ダンケルクのレビュー・感想・評価
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臨場感、緊張感が凄い映画だが
冒頭のシーンから緊張感の連続・・・、ただ、結局緊張感だけの映画で終わってしまった。海岸線での戦闘場面というと、どうしても「プライベート・ライアン」と比べてしまう。「プライベート・ライアン」では戦闘シーンは最初だけで、あとは内陸部の戦闘場面となっていくが、どこにいるかわからないライアンを探しだす面白さもあるが、戦友同士の友情が感動を与えた作品であった。
こちらは、特に山場というのがなく、さらに英国軍のえこひいき的な描き方に、英国人以外は見ていて感じが良くないと思う。そういえばノーラン監督はイギリス出身だったんだ。歴史的最高傑作「インターステラー」を作ったあとだけに、ちょっと息切れかな。
あと、主人公の会話が少なく、そのせいか最後まで感情移入できず、臨場感はすごかったものの我々は戦争を傍観者のようにただ見ている観客のようだった。
ただ、空中戦や船が沈むシーンの迫力はさすがにノーラン監督らしく、こだわりが感じられ、それだけでも見る価値は充分あるかもしれない。
あと、大作の割には映画音楽がイマイチの感あり。いい映画音楽だと何年たってもその音楽を聞くと、映画のシーンそのものが鮮明に蘇るが、この映画に関しては何年か経てば忘れてしまいそう(前期高齢者の私だけか?笑)。雑音か騒音ようなハンスジマーの音楽は、緊張感を高める意味ではピッタリかもしれないが、戦争映画であっても、「戦場のメリークリスマス」や「プラトーン」のような心にしみるような音楽が使われていたら、もっとよかったかな。
基礎知識を勉強してから観ましょう
ダンケルクは欧米人には常識なので、背景などの説明はありません。少し調べてから観ないと意味がわからないので、とりあえず最低限の知識のみ。
時期は大戦初期、大陸を西に侵攻する圧倒的なドイツ軍に英仏連合軍が挑みますがボロ負けに次ぐボロ負けで仏北岸ダンケルクに追い詰められます。ダンケルクの戦いとは、ノルマンジーのように「攻める作戦」ではなく、ボロボロのイギリス兵を本国に船に乗せて逃げ帰らせる「敗残の作戦」であり、まだアメリカも参戦してないのでイギリスは殆ど死にかけ状態です。更にじり貧のイギリスは救出用の船舶も不足しているので、民間の船舶まで徴収して救出に向かうのです。
空中戦に登場するのは、ゼロ戦と並ぶ第二次大戦の名機、イギリスのスピットファイアとドイツのメサーシュミットですが、イギリス反撃の契機をなすバトルオブブリテンはこれより数か月後の話です。
映画としては、説明しなくても欧米人はわかるのでセリフも最小限。映像は海上と空中と陸上(上陸地)の各場面が交錯してサスペンスフル抜群です。
単なるドンパチだけではない良質の戦争映画です。
時間軸での物語の魅せ方がとにかく上手い。
内容は至極普通で史実に基づいているが、戦争のリアルをテーマに生と死を体感する、そんなサスペンスに近い。
''死''という事をかなり近くに感じられる作り。臨場感はほぼワンカット撮影の映画【1917】と対照的で、時間軸の切り替わりが斬新でとても面白い。
陸=1週間
海=1日
空=1時間
と最初に字幕で説明があるが、やはり難しい。頭の中でこの時間軸の断片を組み立てて、理解していくのを''楽しく''感じるか、''苦痛''に感じるか。ここが「評価」が大きく分かれる部分。
変に誇張せず、淡々と''死の恐怖''を表現。不本意にも関わらず命を賭してまで行う、戦争の意味とは何か。その戦争においての"退却"という判断を、軍部上層部、当事者と、無事を待つ人達、それぞれの考え方、その素直な反応。
血や残酷なシーンは限りなく少なくし、且つ死体に対する"慣れ"の怖さ。鑑賞者に、"死"と"戦争の意味"を至極静かに時間一杯に問う、新しいアプローチが斬新で良い。
緊迫感溢れてた
戦意高揚、国民皆兵を推薦する思慮浅さ。
期待通り
トム・ハーディが出ているし、キャストが豪華だからずっと見たいと思ってたけど、なかなか機会がなくて見れなかった作品。
テネット公開に合わせて開催されたノーラン祭りのお陰でやっと見れた。
主人公2人が知らない俳優だったため、ごっちゃになったり、時間軸が交差したりして若干分からない部分もあったが、全体的にリアリティもあって面白かった。
トム・ハーディはかっこいい役だったけど、キリアンマーフィー、、笑
見終わって何日かたった今でも、たまにあのフランス人が溺れたシーンを思い出してどんよりした気分になる。
ヨーロッパ戦線のこと
この作品を見るまで「ダンケルクの戦い」も「ダイナモ作戦」も知らなかった。第二次世界大戦のヨーロッパ戦線については、ほとんどイメージを持っていなかった。「プライベート・ライアン」くらいだ。太平洋戦争のイメージの豊富さとの違いに軽く驚きながら、それも当然だと思う。
「ダンケルク」を見ながら「この世界の片隅に」を思う。または「風立ちぬ」(宮崎駿)。兵士にとっての包囲戦からの退却。市民にとっての空襲、原爆。航空機エンジニアと戦闘機。どれだけ努めて想像してもたどりつけない、当事者の知覚に少しでも近づこうと、脚色や演出を慎み深く研ぎ澄ました先に、表れ出るのが「生きろ」というリアリズムなんだと思う。
おもしろかったか?と問われれば、おもしろかったと思う、と答える。そんな感想です。
3つの視点から描かれた戦争
最新作「TENET」が盛り上がっているのでクリストファー・ノーラン監督の作品を順次観ているところです。ノーラン監督の作品は「メメント」「バッドマンビギンズ」「ダークナイト」「インセプション」「インターステラー」「TENET」に続いて7作目の鑑賞です。どの作品も個人的に非常に好みの作品で、私の大好きな映画監督さんです。
鑑賞前の事前知識として、「撤退作戦を描いた戦争映画」「陸海空の3つの視点から描かれる」ということは知っている状態でした。
結論。とても面白かったですが、ノーラン監督の他作品ほど私に刺さる内容ではありませんでした。単純に好みの問題だとも思いますが、過去作にあったような大きな盛り上がりどころが薄かったのが要因でしょうか。
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第二次世界大戦中、最新兵器を使用するドイツ軍相手にイギリスとフランスの連合軍は、フランス沿岸の街であるダンケルクに追い詰められ、完全に包囲されてしまった。ダンケルクに取り残された40万人の兵士を救出するため、軍艦から民間船舶までを総動員させてダンケルクの兵士を救う「ダイナモ作戦」を実行した。この撤退作戦を、ダンケルクに取り残された兵士・ダンケルクへ救助へ向かう民間船舶・船を敵から守る戦闘機パイロットの3つの視点から描く。
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時空がゆがんだりはしない
戦勝者側の転機、功労者への敬意を表現する側面が強いので、ちょっと感情移入しにくいかもしれません。英国の方は語り継がれ習ってきた歴史なので思い入れが強いシーンが多いだろうことは伝わってきます。空軍機のラストシーンが美しい。
ノーランらしい劇場型の体感映画
マスターベーション以上のものが…。
ダンケルクの戦いとなっているけど、順次撤退でカモになる恐怖。臨場感、圧倒的はもちろんあります。が、テーマパークに行きたい人はいいんだろうけど、映画としてはやはり鑑賞して何が残るか。戦争体験「したかのように」シアターから出てくる人を生み出すだけ。あぁ怖かった。楽しかったと。アトラクションですね。人物もテーマも浅くて、最終的には撤退オメデトウ&死んだ少年も報われました。プロパガンダで帰還お祝いですという。
陸海空の時間軸もノーランは方法論は面白いけど、あまり結実して唸るというのがコレに関しては無かったかな。むしろ、没入感への意図が出過ぎてて、そっちが気になるという皮肉も。特に音がね、宣伝としてはそこが特徴なんだろうけど、音楽も含めて常に製作者が先行してる感じで怖いぞ!、起きるぞ!と出来損ないのホラーのよう。
メメント、インターステラーは大好きなのは、人間の本質に迫っていたから。生き残りに必死なんて当たり前で、兵士に感謝とか挙国一致で乗り越えたとか、騒ぎ出す輩を生み出しそう。アカデミーで激賞と、幼稚さで共通するからノーランも映像職人以上のものは無いんだろうな。残念だけど。まぁそれだけでも大した才能ですが。子供的大人向け。
実は大した事が起きてない
見せ方は巧いので最後まで観れてしまうのだが、よくよく考えてみると大した事は起きてない。脱出作戦というとキスカのようなドラマチックな展開を予想していたので拍子抜けしてしまった。
調べてみると、包囲していたドイツ軍がドイツ軍側の事情で手をこまねいてて、普通に1週間ぐらいかけて撤退してる。大量の民間舟が助けたというのも誇張があって、実際は沖合の大型戦艦までピストン輸送が主だったという。どうも国民を鼓舞するために美談に仕立てたものだったらしい。
派手な戦闘もないし、ドラマチックな脱出作戦もなしで、ここまで観られる映画を作るクリストファーノーラン監督の凄みを感じるけど、やはりもの足りない。
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