映画は特に、映画館で見ないともったいない。
しかし、戦時中に一億玉砕とかカミカゼとか言ってた国の人間としては、勝ち目がないなら撤退しよう、一人でも多くの兵士を救おう、って判断ができる英軍はちゃんとしてていいなぁ…と思わずにはいられなかった。今でもあんまり意味ない自己犠牲をありがたがる日本人いっぱいいるよね…。。
ただ、最後に不時着した空軍パイロットとか、息子と船で助けに行った父親とか、最後に仏軍のために残ることを決めた将校?とか、ちょっとかっこよすぎるでしょーと思ってしまった。行動自体が十分かっこいいんだから、そんなにかっこいい演出しなくてもいいのにー。
CG無しでしょ⁉️緊迫感が半端ない‼️
ノーラン監督やはりすごい。
スピットファイアが好きになる
大正義スピットファイア。流石英国の救世主と揶揄されただけある。軍事オタクの人なら凄く楽しめると思った。私自身戦闘機は元々好きだったので見にいったので少し贔屓目があるけど見ていて楽しかったです。
といっても全部が全部戦闘機のシーンじゃない。ダンケルクの戦いはWWⅡ序盤に起こったナチスドイツ対英仏連合の戦い。ドンパチをするシーンは正直少ない。難しい話でもあるのでダンケルクの戦いがどんな事だったか知らない人は事前に少し調べてから行くのがオススメ。スピットファイアを知らない人や興味がなかった人は是非戦闘機のシーンではよく目を凝らして見てほしい。
ストーリー無し
映画館が戦場になる
戦争に主人公なんていない。
感動もない。そんなことをとにかく見せつけてくる。
自分が戦争の中に乱暴に放り込まれたような気がずっと続く。
戦争って実はそんなもんなんだ。何故かドイツ軍の進行が止まっている。逃げるなら今しかない!とにかく生きて帰れるならどんな手だって使う!嘘もつく!汚い手だって使う!
映画を見ていたら「こんなこと許されない!腹立たしい!」って思うこともそんなこと考えない!考える余裕がない!
だって自分も映し出される兵士と一緒に戦場にいるから。
逃げて!より逃げよう早く逃げよう!
という思い。
終わったあとようやく映画館に戻ってくる。
そして何が面白かったかわからない。
あるのは安堵感だけ。
こんな映画初めてみた。
IMAXでないと意味のない映画
「戦争映画」ではなく「戦争体験映画」です。極端な言い方をすれば「戦争体験アトラクション」のような映画です。
この作品はクリストファー・ノーラン独特のこだわりに満ちており、IMAXフィルムでの上映を前提(必須)として撮影されているために、IMAXでないと縫値の半分も体験出来ないようです。事実、日本のほとんどの映画館では上下約40%がカットされた「縁付き」上映になります。
私は一度目は、少し遠いIMAXデジタルの映画館で鑑賞し、二回目は近くの通常上映で鑑賞しました。全くと言っていいほど別物でした。
登場人物の台詞はほとんど無く、従ってキャラクターが立つこともありません。名前を呼ぶシーンも民間徴用船の親子くらいで、保管委はスピット・ファイヤーの搭乗員くらいです。
戦争映画なのに、敵側=ドイツ軍は全く登場しません。
陸・空・海で起こる3つのストーリーが順次登場し、最後のクライマックスで1つに統合されるという凝った構成を取るので、油断すると筋書が分からなくなります。
比較するのも変ですが、「脱出・撤退戦争映画」としては、東宝作品「太平洋奇跡の脱出・キスカ」の方が、遥かにハラハラ・ドキドキ、成功した時の高揚感はありましたが、この作品はあくまでも「戦争を体験する映画」なんだと思います。敵国同士の友情とか、騙し合いとか、愛国心と自己愛の相克とか、そんな感情的な部分は一切排除し、そこには絶望的な状況に投げ入れられ、怖れ・慄く若い名もなき兵士たちのリアルな姿があるのみです。
全607件中、361~380件目を表示